路面状況に合わせて駆動システムを最適化!
ライター・櫻井と編集・沢木による新車試乗レポート。今回は、ランドローバー「ディスカバリー」編です。
沢木 ディスカバリーは、「4WDのロールス・ロイス」と称される超高級SUV、レンジローバーの弟分。とはいえ5代目となったこっちも、昔と比べてずいぶん立派になりましたね。
櫻井 うん。もはやレンジローバーと見分けがつかないほど。実際、値段も上がっていて、新車の最安価格が299万円だった初代とは別物と考えたほうがいい。
沢木 高いから当たり前といわれればそれまでですが、乗り心地は極上です。
櫻井 ボディーのつくりがしっかりしていて、そのうえエアサスペンション内蔵だからね。オンロード、オフロード問わず、路面の衝撃を包み込むように吸収して、しっとりと走ってくれる。
沢木 でも、ただ柔らかいだけじゃなく、カーブではしっかり踏ん張ってくれます。
櫻井 乗り手に余計な負担をかけないのが、ディスカバリー最大の魅力。乗り心地の良さはそのひとつだし、路面状況に合わせて駆動システムを最適化する「テレイン・レスポンス」に加え、オフロードや雪道でも作動するクルーズコントロールも付いた。試したでしょ?
沢木 ハイ。2~30㎞/hの範囲で設定すると、ハンドル操作だけでクルマがオフロードを走ってくれました。
櫻井 それと、下り坂を滑り落ちないように、自動でブレーキ制御しながら走ってくれるヒルディセントコントロールはランドローバーが特許を持っているんだけど、ディスカバリーのそれは30㎞/hまで設定できるようになっている。
沢木 雪山に行ったときの安心感が違いますね!
最大7人乗れる箱型キャビン
7人乗りを前提としたキャビンは、ルーフラインが後方ぎりぎりまで高く、実用性を重視した設計。ただし、全幅が2mもあるので、林道などでの取り回しには注意が必要だ。
櫻井 3列シート仕様も選べる広い室内は、目的地に早く着いたときの仮眠用にも最適。シートをたたんだときも床の出っ張りがなく、天井はリアゲート付近まで高いので、のんびりと体を休められるよ。
沢木 確かに。第2のテントとして使えます。というか、こっちのほうが快適!
櫻井 4WD専業メーカーであるランドローバーのクルマづくりは、アウトドアに主軸を置いたSUVの未来を示唆しているともいえる。だから、新型ディスカバリーが成功するかどうかは、僕らのクルマ選びにもかかわってくると思うんだ。
沢木 高いから関係ない、ではないということですね。日本でも売れるといいな~。
横幅いっぱいに室内寸法を確保しているため、4~5人分の荷物が積める。
内側に電動のパネルが付く。開けたときの“雪崩”を防げるほか、前に倒せばベンチにもなる。
2列目は天井と足元空間に余裕がある。3列目(オプション)もしっかりしたつくりだ。
ランドローバー/
ディスカバリー
https://www.landrover.co.jp/vehicles/discovery/
◎構成/櫻井 香 ◎撮影/小倉雄一郎