噴火や地震などの大災害に見舞われた際にどうやって生き延びるか?
様々なマンガや小説などのテーマにもなっているが、実際問題、サバイバルスキル的には、なにが最優先事項なのだろう。
狩猟免許を持つアウトドア写真家の荒井裕介さんいわく、生き延びるためにもっとも必要なことは「火種をいかに確保するか」だという。
荒井さんが得意とするのが「ブッシュクラフト」というアウトドア遊び。
ブッシュクラフトとは、基本的にナイフ1本のみを使い、様々な自然物を利用して野山で過ごす遊びだ。もちろん、火を起こすためのノウハウも多数ある。
今回、荒井さんが教えてくれたのは、ブッシュクラフトの技術を応用した簡単に作れる「着火剤」だ。
■1■ 麻ひもをほぐす
まず、最初に用意するのは1本の麻ひも。
これを細かく揉みほぐして、写真のようなフワフワの状態にする。
ちなみに、この麻ひも、テントやタープを張るときの細いロープの代わりにも使える一石二鳥なアイテムだ。
■2■シラカバの皮をはぐ
そして次に、シラカバの皮をはぎ取る。ナイフで切れ目を入れれば綺麗にむくことができる。できれば、それを天日などでしばらく乾燥させておく。
荒井さんの場合は、森に入ったら必ずこのシラカバの皮を持ち帰り、自宅で乾燥させ、使いやすいサイズに切り分けておくのだとか。
■3■ふわふわ麻ひもをシラカバでくるむ
そして、ほぐした麻ひもをシラカバの皮で包めば着火剤の出来上がり。
これに「ファイアスターター」で火花を飛ばして着火すれば、驚くほど良く燃えるのだ。
ファイアスターターとは、火花をとばすための金属の棒。「火打ち石」のような役割を果たす道具で、アウトドアショップなどで購入できる。
「麻ひも+シラカバ」の着火剤火の持ちも市販の着火剤にまったく見劣りしないレベル。このときにライターではなくファイアスターターを使う理由は、気圧変化の影響を受けにくく、雨や強風時にも安定して火を付けることができるからだ。
この方法を覚えておけば、万が一の大災害時にも落ち着いて火を起こすことができる。
火が起こせれば、暖も取れるし、暖かい食事を作ることもできる。大災害が起ころうと、立派にサバイブできるはずなのだ。もちろん、趣味のキャンプでも大いに役立つ知恵。コレをサッと作って火を起こしたら、周りの尊敬を集められるかも!?
※構成・文/櫻井 卓 撮影/荒井裕介
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