極上サバイバル飯第10弾は、100年前のレシピでカレー南蛮を作ります!
10膳目「汁なしカレー南蛮」
どーもこんにちは!
元自衛隊芸人のトッカグン小野寺耕平です!
「戦場でもコメが食いたい!」という兵士達の声を叶えるために日本軍が開発し、ドイツ軍のメスキットM1893を参考にして明治31年に誕生した機能美溢れるそら豆型の日本の飯盒。
円形より省スペースで携帯性よし、熱効率が高く角がないので洗浄が容易で使い勝手良しと、開発の際に当時の日本軍がこだわった数々のポイントが現代のキャンプ事情にもマッチし、今なおアウトドア界隈で愛されています。
そんな飯盒を使用して作る極上サバイバル飯第10弾は、100年前のレシピでカレー南蛮を作ってみよう!
さて、皆さんは何がどうなっていたらカレー南蛮という料理になるのかご存知ですか?
これは、とある食材の組み合わせを指して名前がつけられているもの。カレーは言うまでもなくあのカレーを指しておりますが、『南蛮』とは私たちに身近なある食材を示しています。トッカグン小野寺の極上サバイバル飯でも紹介したレシピでメイン食材として使ったことがあるんですが、もうお分かりになりましたか?
そうです、南蛮とはねぎのことなんです。
と言っても、南蛮と付く全ての料理でねぎを示しているわけではなく、チキン南蛮などの南蛮はどちらかというと「西洋風」といった意味合いで付けられていたりしますし、ねぎだけではなく広く「香味野菜」などを示していたりと、料理によって若干の違いはあります。
ですが、主に麺類を扱うお店のお品書きで「〇〇南蛮」となっていたらねぎのことです。
ですので、もしも皆さんが訪れたお店のお品書きにカレー南蛮とか鴨南蛮と書いてあったらしっかりねぎが入ってきますので参考にしてみてください。
さあ、それでは作っていきましょう!
【材料(1人分)】
干蕎麦•••25g
牛肉•••20g
澱粉・・・4g
砂糖・・・2g
油揚げ・・・10g
カレー粉・・・0.25g
葉葱(青ねぎ)・・・75g
醤油・・・17cc
油・・・大さじ1
水・・・分量外(蕎麦茹でと出汁とカレー粉溶く用)
①牛肉を細切り、油揚げは縦二つ割りにして小口切り、葉ねぎは斜め切りにする
②澱粉とカレー粉を水で溶いておく
③蕎麦を硬めに茹で、冷水でしめて水気を切っておく
④飯ごうで油を熱し、牛肉を色が変わる程度に炒めて水270ccを入れて煮立たせる
⑤油揚げ、砂糖、醤油を加える(少し濃いめの味付けになっているのが正解)
⑥ねぎと蕎麦を加え、水溶きカレー粉を加えて混ぜる
完成〜!!なのだが、こ、これで合ってるのか?
汁気は一体どこへ行ったんだ。
カレーうどんの蕎麦バージョンを想像していましたが、なにやら様子が違う。具が多いし、汁気は殆どありません。
何はともあれ、頂いてみましょう。
おぉ、これは醤油が強い!!おそらく現代人はめんつゆやかつお節など、何かうまみを加えられるものを入れたくなるのではないでしょうか。
100年前にイギリスから大日本帝国海軍に伝わったカレーを更に、大日本帝国陸軍がアレンジしたレシピなので、おそらく外国由来の料理に日本の出汁を加えるという発想はなかったのではないかと想像します。汁気も殆どなく、カレー餡掛け蕎麦といっても良さそうな仕上がりです。
また、当時の軍隊の食文化は白飯を1日6合食べていたと言われているので、今回のレシピも蕎麦を使っていますが、具沢山であることや濃いめの味付けで調理してある点からも、もしかしたら白飯のおかずとして食べられていたのかもしれないなと思いました。
まだ日本にカレーが伝わって間もない時期に日本風にアレンジを試みたこちらのレシピ。
研究熱心な当時の給養員に思いを馳せながら是非作ってみてください。
本日はこれまで。それじゃーまた!
今回紹介したレシピ含め、飯盒を使った様々な料理レシピは、動画(公式チャンネル:トッカグンの東京サバイバル)でもご覧いただけます。