江戸城は山なのか、山ではないのか【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.45】
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 山・ハイキング・クライミング

    2024.04.28

    江戸城は山なのか、山ではないのか【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.45】

    江戸城は山なのか、山ではないのか【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.45】
    東京23区内、特に山手線の内側はビル街や飲食店街、住宅街ばかり。そう思っている人が多いかもしれません。でも、目を凝らせば東京都心にも「山」はあります。そんな東京の山の世界を、日本で唯一のプロハイカーである斉藤正史さんが案内します。

    FILE45は、なんと江戸城(皇居)です。

    第45座目「江戸城(皇居)

    さまざまな東京の山に関する本に「山」として登場する皇居ですが、果たして山なのだろうか?という疑問を持っていました。どう結論付けすべきか。それでなかなか登場しなかったのが江戸城(皇居)でした。

    いつも参考にさせて頂いている、手島さんの「江戸・東京百名山を行く」にも皇居は登場します。皇居には紅葉山があるそうですが、西の丸の宮内庁庁舎の裏手にあるそうです。もちろん一般公開されていませんので行くことも出来ません。また、皇居は大内山とも呼ばれているそうですが、調べてみるとこれは歴史的に様々な呼称で呼ばれた名称の一つのようです。やっぱり「山」ではないよな。

    皇居の案内地図。

    江戸城は平山城…ということは!

    つい先日、他の調べ物をしていて、城に関する記述を読んでいました。ん?これは!なんと皇居が山である1つの納得いく根拠を見つけてしまったのでした。日本の城は大きく分けて4つのタイプに分類されます。山城、平山城、平城、水城です。

    これらの4つは、どこに城を建てられたかによって区別されます。

    水城・・・海や河川、湖など水源のある場所を利用した城

    平城・・・平地に建てられた城

    平山城・・低い山・小高い丘と周囲の平地を利用して作られた城

    山城・・・山に築かれた城

    読者の方ならピンときたと思います。つまり、山城や平山城は「山」を利用して作られたお城なのです。城はまさに「山」なのです。そして、江戸城は平山城に分類されますので「山」なのです。

    出発は都営新宿線九段下口登山口です

    今回は色々考えたのですが、これまでに登場したことのなかった九段下駅登山口を出発することにしました。九段下駅に降り立つと、街歩きコースの案内が出ていました。お堀沿いに道があるようですので、昭和館の脇から入っていきます。

    九段会館テラス コンファレンス&バンケット前の広場。

    オシャレな街並み!

    お洒落な建物と広場が見えてきました。2022年に開業した「九段会館テラス」です。お洒落なお庭と建物の間を進んでいきます。広場の周りには旧九段会館の建物の一部が展示されていたり、花々が植えられていたり、お洒落なベンチやウッドデッキもあります。まるで丸の内のようです。

    九段坂病院まで続くお堀沿いの道を歩きます。お堀の奥には武道館が見えていました。武道館の中を通ってもよかったのですが、個人的には長い道のりなので景色に変化があった方がよいかなと思い、こちらの道にしました。いったん通りに出て、清水門から北の丸に入ります。

    人通りもすくない清

    いざ、北の丸へ

    清水門から北の丸公園に上がる坂道の階段は1つ1つの段差が通常よりかなり高く、かなり歩きにくく作られています。これは当時からなのだろうか?だとすれば城を落とすために門を突破しても、中に入り込むのが困難だなと思います。どうもお城にいくと、道すがらお城を攻略することを考えてしまうのが悪い癖です。

    さて、環境省が管理する北の丸公園を過ぎると、いよいよ北桔橋門(きたはねばしもん)のセキュリティチェックを受けてから皇居に入ります。

    なんと外国人の多いこと。7割以上が外国人観光客でした。門を過ぎるとすぐに天守台があり、目の前には大きな芝生の広場があります。この芝生があのドラマや映画、舞台にもなる「大奥」があった場所です。そしてその先には本丸跡地があります。本丸跡地の奥、果樹古品種園手前までいくと、本丸跡地の説明が出ていました。ここを山頂とすることにしました。それにしても広大な敷地です。山だけ登るにはもったいないなと思う山行でした。次回はたっぷり時間を作って見学したいなと思います。

