今回の旅の目的は、北海道の北見市で開催される「北見厳寒の焼き肉祭り」へ参加すること。北見市は北海道のなかでもオホーツク海側にある一番大きな街。週間天気予報を見ると、予想気温はマイナス10度!
佐賀に生まれ育ち、長年福岡に暮らしてきた私にとって「マイナス10度世界」に足を踏み入れるのは、人生で初めて。
何を着ていけば良いのか想像もつかない私に、北海道に詳しい友人たちがアドバイスをくれたので、今回は詳しく紹介したいと思います。寒い地域へ初めて旅をする人の参考になると嬉しいです。
人生初!マイナス10度の北海道・北見市へ
防寒着と防寒グッズを準備しよう
人生の8割を佐賀・福岡で過ごしてきた私でも、冬キャンプの経験は持ち合わせていました。
冬キャンプでは、それなりに防寒対策をします。
しかし、福岡市内に近いキャンプ場では、冬キャンプといっても気温は0度前後。雪が散らつく程度です。寒ければテントに入り暖をとることもできますが、今回は「北見厳寒の焼き肉祭り」に参加するため、マイナス10度の外で寒さに耐えうる格好をしなければなりません。
「スニーカー、ジーンズで行くなんてとんでもない!雪で濡れた靴とジーンズが凍るよ!」
靴下2枚履きに、極暖レギンス、ジーンズで乗り込もうとしていた私は、友人たちに一喝されました。
「最低限これだけは準備して!」と友人たちが教えてくれたリストを紹介します。
準備リスト
- スノーブーツ(防水)
- ダウンジャケット
- 極暖ヒートテック上下
- 手袋
- ネックウォーマー
- 耳が隠れるニット帽
- 靴専用カイロ
- 分厚いセーターよりも薄手のセーターを重ね着がオススメ
持っていた左手のダウンに加え、上に重ねて着ることができる大きめのアウターを購入しました。ヒートテックに薄手のセーター、その上にダウンだけでも保温性は確保できましたが、その上に厚手のアウターを着込むことで、さらに温かさが増した感じです。
安くて使えると話題のワークマンのスノーブーツも購入しました。
厚めの靴下を履くので、ブーツのサイズをMではなくLサイズにしたところ、やや大きかったです。
おかげで雪のなかで水が滲みてくることもなく、厚めの靴下と合わせて靴用カイロもつけていたら、夜の外歩きでも温かさを感じることができました。
ワークマンで購入したウォームクライミングパンツも、とても重宝しました。見た目はシンプルな黒いパンツなので、何にでも合わせやすい。この下にヒートテックのレギンスを履いておけば、マイナス10度の世界で寒さを感じることはなかったです。冬キャンプもぜひ、このパンツで行きたい!
いざ、白銀の世界へ
福岡市内の自宅を出て、市営バス、地下鉄を乗り継いで福岡空港へ着きました。
その頃には、もう汗だくに。マイナス10度の世界を生き抜くための防寒着を身につけて家を出た私の格好は、福岡市内では浮いていました。スノーブーツにダウンを2枚重ね着。空調の効いた乗り物がとにかく暑い。
空港でダウンを脱ぎ、ティーシャツ一枚になってもなお暑い……。ぬくぬくソックスにスノーブーツで固めた足元が、体を芯から温める。
暑さから逃れられない……。
気分的には、ビーサン、短パン、ランニングで過ごしたいくらいの暑さです。着替えたい衝動に駆られますが、持ってきたのが厚手のヒートテック2枚。着ている服よりさらに暑くなる服です。
搭乗口近くの売店で、「ティーシャツ売っていませんか?」と尋ねるも、お土産のトランクスしか売られておらず諦めました。北海道に着いたら現地の観光Tシャツを買おう……。
アイスコーヒーを飲み干しリフレッシュ。機内では、2枚のアウターを荷物入れにしまい、スノーブーツも靴下も脱いで過ごしました。
足が涼しくなったことで、ようやく身体も冷えてきました。おかげで、機内で提供されていたホタテの温かいスープを飲めるまでに身体が回復しました。
空港に到着すると、友人との待ち合わせ場所である網走へ向かうため、タクシー乗り場を探します。「いざ、マイナス10度の世界!へ」心して建物の外に出たものの、体感値としてはそこまで寒くなありません。
