そんなフレックスは2022年の4月よりハイエースをベースとしたキャンピングカーブランド「モビーディック」を新たにスタートし、既に5モデルをリリースしています。
ブランド名のモビーディックはハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」から。
新型はワイドミドルルーフの「ワゴンGL」がベース
今回紹介する「ベルーガ」は、同社では初めてハイエースのワイドミドルルーフのワゴンGLをベース車両に用い、モデル名は「シロイルカ」が由来となっています。ハイエースのボディバリエーションで室内の広さにゆとりがあるのは、スーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフですが、ワイドミドルルーフのほうが取りまわしがしやすく、都市部や細い道など普段使いにも向いているというメリットがあります。またワゴンは10人乗りが標準設定ですが、こちらは家具などの架装により6人乗りの仕様になっています。
それでは細部を見ていきましょう。
家具をひとつにまとめてスッキリとしたインテリア
セカンドシートにはキャンピングカー専用の1400mmFASPシート(イタリアFASP社のマルチモードシート)を採用し、横座りのサードソファに移動中も1人掛けできるようシートベルトなど保安部品を装備することで6名乗車が可能。フロントとセカンドシートで5人が前向きに座れ、普段使いにも配慮がされています。
荷室には左側にキッチンキャビネットと上部棚を装備。収納や調理といった機能がここにすっきりとまとめられ、家具類はウッドを基調に角部分にアルミ製コーナーパネルを用い、室内を広く見せつつ、移動の際に足をぶつけるといった危険性を軽減した作りが特徴になっています。このアルミ製コーナーパネル、筆者のような大柄な体型だと夜間などに足の小指を引っかけてしまうようなこともありますが、そうした場合でも安心です。
右側の内張りはウッド化しつつ小物入れも備わり、見た目と実用性を両立。中央動線部分は長さ約2mで長尺物の積載もでき、キャンプや趣味の道具も楽に持ち運べます。
2人旅プラス子どもやペットとの旅に「ちょうどイイ」
キッチンキャビネットには開け閉めの多いスライドドア側に上開き式冷蔵庫を配置。リア側にはシンクを搭載し、蛇口部分を引き出し式シャワーヘッドにすることで外へ伸ばしてペットの足を洗ったり、キャンプ道具などの汚れを落としたりと、使いやすさが光る設計になっています。テーブル部分はリビングモードに展開時はもちろんのこと、前向き乗車時でもセカンドシートにセットできるので休憩時などに使えて便利です。
ベッド展開はセカンドシートをフラットモードにし、サードソファの背もたれを通路にセットするだけ。最大で長さ2580mmのベッドは大人2人でゆったりと寝られ、小さな子どもやペットの就寝スペースも確保できるほど余裕があるのもベルーガならでは。
ファーストカーとして日常でも不便なく使え、遊びや旅でも頼りになる。そんなマルチに使いたいという人にお薦めのモデル。ウッドテイストでまとめられたインテリアは居心地もよく、2人旅なら空間の余裕もたっぷりあって快適に過ごせる内容でした。価格はガソリン2WDで506万円〜。
【FLEX MOBY DICK Beluga】
全長×全幅×全高:4880×1880×2105mm
乗車人数:6人
就寝人数:2人。
問)フレックス