    今回は山なのであえて皇居ではなく、江戸城としたいと思います。

    来るときにこんな碑も発見しました。

    牛ヶ淵沿いのビルの陰にひっそりたたずむ、日本体育会体操学校、愛国婦人舎、九段精華学校発祥の碑。

    皇居の周りにはひっそりとたたずむ多くの歴史があるのかもしれませんね。

    次回は、FILE46は神田山です。

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。

    あわせて読みたい

    山手線沿線の最高峰「愛宕山」とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.1】

    山手線沿線の最高峰「愛宕山」とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.1】

    意外に緑豊かな都心の縦走ルートとは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.2】

    意外に緑豊かな都心の縦走ルートとは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.2】

    超高層ビル群の麓にある山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.3】

    超高層ビル群の麓にある山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.3】

    都内最大級の前方後円墳の山がある…?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.4】

    都内最大級の前方後円墳の山がある…?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.4】

    都心の失われた山々をめぐる縦走ルートとは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.5】

    都心の失われた山々をめぐる縦走ルートとは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.5】

    東京都心に入山料の必要な山があるってホント?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.6】

    東京都心に入山料の必要な山があるってホント?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.6】

    住宅街にたたずむ雷神をまつった山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.7】

    住宅街にたたずむ雷神をまつった山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.7】

    「これはもう山と認めてもいいのでは!」と思う港区の塚とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.8】

    「これはもう山と認めてもいいのでは!」と思う港区の塚とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.8】

    品川区の高級住宅街にあるパワースポットの山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.9】

    品川区の高級住宅街にあるパワースポットの山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.9】

    明治時代に誕生した品川の景勝地の山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.10】

    明治時代に誕生した品川の景勝地の山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.10】

    歴史の変遷を見守ってきた徳川家ゆかりの山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.11】

    歴史の変遷を見守ってきた徳川家ゆかりの山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.11】

    ナイトハイクもオススメな品川のミニ富士とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.12】

    ナイトハイクもオススメな品川のミニ富士とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.12】

    中央区のど真ん中にひしめく5つの山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.13】

    中央区のど真ん中にひしめく5つの山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.13】

    120年の歴史を持つ日比谷公園の造成時に誕生した山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.14】

    120年の歴史を持つ日比谷公園の造成時に誕生した山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.14】

    上野公園に鎮座するスリ鉢と大仏の山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.15】

    上野公園に鎮座するスリ鉢と大仏の山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.15】

    “文学散歩”を楽しみながら登れる文京区の山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.16】

    “文学散歩”を楽しみながら登れる文京区の山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.16】

    樋口一葉とゆかりの深い文京区の幻の山を歩く【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.17】

    樋口一葉とゆかりの深い文京区の幻の山を歩く【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.17】

    年に1度だけ登ることができる!? 文京区のミニ富士山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.18】

    年に1度だけ登ることができる!? 文京区のミニ富士山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.18】

    文京区の路地を抜けた先にある、日本の近代史が交差する久世山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.19】

    文京区の路地を抜けた先にある、日本の近代史が交差する久世山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.19】

    HIKEの道は俳句に通ず?偉大な俳人ゆかりの地・文京区の椿山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.20】

    HIKEの道は俳句に通ず?偉大な俳人ゆかりの地・文京区の椿山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.20】

    由緒正しき旧細川家本邸の庭園に築かれた名もなき山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.21】

    由緒正しき旧細川家本邸の庭園に築かれた名もなき山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.21】

    文京区内を縦走!? 護国寺の富士山とその隣でひっそり鎮座する山があった【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.22】

    文京区内を縦走!? 護国寺の富士山とその隣でひっそり鎮座する山があった【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.22】

    現存する最古の江戸大名庭園で堪能できる山の魅力とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.23】

    現存する最古の江戸大名庭園で堪能できる山の魅力とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.23】

    日本でもっとも古い植物園「小石川植物園」の見どころをトレイルで体感【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.24】

