針葉樹林に囲まれ、綺麗な円錐状の形をした蓼科山。「きつい」と言われることもある山ですが、山頂からの景色や美しい木々が映えた眩しい山道は圧巻です。
蓼科山の基本情報
場所:長野県茅野市・北佐久郡立科町
標高:2,531m
備考:日本百名山
長野県の東側中央、山梨県との県境に近い場所に蓼科山は佇んでいます。八ヶ岳連峰の一つに数えられ、硫黄岳や赤岳から離れた北八ヶ岳、さらにその最北に位置している火山です。噴煙や溶けた溶岩などは確認できませんが、岩石で埋め尽くされた山頂の姿は、かつての火口を彷彿させます。
蓼科山周辺は針葉樹林で、木々が美しい装いとなっています。その山道は美しく、登っている最中も楽しい山です。
しかし、急斜面でかつ岩石の多い山道は、初めての登山には不向き。バランスを保つ能力や体力に自信があり、本格的な登山を何度か経験しているくらいの経験値は必要です。
蓼科山の魅力と険しさは!?
日本百名山にも選ばれるほどの名山である蓼科山は、どのような魅力があるのでしょうか。
山頂からの絶景や美しい山道、「きつい」と言われる理由や登山道の特徴を紹介していきます。まずは、魅力からです。
素晴らしい山頂の景色に言葉を失う
八ヶ岳連峰の最も北側に位置する蓼科山からは、その主峰である硫黄岳や横岳さらに赤岳などを一挙に眺めることができます。
高度感も相まって、素晴らしい自然の絶景です。
山頂は、絶景を見るのに邪魔するものがない開けた場所になっています。
これは山頂部が古い溶岩で構成された硬い岩石に覆われている点や、標高が2,500mを超える森林限界点(標高が高すぎるなどで森林が成立しない境界線)にあたるため。
保水性に欠けた岩石ゴロゴロ状態の山頂、また2,500mを超える低温な環境では、高い木が育たたないのです。
おかげで蓼科山の山頂は、絶景を大迫力で見ることができる開けた展望台になっています。
素晴らしすぎる景色に、感謝しかありません。
綺麗な針葉樹林の山道を歩く
寒く雪が積もる地域に生える針葉樹林が、蓼科山の山道を美しく彩っています。
横に伸びた枝から針のように伸びる葉っぱが特徴の針葉樹。天気の良い日の青空ととても相性が良く、美しく癒される色合いに仕上がります。
蓼科神社の鳥居と奥社
蓼科山は、武居夷神(たけいえみしのかみ)という諏訪地域にいた神様が、その地域を諏訪大神に譲って自分は蓼科山に登って行ったという伝説が残っている山です。
諏訪大神は雨や風を司る、現在は長野県、蓼科山や八ヶ岳がある信濃国を開拓したと信仰される神様で、諏訪大神を祀る神社は全国で1万社あると言われています。
<参考>
「蓼科神社」(長野県神社庁)(https://www.nagano-jinjacho.jp/shibu/03tousin/02kitasaku/2121.htm)
「諏訪信仰について」(諏訪大社)(https://suwataisha.or.jp/about/suwashinko/)
それらの伝説や歴史的記述が由緒となり、蓼科山には鳥居と小さいながら頂上には社殿が残っています。
ここからは、蓼科山の険しさについて紹介します。
石がゴロゴロで滑りやすい急登はやっぱりきつい
山頂まで40分の蓼科山荘までは、細かい石がゴロゴロとした急な斜面を登る道のりになります。
滑りやすい道になっているので注意が必要です。
終盤は高い岩を登る難所に
蓼科山荘から山頂までの約40分ほどは、なだらかな道のりを超えた先に大きな岩を登る、危険な道のりになります。
自分の背丈より高い岩を掴みながら登る箇所もあり、体力やバランス能力が試される難所です。体力・能力があれば登れてしまいますが、自信のない方は登頂を避けたほうがいいでしょう。
終盤は振り返ると絶景になっています。辛いときは絶景を見て小休憩。危険な箇所なので無理せずに登りたいものです。
やっぱり素晴らしい蓼科山
実際に登ってみても急登では息を切らし、終盤の岩場はヒヤリとしました。
「きつい」と検索されるのも理解できる山道でしたが、それを乗り越えた先の絶景は何物にも代えられないほど感動でした。
細心の注意と見合った能力があれば、ぜひとも挑戦してほしい一山です。