タープの張り方マスターしてますか?
一枚の大きな布にループが付けられている、というシンプルなアイテムのタープ。
シンプルが故に、設営には少しコツが必要です。フレームを通すだけで自立できるテントと異なり、ポイントを理解して張る必要があるのです。ひとつ手順が抜けると上手く張れない場合もよくあります。
ここではトレッキングポールを利用したソロ用タープの張り方をご紹介します。ぜひ、今回紹介する張り方を活用してもらえたらと思います。
基本的なタープの張り方
①部品を確認しよう
タープを張る前に、まず部品が揃っているか確認しましょう。
テントは必要最低限の部品がセットになっていますが、タープはセットになっていないこともあります。本体と張り網だけで、ポールやペグ(杭)は別売りだったりするのです。また、設置する野営地によっても必要な部品が変わるので注意が必要です。
周辺に本体を支える木々や柱が無い場合は、タープ用のポールや登山用のトレッキングポールを用意する必要があります。
②本体を広げる
道具が揃っていることを確認したら、タープ本体を広げ、各所に必要な部品を配置していきます。
タープ・ポール・ペグ・張り網をセットしておき、以降の手順に沿って設営していきます。
なお、ペグは、メインポール1つに対して45度の位置に左右2箇所配置します。
③ペグを打ち込む
続いて、ペグを地面に打ち込み、ペグに張り網をかけます。このペグダウンの作業は、設営後の本体強度を保つために非常に大切な工程です。
ペグを打ち込む角度は、「張り綱と直角になる角度」という説や、「地面に対して垂直に打つべし」という説など、諸説あります。ここではペグは地面に対して約60度〜70度の角度で打ち込む方法をご紹介します。
ハンマーや石などを用いて、これ以上深く打ち込めない、というところまでペグダウンします。
ペグはソロキャンプや小型のタープを使う場合、軽量コンパクトなペグを使うと便利です。ただ、大型のタープの場合やマイカー利用で荷物に余裕がある場合などは、鍛造で丈夫なペグを使うのがおすすめです。そうすることで、ペグが外れることなくタープ本体が安定します。
また、ペグの替わりに丈夫な木の枝や岩などを養生して利用し、張り網を固定する方法もあります。フィールドにあるものを活用することでペグを持ち込まずに済み、装備の軽量化に役立ちます。
ロープワークを学び、キャンプ場以外で野営する場合などに活用してもいいでしょう。
④ポールに本体・張り網をかけていく
ペグダウンしたら、ポールを立てて本体のループ、張り網をかけていきます。
地形によって平坦ではないこともありますが、ポールを立てる場所はできる限り安定した場所に立てましょう。
ポールが自立したら、反対側も同様にポールを自立させていきます。
⑤4隅をペグダウンして完成
ポールが自立したら、最後に本体の4隅をペグダウンすれば完成です。
余談ですが、筆者は一晩過ごして撤収する時、タープを崩すのがいつも名残惜しくなります。
タープを張る際に注意すべきポイント
設営する地面
タープを設置する場所は、平坦でペグが打ちやすい柔らかさがあり、かつ石や木の根などが少ない地面がおすすめです。
タープはテントと比較すると、平坦地や若干の傾斜がついているところでも設営できるという利点がありますが、本体を安全に固定するための条件はテントと同様と考えておいた方がいいでしょう。
地面の固さは、ペグを深部まで打ち込んだ時にしっかり固定できる程度の柔らかさがベストです。サラサラやぬかるんでいると抜けてしまい、固すぎるとペグが歪んだり破損する可能性があります。
キャンプ場ではない場所で野営する場合は、地形図を事前に見て、傾斜が緩い場所を見定めておいたり、ネットの情報などで現地の状況を確認しておくとスムーズに設営することができます。
風や雨など天候への対策
タープを設置するする際に特に注意すべき点に、風があります。タープは、風向きによって本体を張る向きが変わるためです。風をもろに受ける方向で張ってしまうと、本体が強風に耐えきれなくなる場合があります。
そして、風とともに意識するのが雨です。風が弱く雨が強い場合、風も雨も強い場合などで設営するタープの形状が変わります。
上方向からの雨なら雨を受け流す張り方(今回紹介している張り方)、横風で雨が縦横無尽に入ってくる場合は、タープの高さを低くしてなるべく雨風が入らない張り方にする、などといった工夫をします。
周囲の安全の確保
また、設営する際は周囲の地形を確認することが必須です。
増水で流される恐れがない高いところをはじめ、落石に見舞われない、倒れそうな木々がないなどのポイントを確認する必要があります。その他、地形を見て風の通り道を把握することで、風雨の影響をなるべく受けない安全な場所に設営することが可能になります。
これは、キャンプ場ではないフィールドでは特に必要ですが、安全とされるキャンプ場においても、ベストなタープ位置を決めるのに役立ちます。
これでタープの張り方を完璧に!
いかがでしたか。
今回ご紹介したタープの張り方やポイントを覚えておくと、安全でより快適な張り方ができるようになります。
形状を柔軟に変化させ、どんな地形でも対応できるタープの張り方を覚えておくと、テント泊とは異なる自然の楽しみ方を体験できますよ。