入手しやすくコストパフォーマンスの高い、パックご飯。軽量でお湯を注ぐだけの、アルファ米。できたてが美味しい、生米。
行く場所や、状況などに応じて使い分けると、アウトドアの質が向上しますよ。今回は、パックご飯・アルファ米・生米のそれぞれの特徴と、使い分けを解説します。
3種類の白飯の特徴
まずは、3種類の白飯の特徴を解説していきます。
パックご飯
はじめにご紹介するのは、スーパーやコンビニで必ずと言って良いほど販売されているパックご飯です。
1パックで茶碗1杯程度のものから、1パックで300gもある大盛りサイズのものまでありますが、どれも電子レンジ、または湯煎にかけるだけで白飯を用意することができます。
調理の手軽さ、そしてちょうど良い量にあらかじめ分けられていることでの使い勝手は抜群。アウトドアとの親和性が高く、キャンプをはじめ登山でも利用者が多くいます。
また、中身を直接お湯に入れて雑炊にしたり、切り込みを入れて蒸すように調理したりなど、様々な工夫ができることも知られています。
手軽に美味しい白飯を食べられることに加え、創意工夫することでアウトドアらしい楽しみ方ができるのがパックご飯の魅力です。
アルファ米
アルファ米は、「アルファ化米」と呼ばれる白飯を急速乾燥させたものです。災害備蓄や学校給食など、様々な場所で使用されています。
調理前は水分が抜けているため、非常に軽量でコンパクトなのが特徴。アウトドアでは、数日かけて衣食住を背負い移動するテント泊登山などでよく使われている印象です。
味も昔から比べると進化しており、食べやすく炊きたてに近い味わいになっているのもポイント。さらに、五目ご飯やチキンライス、ドライカレーなどといった味のバリエーションも増えており、アルファ米単体で楽しめるのも魅力です。
基本的な調理法は袋に熱湯を注ぎ、15分程度そのままにすれば完成です。熱湯ではなく水でも作ることができ、その場合は60分程度で完成します。
お湯を注いでから湯煎にかけ続けなければならないパックご飯や、生米を炊飯する際に比べて燃料の消費は少ない上、放置している間に別の調理や作業をすることができるのもポイントです。
生米
生米の炊飯は、アウトドアの醍醐味のひとつといっても過言ではありません。
普段は電子ジャーで水を入れてスイッチを押すだけで完成しますが、アウトドアで炊飯をする時は水量や火加減を調整し、蒸らしといった作業まで行うため、完成した白飯を見た時はなんともいえない感動があります。
自分の力で調理を完遂できる感動を味わえるのは生米の炊飯のポイントですが、その最大の魅力はなにより「美味しい」ということでしょう。
炊き立ての白飯は、一粒一粒から滲み出るような甘みと旨味が広がります。フィールドで食べると、もはやおかずは不要になる美味しさです。
また、アルファ米ほどではないものの、軽量コンパクト。キャンプや登山での数日使用にも問題なく、持ち込む量も柔軟に分けることができる、といった利点があります。
状況に合わせた白飯の選び方
オートキャンプや日帰り登山にはパックご飯
1食分に重量があり、荷物としてスペースを要するパックご飯は、キャンプサイトに自家用車で入れるオートキャンプや、沢山の荷物を背負わずに済む日帰り登山での使用がおすすめです。
なお、パックご飯は1包装ごとの調理となり、加熱後の保存はアウトドアの環境では難しいため、荷物に余裕がある時は多めに用意しておくと安心です。
公共交通機関での移動やテント泊登山にはアルファ米
持ち込む荷物量が限られる公共交通機関でのアウトドアや、数日分の荷物を背負って移動しなければならないテント泊登山では、アルファ米の軽量コンパクトという利点を存分に活用できます。
軽量化を意識するあまり、食材を必要分以下にしてしまうとアウトドアが楽しめなくなります。特に登山では計画変更を余儀なくされる事態にもなり得るので、軽量コンパクトなアルファ米などを活用して、必ず十分に食材は持ち込むようにしましょう。
生米は炊飯技術があればどのようなアウトドアでも
食材を分けやすく保存性もある生米は、基本的にはどのような状況でも利用可能です。ただし、時間が限られたスピードハイクなどでは適していないので、その際はアルファ米がおすすめです。
幅広いシーンで利用できる生米ですが、3種類の白飯の中では「調理の失敗」という可能性が最も高くなります。
そのため必須なのは炊飯技術で、初めての方はフィールドに出る前に自宅で炊いて練習しておきましょう。
白飯を食べて幸福なアウトドア活動を
いかがでしたか。
パックご飯・アルファ米・生米、それぞれの特徴を理解しておくと、準備から移動、現地での食事を快適に行うことができます。
今回ご紹介したものの他、コンビニのおにぎりを活用したりといった方法で白飯をフィールドに持ち込むのも良いですね。
食事の基本となる白飯、最適な方法で持ち込んで、アウトドアを存分に楽しんでくださいね。