FILE60は、南千住にある白髭富士です。
第60座目「白髭富士」
今回は、JR南千住駅東出口登山口からのスタートです。
同じくJR南千住駅ですが、今回は反対の出口、東出口登山口からの出発になります。前回の住宅街から打って変わって、ショッピングセンターや真新しいマンションの立ち並ぶエリアを歩いてきます。ここが同じ南千住なのだろうかと思うほど下町感が一気に薄まりました。
広い道、綺麗な街並み。公園や緑も多く住みやすそうだなと思いながら歩いていました。
貨物の駅「隅田川駅」
新しい街並みの奥に大きな敷地があるのをうっすら感じていました。なんだろう。そう思っていると、ルートはその大きな敷地沿いに差し掛かりました。金網が張ってあって、中には鉄道が見えました。貨物車両が多かったのでJR貨物の集積場かなと思っていると、入口があり「隅田川駅」と書いてあり、立ち入り禁止となっていました。
隅田川駅貨物フェスティバル
なんと、立ち入り禁止の隅田川駅に年に1度だけ一般の方が入れるチャンスがあるそうです、その名も「隅田川駅貨物フェステバル」です。機関車・コンテナの展示、車掌車の乗車体験、荷役作業実演の他にも色々と催し物が開催されるそうです。鉄道ファンでなくても面白そうです。3代続く鉄道一家に生まれた僕にもグッときます。
ルートは、隅田川駅を離れ、隅田川方向へ進んでいきます。徐々に真新しい街並みから、下町の景色に変わっていきます。白髭神社のある石浜神社周辺に入ると大きな堤防が見えてきて、この先に隅田川があるのだなと感じました。
偶然にも石浜神社の正面ではなく、裏手の入口に到着し、神社に入ると拝殿の手前隅田川方向におなじみの溶岩の山が見えました。これが白髭富士です。
石浜神社
石浜神社は、聖武天皇の直接の命令で724年に鎮座された神社だそうです。東に隅田川、西に富士山、北に名山筑波といった名勝に恵まれ、『江戸名所図会』などにも大きく納められたそうです。
白鬚富士
残念ながら、登れない富士塚でした。1758年に建立したこと。当時普及を見た富士信仰・講の記念の一つとして置かれているようです。左隣には白狐祠が祀られていて、似ていますので間違えないようにしてください。
なぜ白鬚富士なのでしょうね。調べてみましたが分かりませんでした。
ただ、白鬚と名のつくところでは、神が白鬚の年老いた姿で世に出現したから名づけられているとか。
同じ富士塚でも、場所や時代によって色々と姿を変えて今に残されているのですね。僕からすると、白鬚富士のように記念の一つでも構わないので残されているとありがたく思います。書物でここにあったと足跡を残す重要性もありますが、ここにかつてこれがあったと痕跡が残されることも重要なことなのかなとTOKYO山頂ガイドの取材で都内の山を登りながら感じてます。