カリフォルニアワインといえば、ナパ・ヴァレーが有名で、キャンプ時のBBQにも合うワインといえば赤ワインを思いうかべる人も多いかもしれませんが、日本の約1.1倍の面積があるカリフォルニアワインの産地はとても広く、生産されているワインの種類も豊富です。今回は、キャンプのお供にしたいカリフォルニアワインをご紹介します。
カリフォルニアワインの特徴や魅力とは
世界で一番ワインを消費しているのがアメリカです。そんなワイン大国で、ワイン生産の8割を占めるのが、カリフォルニアです。広大な面積を持ち、地形や土壌が多様で、海岸線は1300kmにも及びます。カリフォルニアの産地の多くは、地中海気候に分類されます。海からの距離が近いことで、寒流が流れる海からの冷たい風によって、冷涼になることから、ワイン造りに適しているのです。
世界的に有名なボルドースタイルのナパ・ヴァレー、有機認証を受けたブドウ畑の面積が全米一という北部のメンドシーノなどのほか、カリフォルニア最大の産地面積であるパソ・ロブレスでは、ローヌスタイルのワインも生産され、地域ごとに異なる特徴のワインが楽しめます。高級ワインからテーブルワインまで、価格も幅広く、その日のお料理やシチュエーションに合わせて選べますよ。
キャンプにぜひ持って行きたいカリフォルニアワイン5選
今回は、暖かくなってきた季節のキャンプにぴったりの5本のワインを、カリフォルニアワイン協会北アジア豪州地域共同代表の扇谷まどかさんにセレクトしていただきました。
ハイヴ&ハニー ゲヴュルツトラミネール 2021
どんなシーンでも合わせやすいという「ハイヴ&ハニー ゲヴュルツトラミネール 2021」は、ひと口飲むとライチやパイナップル、グレープフルーツ、ピーチのさまざまなフルーツの香りと酸味が感じられる白ワインです。肉料理が多いキャンプで白ワインとは、意外に感じるかもしれませんが、ソーセージ焼きやタンドリーチキン、カマンベールチーズフォンデュなどに合わせるのがおすすめ。
ライトボディできりっとした酸味があり、甘味とトロピカルフルーツの後味が特徴です。スパイシーなメニューやエスニック、コクのある料理との相性もいいので、キャンプでの煮込み料理などにも合わせやすそうです。冷やしても、そのままでもおいしく飲め、スクリューキャップで簡単に開けられるのも、キャンプにおすすめのポイントです。
J.ロアー ”セヴン・オークス” カベルネソーヴィニヨン パソ・ロブレス 2019
しっかりしたボディの「J.ロアー ”セヴン・オークス” カベルネソーヴィニヨン パソ・ロブレス 2019」は、牛肉のBBQに合わせるのがおすすめの赤ワインです。ワイナリーのあるパソ・ロブレスでもBBQのときに親しまれているそう。チェリーとザクロの果実にヘーゼルナッツやダークチョコレート、香ばしさが加わったリッチなテイストです。鮮やかな酸味と柔らかいタンニンがBBQスタイルの牛肉にぴったりな味わい。
ほかのヴィンテージをBBQスタイルで試飲してきましたが、牛肉との相性が一番いいと感じました。チーズを焼いても合いそうな気がするので、ピザ風のもので試してみてもよさそうです。
アイヴォリー&バート ジンファンデル2019
カリフォルニアを代表するブドウ品種がジンファンデルです。その魅力たっぷりの赤ワイン「アイヴォリー&バート ジンファンデル2019」は、テリヤキチキンやハンバーガーと合わせるのがおすすめ。ほかにもお好み焼きなど、フライパンで作ることができる、甘めのソースの味わいを感じる料理と相性がいいそうです。
完熟したチェリーと凝縮感のあるブラックベリーのアロマが広がり、柔らかなオーク樽のニュアンスや滑らかなタンニン、果汁溢れるブラックベリーの余韻が楽しめます。ジンファンデルは、カリフォルニアでは、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワールに次ぐ栽培面積を誇っています。日本ではまだあまり出回っていない印象ですが、甘いソースの焼きそばやたこ焼きなどのB級グルメを格上げしてくれそうです。
イーター スパークリング・ホワイト・カリフォルニア NV
暖かくなると、外で辛口の泡を飲むのも心地いい。キャンプには、スパークリングもおすすめです。「イーター スパークリング・ホワイト・カリフォルニア NV」は、青いりんごのさわやかさと、やさしいイースト香がするスパークリングワイン。このイースト香とは、ワインを酵母によってアルコール発酵させたのちに、酵母をろ過する際に付着する香りのこと。育った土地の香りがするようで、ワインに思いを馳せることができますね。
合わせたいキャンプメニューは、じゃがいものガレットです。メロンのような柔らかな旨みと華やかな泡がバランスよく、柑橘系のすっきりした辛口のスパークリングは、カリっと焼き上げたガレットはもちろん、最初の乾杯用にもぴったりです。この名前の「イーター」ですが、ラテン語で「道を巡る、旅路」を意味しているのだとか。キャンプで様々な土地を巡るためのスパークリングと言えそうです。
シーグラス リースリング セントラル・コースト 2022
デザートに合わせたいのが、「シーグラス リースリング セントラル・コースト 2022」。ほんのりとりんごの香りがする白ワインです。セントラル・コーストの冷涼な産地で造られるワインは、エレガントなワインが生まれると人気だそう。ペアリングにおすすめのデザートは、焼きりんご。芯を取り除いたりんごにシナモンとバター、お好みで砂糖を入れて焼くだけです。
手軽で満足感のあるキャンプにぴったりのデザートです。焼きりんごに、少しワインをかけて焼いてみてもおいしいかもしれません。こちらもスクリューキャップで簡単に開けられます。
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キャンプでカリフォルニアワインを飲むなら、フルボディの赤ワインがいいと思い込んでいましたが、赤ワインはもちろんのこと、白ワインやスパークリングなど、キャンプ料理にぴったりのカリフォルニアワインがありました。
また、2002年に認証制度をスタートさせ、産地全体でサステイナブルな取り組みも始めています。オーガニックやバイオダイナミック農法だけでなく、環境や社会にやさしいか、ビジネスとして実現可能であるか、社会に貢献できるかを柱に、サステイナブル=持続可能であることを考慮してワイン造りを行なっているワインに認証マークも導入しています。
日本には、まだわずかしか入荷がないリーズナブルなカリフォルニアワインなどもあり、キャンプのメニューに合わせて、いろいろ試してみたくなりました。
取材協力
カリフォルニアワイン協会
https://calwines.jp/