「今日は2度もあって温かいね〜」と、網走ハイヤーの運転手さん。ちなみに2度というのは、「マイナス2度」のこと。こちらの人は「マイナス」をつけないようです。
福岡から来たことを伝えると、運転手さんが冬の北海道について話をしてくれました。
「昔はマイナス30度くらいまで気温が下がっていたんだよ。それだけ気温が低いと、降った雪がサラサラのまま残るから雪が積もって固まることはなかった。今は気温が上がって、降った雪が積もって溶け出して固まるから、その辺に見える雪景色の雪も触ってみると意外と固いんだよ。夜は昼間に積もった雪が溶けながら凍るから、路面が滑って危ないんだよね〜」
道路の両脇には、分厚い雪の壁ができています。積もった雪を除雪車がかき分けたものに、さらに雪が積もっているそうです。
一面を雪に覆われた真っ白の土地についても話を聞くと、「あれは、畑だよ」と、教えてくれました。この辺りは広い土地を利用して、ビーツやジャガイモ、麦といった同じ作物を広い畑で栽培するそうです。
翌日、北見の焼肉祭りに参加することを伝えると、「よー寒いのに外でわざわざ焼肉食べるなー!」と笑われました(笑)。
「つらら」も見えました。幼少期に佐賀の実家で見たことはありましたが、今や福岡でつららを目にすることはありません。
いざ、「北見厳寒の焼肉祭り」へ
12月に入場券が発売されると、すぐに完売してしまうという「北見厳寒の焼き肉まつり」。
今回は友人がオンラインで入場券を入手してくれたので、参加することができました。入場券は1枚11000円で4人まで入場可能。肉とタレ、レモン汁、塩コショウ、ドリンク付の入場券は、11月後半から12月半ば頃に発売されます。次回参加をご希望の方は、「北見厳寒の焼き肉まつり」のfacebookをフォローして情報を追ってくださいね。
友人たちと4人で参戦した焼肉祭り。七輪の火がうまくつかず、雪がちらつくなか必死で火を起こします。
防寒着を着込んでいるため、寒くて凍えることはありませんが、隣近所の席の人たちが焼肉を頬張る姿を見ながら、早く食べたくて仕方ない衝動に駆られます。ようやく七輪に火が付くと、肉や玉ねぎを乗せて、七輪の下にある空気口から風を送りながら肉が焼けるのを待ちます。
ようやく焼けた肉を、ごはんに乗せていただきます。出店で無料で配られていた炊きたてのごはんが、すでにコチコチっと凍りはじめています。
お米は冷たいものの、七輪でこんがりと焼けた肉がおいしい!
待ちに待った肉を頬張り、思わず笑みが溢れます。
上の写真では、防寒着の上にセイコーマートで550円で購入したカッパを着込んでいます。
「焼肉祭りでは、七輪の火の粉が散って、服が穴だらけになるよ」と、タクシーの運転手さんから耳寄りな情報を聞いたからです。
初参戦の私たちのグループでは七輪の火起こしに苦労したものの、聞いていたほど火の粉が散ることはありませんでした。もちろん服も無事でした。
会場には出店もあり、ジビエやジンギスカン、ソフトクリーム、ラーメンなども販売されていました。追加で肉を購入したり、デザートまで楽しむことができます。
マイナス10度の世界では、烏龍茶が凍っていました。
焼肉のタレにも雪が降る……。
カラオケ大会やライブも開催され、厳寒の焼き肉祭りの会場に熱気を感じました。
最後に、一緒に参戦した友人の服装も紹介しておきます。
外気に触れるのは顔だけになるよう、足元から頭の先まで防水・防寒着で覆うのがポイントです。
友人は、この防寒着の下にカイロを貼りまくっていたら、暑くて汗をかいたと言っていました。
「汗だく」大失敗からの学び
今回初めて冬の北海道を訪れましたが、防寒対策をしっかり行っていたため、凍えることもなく旅を楽しむことができました。備えていけば、マイナス10度の世界も怖くはない!
ただ一つ、言いたいことがあります。「防寒着の備えは、現地に入ってからで良い!」
福岡市内の自宅から福岡空港に着いた時には、シャワーを浴びたくらいに汗をかいてしまいました。旅の荷物を減らすためにと、防寒着を着込んで出掛けたのが大失敗。多少荷物が増えてでも、外の気温に合わせた格好で出かけましょう!
人生初の厳寒の地への旅。良い経験になりました。