    日本でもっとも古い植物園「小石川植物園」の見どころをトレイルで体感【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.24】

    江戸の富士山信仰の拠点となった文京区・駒込の「お富士さん」って?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.25】

    江戸の富士山信仰の拠点となった文京区・駒込の「お富士さん」って?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.25】

    江戸の名庭園とたたえられた駒込「六義園」の“最高峰”と“男女の山”【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.26】

    江戸の名庭園とたたえられた駒込「六義園」の“最高峰”と“男女の山”【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.26】

    高村光太郎も日常的に登った?文京区のタヌキ山を探せ!【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.27】

    高村光太郎も日常的に登った?文京区のタヌキ山を探せ!【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.27】

    JR田端駅から徒歩数分の神社にまつられている駅チカ霊山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.28】

    JR田端駅から徒歩数分の神社にまつられている駅チカ霊山とは?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.28】

    縄文時代からの歴史が詰まった、荒川区の太田道灌ゆかりの山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.29】

    縄文時代からの歴史が詰まった、荒川区の太田道灌ゆかりの山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.29】

    大正時代の趣を今に伝える豊島区「旧古河庭園」の幻の山と見どころ【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.30】

    大正時代の趣を今に伝える豊島区「旧古河庭園」の幻の山と見どころ【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.30】

    荒川区の新堀山・文京区の見越山は…山なのか?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.31】

    荒川区の新堀山・文京区の見越山は…山なのか?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.31】

    え…原宿に山?竹下通り近くにも山?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.32】

    え…原宿に山?竹下通り近くにも山?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.32】

    渋谷区にある都内最古の富士塚「千駄ヶ谷富士塚」へ【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.33】

    渋谷区にある都内最古の富士塚「千駄ヶ谷富士塚」へ【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.33】

    海辺の築地に山はあるの…か!?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.34】

    海辺の築地に山はあるの…か!?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.34】

    八丁堀にもありましたよ、山が!鉄砲洲富士が!!【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.35】

    八丁堀にもありましたよ、山が!鉄砲洲富士が!!【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.35】

    池袋にある「根津山」を目指して…【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.36】

    池袋にある「根津山」を目指して…【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.36】

    池袋にある富士塚、その名も池袋富士【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.37】

    池袋にある富士塚、その名も池袋富士【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.37】

    あれ、こんなところにも?下谷坂本の富士塚に行ってみた【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.38】

    あれ、こんなところにも?下谷坂本の富士塚に行ってみた【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.38】

    芸能人もよく参拝する神社の「新宿富士」【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.39】

    芸能人もよく参拝する神社の「新宿富士」【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.39】

    新宿にかつてあった山「蜀江山」を探しに蜀江坂へ【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.40】

    新宿にかつてあった山「蜀江山」を探しに蜀江坂へ【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.40】

    新宿にある登れる富士山・成子富士からの景色は?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.41】

    新宿にある登れる富士山・成子富士からの景色は?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.41】

    高田馬場にあるらしい高田富士を探して歩く【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.42 】

    高田馬場にあるらしい高田富士を探して歩く【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.42 】

    NEW ARTICLES

    『 山・ハイキング・クライミング 』新着編集部記事

    地元で広く親しまれている北区・十条「おふじさん」へ【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.103】

    2024.11.23

    初日の出を山頂で迎える!おすすめスポット6選と注意点も紹介

    2024.11.22

    格調高い足立区・花畑記念庭園の池の畔に鎮座する「芝生の山」【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.102】

    2024.11.20

    初日の出と富士山で縁起の良い新年を!おすすめの絶景スポット13選

    2024.11.19

    服装や燃料、水筒など。冬ハイキングを楽しむために追加したいアイテム6選

    2024.11.19

    花畑浅間神社の花又富士と途中で出合った富士塚【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.101】

    2024.11.17

    足立区「保木間氷川神社」の富士は富士山以外の山がモチーフ…?【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.100】

    2024.11.15

    足立区最古の伊興氷川神社、境内に残された富士山の溶岩【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.99】

    2024.11.13