那須岳は関東を代表する活火山であり、現在もその山頂から度々噴煙が確認できる、まさに今を生きる火山です。
那須岳は那須連山とも呼ばれるように、いくつかの山で構成されています。主峰である茶臼岳、朝日岳、三本槍岳の3つが有名です。これらを縦走する中級者向けコースや、茶臼岳を単体で登る初心者向けコースとバリエーションも豊富。
そんな那須岳の初心者向けコース・中級者向け縦走コースを紹介していきます!
那須岳の魅力
那須岳の最高峰は三本槍岳で、標高は1,917mです。
栃木県と福島県の県境に君臨しています。狭義の那須岳は主峰の茶臼岳を指しますが、広義にはそれに加えて朝日岳・三本槍岳と合わせて、那須岳もしくは那須連山などと呼ぶことが多いです。
そんな那須岳ですが、日本100名山に選ばれているほど人気と魅力を誇っている山です。その魅力とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
火山活動の歴史が創った美しすぎる山体
那須岳は先述したように活火山であり、長い歴史のなかで幾度も噴火を繰り返し形作られてきました。
その歴史は、美しい山体から垣間見ることができます。
茶臼岳の火口ほか、朝日岳へ向かうルートには崩壊跡があったりなど、とにかく迫力満点で美しい山体が魅力的な山です。
低山なのに森林限界!見晴らしの良い絶景が見られる
那須岳は最高峰の三本槍岳でも標高が1,917mとなっており、「低山」と呼ばれる部類になりますが、それぞれ山頂付近や山道の多くは高い木の生えない“森林限界”の地であります。森林限界とは、高山などの特殊な環境により森林が成立できなくなる境界線のことです。
森林限界のおかげで、多くの絶景をもたらしてくれます!これは、那須岳登山の大きな魅力です。
この標高で森林限界を迎えている理由は、那須岳の岩石と火山ガスによる影響が大きいでしょう。※参考「茶臼岳(ちゃうすだけ)」(栃木県)https://www.pref.tochigi.lg.jp/c05/intro/tochigiken/hakken/shizen1_04.html
那須岳登山の注意点
那須岳は特に風が強いので、登山の際は天候に関する情報の取得は最重要項目になります。
過去には強風、暴風雨により遭難を余儀なくされた例もあるため、必ず天気の情報をもとに準備と計画を進めましょう。
風は体温を急速に奪い、低体温症のリスクも大幅に上げてしまいます。装備に自信のない人は登るのを控えるべきです。
魅力と注意点がわかったところで、次は初心者向け・中級者向け縦走ルートを紹介していきます。
初心者向け茶臼岳直登ルート
茶臼岳単体を登るルートであれば、ロープウェイの駅を降りてから片道1時間半程度で登れます。
体力に自信があれば、初心者ででも登れる難易度です。
しかし、登山に必要な装備は万全にする必要があります。山道は終始、小石と岩で構成された「ザレ場」と呼ばれるもので、滑りやすく、最低でも登山靴・厚手の靴下・長ズボン・雨具類は必要になります。
素晴らしい絶景を持つ茶臼岳の山頂!
なんといっても、茶臼岳の魅力はその山頂から見る絶景にあります。
火山ガスと強風の影響で丸裸になってしまった山頂では、高度感のある景色を見ることができます。
中級者向け茶臼岳・朝日岳・三本槍岳縦走ルート
茶臼岳を北方面に降りて行けば、那須連山の縦走がスタートします。茶臼岳を超えていった先のコースは、岩場や崖の多い危険地帯となるため、細心の注意が必要となります。
加えて、那須岳特有の強風も忘れてはいけません。天気の情報や、自分の装備などに見合った計画を立てましょう。
ロープウェイ駅から、最終地点である最高峰の三本槍岳までは3時間15分程度です。
茶臼岳から朝日岳へは要注意ルート
終始、崖と隣り合わせの岩場を通る道のりになります。
バランスを崩せば滑落や墜落の恐れが十分にありますので、十分な注意をはらって進みましょう。
動きやすい岩や、滑りやすい傾斜など、危険が多い場所となります。この縦走コースでは、最も難しく危険度の高い関門です。
岩場と急登が続くこの箇所は、鎖を掴んで自分の体重を引くことができるか、重いザックを背負ってバランスを崩さない体づくりができているか、など必ず自分の能力を確認してから登らなければならないコースです。
朝日岳の山頂景色はすごいぞ!
那須岳主峰の茶臼岳をど真ん中に視界に収められる、大迫力の山頂景色です。
危ない道のりを通ってきた甲斐があります。
朝日岳から清水平へ
朝日岳の魅力は、山頂からの景色だけにとどまりません。ここからさらに北へ進む、稜線も絶景の一つです。目に焼き付けたい絶景を見ながらのお山歩。
朝日岳からひとつ峰を超えて、清水平へ降りて行きます。
息をのむ
清水平とは、朝日岳と三本槍岳の間にある湿原のことです。
木道も整備されており、体力の消耗をかなり削減できます。確実に癒されるスポットです。
清水平から三本槍岳へ
緩やかな低木林を抜け、急登を抜ければいよいよ最高峰の三本槍岳に到達します。
わかりやすい登山道ですが、足元の悪い場所もあり注意が必要です。
三本槍岳の景色も素晴らしい!
いよいよ最終地点の三本槍岳に到着です。日光白根山や会津駒ケ岳、磐梯山や吾妻山などをみることができます。
旅のゴールにふさわしい景色です!
細心の注意と計画を立てて
那須岳がいかに景色に優れた山かお判りいただけたでしょうか。日本100名山に数えられるだけあり、素晴らしく美しい絶景を私たちに提供してくれています。
その反面、那須岳は強風による滑落や、低体温症による遭難例も多数見受けられる山です。行動には細心の注意を払う必要があり、天候を考慮した計画が不可欠となります。装備や体力が伴わなければ、諦めるのが無難。
しっかり体力と知識を身に着けて、楽しんで那須岳に挑戦しましょう!