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TCテントとは?
TCテントの特徴
TCテントとは、ポリエステルとコットンの混紡素材を使用したテントのこと。TCは、テトロン(=ポリエステル)とコットン、もしくはテクニカルコットン(化繊混紡素材)の略。「ポリコットン」と表記されることもある。
速乾性と耐久性が高いポリエステルと、通気性や吸湿性に優れたコットン生地を混紡することで、コットンの優秀なメリットを引き継ぎながら、水分の含みやすさや乾きにくさといったデメリットを解消している。ポリエステル65%・コットン35%という割合が多く、火の粉や紫外線に対しても優れた耐性がある。透湿性が高いので結露が発生しにくく、生地が厚いため遮光性が高いのもメリット。
デメリットとしては、普通のポリエステルよりも乾かすのに時間がかかる点、テント自体が重くなってしまう点が挙げられる。ただ、他の素材と比べても優秀な素材で、近年はハイエンドのテントによく使用されている。
▼参考記事
焚き火に強いコットンテント、ポリコットンテントのおすすめ19選。選び方も紹介
テントの生地をチェックしよう。素材ごとの特徴や加工による違いは?
テントの主な種類をおさらい
スタンダードな「ドーム型」
ドーム型は天井に丸みを持たせた形の、最もオーソドックスな形状のテント。丸みを帯びた形は四方からの風を受け流し、山間部の変わりやすい天候にも耐えることができる。
柱となるポールをまっすぐに立てるのではなく、湾曲に反らせることでテントの居住空間を広げている。大人1人が立っていられるほど頭上にゆとりのあるタイプもあり、窮屈感を感じにくい作りになっている。中で簡単な作業や着替えも可能な点など、使い勝手の良いテントであると言えるだろう。
ドーム型は設営も簡単で、メインポールを2本クロスさせてスリーブに差し込むことで立ち上げることができる。慣れると1人でも設営できるため、ソロキャンパーからの人気も高い。
室内が広い「トンネル型」
トンネル型は、フレームをアーチ状に並べて設置するのが特徴のテント。独特な形状をしていることから、『イモムシ型』『カマボコ型』と呼ばれることもある。
トンネル型テントの特徴としては、タープが必要ないことが挙げられる。多くのトンネル型テントは『前室』『寝室』の2部屋を確保できるため、テント一つだけでリビングと寝室両面の役割を備えている。もし雨が降っても、テントの開口部を閉じてしまえば中に吹き込むことがないため、天気が変わりやすい山の中でも快適に過ごせるだろう。
大人数用のテントとイメージされがちだが、最近では2~3人で快適に利用できるコンパクトなサイズも多く販売されるようになった。
とんがり屋根の「ティピー型」
ティピー型は、横から見ると三角形、真上から見ると丸・多角形という、円錐型の構造になっている。もともとは、アメリカの先住民が住居用として草原に立てていたため、インディアンテントと呼ばれることもある。
ティピー型テントの特徴として挙げられるのは、組み立てが簡単なこと。『ワンポールテント』とも呼ばれる通り、ポール1本で設営可能なため、キャンプ初心者やソロキャンパーにも向いている。周囲をぐるりとペグで打ち付けることで突風や強い風にも耐えることができ、風を受け流しやすいことも利点の一つだ。
▼参考記事
おしゃれなテントで気分を上げよう。種類別の特徴と選び方を紹介
冬キャンプも快適に過ごせるTCテント3選
ogawa(オガワ)
ピルツ15 T/C
上部に煙突ポートが装備されたモノポールテント。天頂部はロープの操作で自在に開閉でき、両サイドのベンチレーターや下部にある窓の開閉で換気調節もしやすい。付属のグランドシートをはずしてシェルターとしても。
●サイズ:直径475cmの8角形、高さ310cm
●重量:約17.6kg(幕体+ポール)
●適用人数:8人用
テンティピ
サファイア 9CP
グループでストーブを囲める大きなティピー型。生地は熱に強いコットンとポリエステルの混紡地。大型だが、ガイドツールに従って周囲8か所をペグダウンしてポールを立てるだけで簡単に設営できる。天頂部ベンチレーターの開き具合はロープ操作でスムーズにできる。(※公式サイトの在庫は現在7サイズのみ)
●サイズ:直径530cmの8角形、高さ310cm
●重量:15.2kg
●適用人数:8~10人用
NEUTRAL OUTDOOR(ニュートラルアウトドア)
TC テント 4.0
下部全周に立ち上がりがあって居住空間が広々。通気性のいいTC素材で、薪ストーブが使えるように、別売りの煙突用アダプターを取り付けられるフラップ開閉式煙突ポートが付いている。ポールで立ち上げられた正面は高さ150cmで出入りしやすい。
●サイズ:直径400cmの10角形、高さ250cm
●重量:16kg
●適用人数:5~8人用
薪ストーブを使う場合は、高温になる煙突に触れても安全な、別売りのチムニーアダプターを装着する。
▼参考記事
ポカポカで超快適! 冬キャンのお役立ちドーム、テント&タープ12選
『BE-PAL』ベテランライターが選ぶ!必見のTCテント
アウトドア界のエキスパートが、購入必須ギアを大推薦! これからギアの新調を考えている方は要チェックだ。
SOTO(ソト)
HORUS SOLO T/C
