神戸市在住でアウトドアライターとして活動する藤川 満と妻の愛さんが、六甲山で一緒にトレッキングを楽しむ「お花見ハイク」を紹介します。
あいな里山公園で里山の自然と歴史に触れる!
案内してくれる先生:あいな里山公園 副園長 岡本佳菜子さん
学生時代は技術家教育を学び、神戸市立森林植物園などでの勤務を経て現職。休日には大型オートバイにまたがり関西各地へツーリング。その先で花を愛でるハイキングを楽しむ行動派。
散歩しながら花々を愛でる楽しさ
長年連れ添った夫婦やカップルに、里山に楚々と咲くヤマザクラを探すハイキングはいかが? その姿を発見する喜びを共有すれば、普段は会話が少なくとも(苦笑)、ふたりの仲はより深まるはず!
そんな狙いもあって結婚20数年の夫婦で向かったのが、兵庫のあいな里山公園。スタートの藍那駅から公園までの古道は、息が上がるほどの急坂。道沿いにときおり顔を出すサクラやウメがふたりを励ます。
公園に入ると、棚田や茅葺きの古民家が点在する日本の原風景が広がる。ここでは実際の民家や棚田を再整備し、自然と人の営みが共存する里山の環境に触れることができるのだ。
「足元にもたくさんの春の花を見つける楽しさがありますよ」と語るのは同園副園長・岡本佳菜子さん。園内では約20種類のサクラや樹木約100種類のほかに、草花約200種類を見られる。
ここのもうひとつの魅力は、様々な田舎暮らしの体験メニュー。今回は薪割りに挑戦。
「次は、唯一海が望めるスポットへ行きましょう」と岡本さんに促され、標高306mの盆処の丘と呼ばれる展望所へプチトレッキング。明石海峡大橋の姿を見てふたりの気分は爆上がり!
園内の遊歩道のカーブを曲がるごとに、新たな里山風景が広がり、飽きが来ない。しかもほどよいアップダウンがありながら、舗装され歩きやすい道が続く。
ウメ林やモモ林を抜け、ヤマザクラの大木を目指す。ちょうどその木を見下ろせる段々畑でランチタイム。公園内は、火気が使えないので、具材を挟めばいいだけの簡単サンドイッチ作り。ハムや鮭フレークなど、桜色をイメージした具材たっぷりのサンドイッチを頬張り、ふたりの心は春爛漫だ!
あいな里山公園(国営明石海峡公園神戸地区)
かまどで米炊き体験もできる古民家「相談ケ辻の家」(一番上の画像の古民家)周辺では、菜の花以外にもヤマウグイスカグラなども見ることができる。
住所:兵庫県神戸市北区山田町藍那田代
電話:078(591)8000
開園時間/9:30〜17:00(時期により異なる)
料金/大人450円、小中学生無料
定休日:水曜、年末年始、2月の平日5日間
ROUTE
神戸電鉄藍那駅から藍那道を歩き、あいな里山公園へ入り公園内を散策。全行程約2時間。
ACCESS
鉄道の場合、阪急・神戸三宮駅から新開地駅で乗り換え神戸電鉄藍那駅下車。車の場合、藍那ICを降り、あいな里山公園まで約3分。
藍那駅からSTART!
神戸の中心部から約40分の藍那駅を出発。駅周辺には売店はないので買い物は事前に!
大河ドラマにあやかり、紫式部の墓へ。ただしこの墓は紫式部の時代から300年後のもの。
平安末期の古道を歩く
サクラやウメが点在する藍那集落周辺には、源義経が逆落としに向かったと伝わる古道「藍那道」や「鵯越道(義経道)」が延びる。
公園内にある注目の植物
コバノミツバツツジ
ハナモモ
シロバナウンゼンツツジ
園内で体験できる薪割りに挑戦!
あいな里山公園内では、薪割り、作物の種取り、吊るし柿づくりなど季節に応じた様々な体験メニューが用意されている。
盆処の丘から明石海峡を望む
5月ごろには周辺がツツジで彩られる盆処の丘。ここからは明石海峡大橋と淡路島の絶景が望める。
キビタキ
双眼鏡は無料でレンタルOK!
春色サンドイッチを作ろう!
具材を挟むだけの簡単山メシ。マヨネーズで和えたサラダと鮭フレーク、たっぷりのハムをパンでギュッと挟めば完成!
食事しながらじっくり見たい花々
ヤマザクラ
ウワミズザクラ
カスミザクラ
FINISH!
ヤマザクラの大木に面してクリの段々畑があり、そこに椅子を据えれば、ステージを見下ろす感覚で花見が楽しめる。
ちなみに……
ツクシ&ヨモギ摘み放題!
3〜4月中は同園内のツクシとヨモギの摘み放題を実施中!持ち帰り用の袋を持参しよう。
半券持参で入場できる!
淡路島 国営明石海峡公園
住所:兵庫県淡路市夢舞台8-10
電話:0799(72)2000
開園時間/9:30〜17:00(時期により異なる)
定休日:年末年始、2月第2月〜金曜
※構成/藤川 満 撮影/太田恭史
(BE-PAL 2024年4月号より)