アウトドアに想定外は付きもの。いくつかロープワークを覚えておくと、キャンプでのちょっとしたトラブルにも対処できるようになるほか、より快適にキャンプを楽しむことができるようになります。ぜひ、練習して身につけておきましょう。
釣り糸を結ぶときに使われたテグス結び
テグス結びは、もともとテグスという釣り糸同士を連結させるための結び方で、別名「フィッシャーマンズ・ノット」とも呼ばれています。
結び方の構造自体はシンプルですが、ほどけにくく、太さの違う糸同士でも結ぶことができるので、釣りや船の繋ぎ合わせなどにも使われていました。
もちろん、釣りだけではなくアウトドアシーンでも活躍してくれるロープワークです。特にテントやタープを張るときなど、ロープの長さが足りなくなった場合に重宝します。
テグス結びのやり方
それでは、テグス結びの具体的な手順を紹介します。
実際に手元にロープを用意して、ぜひ一緒にやってみましょう。
手順
まず、ロープの両端を平行に揃えます。
白色のロープ(上写真の上のロープ)の先端を、緑色のロープの上から通して輪を作ります。
先端が緑色のロープの上を抜けるよう輪に通します。
結び目を締めます。
緑色のロープを、白色のロープの上から通して同様に輪を作ります。
先端が白色のロープの下を抜けるよう輪に通します。
先ほどと同様に結び目を締めます。
2本のロープを左右に引っ張ると、結び目がくっつきます。
結び目が左右対称になっていれば完成です。
注意点
- 結び目が左右対称になっているか確認!
絡ませ方を間違えると結び目が左右対称にならず、強度が下がってしまいます。
すると、強い張りで負荷がかかるとほどけてしまう場合があるので、結び目が左右対称になっているかは必ず確認しましょう。
- 先端が短すぎる
ロープの先端部分は、結び目から最低でも3〜5cmほどの余裕を持って結ぶようにしましょう。
ロープの先端部分が短すぎると、負荷がかかったときに抜けやすくなります。
ただ、あまり長く残しすぎると絡まってしまう恐れもあるので、ほどほどの長さを残しておくことがポイントです。
- ロープの特徴を把握しておこう
ロープの種類によっては結んでいても滑りやすいものがあり、注意が必要です。
持っているロープのクセを把握して、先端部分の残す長さなど変えてみるのがおすすめです。
キャンプでの活用方法
テグス結びはキャンプで、ロープの長さが足りない、というときに活躍します。
例えば、テントを張るロープが足りないとき、小物を吊るすために張っておくロープが短くて届かないときなどです。
テントやタープであればペグの位置を調整することでも対処可能ですが、ペグの位置調整だけでは適切にテンションをかけることができない場合がありますので、そのような際はテグス結びを活用するといいでしょう。
また、立木にロープを張る場合には木の位置を変えることはできないため、ロープでの調整をするしかありません。テグス結びを知っておかなければ、非常に困ってしまう場面ですね。
なお、より強くテンションをかけたい場合など、強度を上げたいときは手順を2回繰り返す“二重テグス結び”がおすすめです(別名「ダブル・フィッシャーマンズ・ノット」)。そちらも練習しておくといいでしょう。
テグスの結び方を知ってキャンプでも活用
ロープワークを覚えると、キャンプでのちょっとした不便もその場で解決できるようになります。
新たに長いロープを買うのも良いですが、自分で対処することで技術力アップにも繋がり、キャンプ上級者へ一歩近づけるかも。
便利なテグス結びを習得して、ぜひキャンプで活用してみてくださいね。