火の粉に強いTC(テトロンとコットンの混紡)素材使用。標準装備の陣幕と本体を連結すると、写真のように天井をパカッと全開することができるユニークなワンポールシェルター。この状態であれば、SOTO製ガスストーブや燃焼器具を使うのも安心。大きめな望遠鏡を設置して、星空観測もできる。本体の裾周囲にはスカートが付いており、ウインターキャンプにも対応可能。
●サイズ(本体のみ):幅300×奥行き250×高さ160cm
●サイズ(陣幕):幅200×高さ130cm(正面パネル)
●総重量:約9.3kg
●素材:本体・陣幕/T/C、ポール/アルミニウム合金
本体はシンプルなワンポール式。内部には中幕で仕切られた寝室スペースがある。
付属サブポールを利用すれば入り口を大きく開くこともできる。
付属の陣幕を装着すると約W200×D170cmの前室スペースが確保できる。また、本体と連結せずに陣幕を少し離れた位置にセットして風よけとしても活躍してくれる。
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SOTO (ソト) / HORUS SOLO T/C
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アウトドア達人が先取りチェック!今年「買い」のテントを大予想
アウトドアの達人が検証!ファミリー向けのおすすめTCテント
テントをはじめ、さまざまなアウトドアギアのデザインを手がけるスペシャリスト。その鋭い観察眼から発するコメントの説得力はピカイチだ。
YOKA
YOKA CABIN(ヨカ キャビン)
ボトムをペグダウンして、メインポール2本を突っ張るだけで自立し、寝室後部に居住性を高めるサブポールをセットすれば完成。さらに付属の伸縮ポール2本を活用して、張り出しに段差を付けてセットしたり多彩な張り方ができるようになっている。薪ストーブ用の煙突ポートが付いているのでオールシーズン使える。
●サイズ:本体/約355×270×高さ220cm、ポール/最大長さ2300mm
●収納サイズ:本体/約950x250x250mm、ポール/900×太さ最大42mm
●重量:約12kg(サブポール他含む)、ポール/1本500g
焚き火との相性がいいTC素材を採用。居住空間が広くとれるベイカーテントのスタイルと、シンプルで耐久性に優れたパップテントの構造をかけ合わせた、機能性が高いファミリーテント。仕切り幕を使えば、寝室と前室を分けることが可能。薪ストーブも使えるので冬のキャンプにもおすすめ。フルオープン、ハーフオープン、サイドオープンなど、さまざまな張り方を楽しむことができる。
張り出し部分にジッパー着脱式の横幕(付属)を付けることで、風雨の吹き込みを防ぐことができる。シルバー部分は再帰反射素材。
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全国アウトドアショップで売れた&スタッフのイチ推しTCテント
\全国のアウトドアショップで売れたTCテント!/
BUNDOK(バンドック)
ソロベース
焚き火の火の粉にも強いポリエステルとコットンの混紡素材を使用で、夏は涼しく、冬は暖かい。付属インナーテントはメッシュ素材で通気性バツグンだ。
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3位はスノーピークとMSR、2位ogawa、1位は…?いま売れてるソロテント 26選
\アウトドアショップのスタッフさんが推すTCテント!/
テンマクデザイン(tent-Mark DESIGNS)
LaLa
キュートな丸窓とナチュラルカラーが魅力の全天候型TCドームテント。TC素材では珍しい自立型3ポールの吊り下げ式。土間デザインも斬新。女性や小柄な人でも楽に設営できる。
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ソロ向けも充実!まだまだあるオススメTCテント4選
ogawa(オガワ)
グロッケ12 T/C-Ⅱ
2024年リニューアル。床面積8㎡、12㎡、16㎡と、3サイズ展開のグロッケT/Cシリーズはカラーを刷新。人気のサンドベージュカラーと背面スリットが共通仕様となった。
●重量:フライ/約10.2kg、グランドシート/約1.65kg、ポール/約3.85kg、付属品/約2.85kg
●素材:フライ/T/C(耐水圧350mm)、グランドシート/ポリエステル210d(耐水圧1,800mm)、ポール/スチール直径33mm、6061アルミ合金直径22mm
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ogawaファン必見!2024年完全新作やリニューアルなどテントがより快適に使いやすくなった
夏は涼しく、冬は暖かく、オールシーズン使えるカマボコ型のテント。ゆったりとソロキャンプを楽しめるツールーム構造で、広々とした前室は調理やくつろぎ空間として重宝する。
リビングスペースの奥行きは225cm。高さもあるので、ソロ利用ならゆとりのリビングを作ることができる。フライシートはコットン35%混紡のポリコットン製。そのため、ソロ用にしては重量感があるが、湿気がこもりにくいため暑がりを自称するキャンパーにはうれしい仕様となっている。
TC素材の生地は、焚き火との相性も良いため、焚き火を楽しみたいキャンパーにもぴったりだ。持ち運ぶ際はコンパクトになり、ツーリングやフェスにも持っていきやすいのも魅力。
