気さくなラルンの村人たち。村を歩いている時に出会うと、誰もが穏やかな笑顔で挨拶してくれます。
ラルンには、ラルン・セルカンと呼ばれる10世紀頃に建てられたと推測されている古いお堂があり、中には無数の仏像が立体曼荼羅のような形で祀られています。この写真は数年前に撮影したものですが、現在、内部を撮影する際には僧侶の方の許可が必要です。
周囲を高い山々に囲まれているため、日没よりもかなり早い時間から、太陽は尾根の向こうに姿を隠してしまいます。
大きなズタ袋に詰め込まれたマタル(グリーンピース)を運ぶロバ。ロバはこうした荷物を運ばせる時に役立つ、村にとって大切な家畜です。
マタルの収穫にいそしむ村の女性たち。スピティの高地で穫れるマタルは生で食べられるほど甘くてみずみずしく、インド国内でもかなりの高級品として流通しているそうです。
収穫したマタルはこうしてズタ袋に詰めてざっくりと縫い合わせ、ロバの背中に積んで、村の中にある集積所まで運び、そこでトラックに積みます。スピティからインド各地に輸出されるマタルは、辺境であるスピティで暮らす人々にとって、貴重な現金収入源なのです。
◎文/写真=山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)ほか多数。
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