荷物を軽量化したい場合はインナーテントを使用せずにコットなどを使用して就寝もOK。
インナーテント入り口には、コンセント用ファスナーが付いている。
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DOD (ディーオーディー) / カマボコテントソロTC
FUTURE FOX(フューチャーフォックス)
FOX-BASE
南信州発のアウトドアブランド「FUTURE FOX(フューチャーフォックス)」が展開するソロ用パップテント。最大の魅力は、テント内の高さが約110cm・入り口部分が約150cmと、一般的なパップテントよりも高さがあり、開放的な空間を演出してくれること。「パップテントを使ってみたいけれど、低くて窮屈&圧迫感があるのは……」という方にもおすすめ。
1990年5月10日生まれ。北海道在住のアウトドアライター。自身の経験をもとに、紙・Web媒体問わずアウトドアジャンルを執筆。ホルモンとビールが大好き。
パップテントで一人だけの空間を楽しむ
パップテントは「軍幕」とも呼ばれ、テント内で睡眠や食事、生活といった全てを行う居住スペースとして設計されている。そのためミニマムな設計であることが多いが、「FOX-BASE」は高さがあるのに加え、幅375cm・奥行230cmと広めに設計されているため、ゆったりとしたソロキャンプを満喫することができる。『できるだけ快適に過ごして欲しい』というメーカーの思いが実感できる作りだ。
実際に、テントの中で一息つく時間はもちろん、自然を眺める時間やテント前で焚き火をする時間など、どんなシーンでも窮屈さを感じることなく、快適に楽しむことができる。
TC素材採用で焚き火の火の粉も安心
「FOX-BASE」は、防水性と難燃性を兼ね備えているTC素材(ポリコットン)を採用。私は地べた(お座敷)スタイルが好きなので、テント前に焚き火台を設置し、地面に座って薪をくべるが、安心して使うことができた。
薪ストーブ用の窓も付いている
「FOX-BASE」には直径130mmの窓を採用しているため、薪ストーブの設置が可能。窓部分の布には難燃コーティングを施しており、糸にはアラミド繊維を採用。耐熱温度は180℃と高スペック。煙突に耐熱ウールを巻きプロテクターを被せることで、薪ストーブの使用ができるようになる(上の写真の状態)。
※耐熱ウール、プロテクターの使用は必須。自身での用意が必要。
手軽に設営できるのもポイント
「FOX-BASE」は設営方法がとても簡単なのもポイント。慣れると10分もかからず設営できるようになる。
また、収納袋にゆとりがあるのも嬉しいポイント。テントを撤収するとき、付属の収納袋に収まらない……なんていう経験をした人も多いだろう。「FOX-BASE」に付属している収納袋は、もともとペグハンマーなどテント設営に必要なギアを収納できるように、大きめに作られている。
コンプレッション機能付きなので、ベルト締めるとコンパクトに収納できる。
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ミリタリーデザインが魅力!ソロ用パップテント「FOX-BASE」は大人のひみつ基地
S’more(スモア)
Tippo300
肌触りの良い高品質のTC素材を採用しており、撥水加工済み。さらにUVカット・防カビ・難燃性ありと、機能面においても優れているのが特徴。焚き火で舞い上がる火の粉が付着しても、穴があきにくいのが嬉しいポイント。ファミリー使用はもちろん、デュオキャンプで広々スペースでゆったり過ごしたい場合にもおすすめ。
1990年5月10日生まれ。北海道在住のアウトドアライター。自身の経験をもとに、紙・Web媒体問わずアウトドアジャンルを執筆。ホルモンとビールが大好き。
広々としたテント内
さまざまな種類があるテントの中で、できるだけ高さのあるテントが欲しいは要チェック。「Tippo」の展開サイズは約3m×3m、高さ約2.5mと、広々としたテント内。圧迫感を感じることなくゆったりできる。
広い居住空間のあるテントなので、キャンプ中に突然雨が降ってきても、テント内でのびのびとリラックスしながら過ごすことができる。ファミリーキャンプにはもちろん、デュオキャンプで大量の荷物をテント内に収納したい場合にもピッタリなサイズだ。
持ち運びに便利な収納袋付き
重量約17kgある「Tippo」には、持ち運びに便利な収納袋が付属している。もちろん持ち手がついているので、肩にかけて持ち運んだり、車に載せるときに両手で持ったりもできる。
ただし、軽量ではないため、力のない方は少し持ち運びがキツく感じるかもしれない。そんなときは、キャリーワゴンなど持ち運びを手軽にしてくれるアイテムを使うといいだろう。
1人でも慣れれば約15分で完成!
「Tippo」の設営方法を紹介しよう。比較的大きめのテントだが、1人でも手軽に設営できるのが魅力。慣れると、大体15分あれば設営完了する。
設営場所を決めたら「Tippo」を広げる。
ペグを打つ。
ポールをテントの天井部にセットして立ち上げる。
ロープをペグダウンする。
自在金具を調整して、ロープをしっかり張る。
これで完成。1人でも手軽に設営できるため、「大きめのテントが欲しいけれど、手軽に設営できるテントが欲しい……」という人にもおすすめだ。