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ダッチオーブンでつくるうずらの卵の燻製
経験ゼロスタートの2児の母キャンパー。アウトドアブログ“ブッシュクラフトLIFEWORK”を運営する傍ら、アウトドアインストラクターのアシスタントとしても活動中。アウトドアで人生が変わる!をモットーに子どもと一緒にファミリーキャンプ&ブッシュクラフトキャンプを満喫。焚き火とキャンプ飯、そしてモノづくりが好きで、アウトドアグッズを商品化するのが夢。
煙で食材を燻して、独特の風味と味わいを楽しむ燻製。アウトドアで燻製を作って楽しみたい、という方も多いことでしょう。
専用のスモーカーが無くても、ダッチオーブンを使って簡単に作る方法があります。
スモーキーな香りが漂う燻製料理をダッチオーブンで作る方法やコツ、そしておすすめの燻製卵レシピを紹介します。
ダッチオーブンで作る燻製
ダッチオーブンとは金属でできた鍋のことで、直接火にかけられることなどから、アウトドアではよく使われる人気調理器具の一つです。
燻製を作る場合には専用スモーカーなどを使用するのが一般的ですが、そのようなものを持っていなくても代わりにダッチオーブンで燻製を作ることができます。
ちなみに燻製には、熱燻(ねっくん)、温燻(おんくん)、冷燻(れいくん)と3つの種類があります。これらは温度や燻製時間の違いによって分類されていて、それぞれ味わいが変わります。
ダッチオーブンで作れるのは、高温で一気に燻す「熱燻」です。
熱燻は、細かな温度管理をしなくても香りや色付きの良い燻製が手軽に作れるため、初心者に向いている調理方法とも言えるでしょう。
必要な道具
ダッチオーブン
アルミホイル
スモークチップ
足付きの網
燻製したい食材
キッチンペーパー
ダッチオーブンのほかに、燻製で必ず使用するスモークチップや、足つきの網などはあらかじめ用意しておきましょう。
ちなみに、スモークチップの種類によって、できあがる燻製の香りが変わります。色々と試し、好みのものを見つけておくといいでしょう。
作り方
それでは、作り方を紹介していきます。
ダッチオーブンで作る燻製は、焚き火でもガスコンロでも大丈夫です。
ただ、初めて作る場合には火力をコントロールしやすい、ガスコンロの使用がおすすめです。今回は、ガスコンロを使用して燻製を作っていきます。
【1】茹でて殻をむいたうずらの卵を用意します。表面に付いた水をキッチンペーパーで拭き取りましょう。事前準備の余裕があれば、めんつゆにつけて「味付けうずらの卵」にしておくと、深みのある味になるのでおすすめです。
【2】鍋底にアルミホイルを敷きます。
アルミホイルがあることで、チップの焦付きを防ぎ、ダッチオーブンの後片付けが楽になります。
このアルミホイルの上に、10~15g(大さじ2~3)程度のスモークチップを薄く広げます。
【3】足が付いている網を、ダッチオーブン内にセットします。
もし普通の丸網しかない場合は、アルミホイルなどを使って高さを出しましょう。鍋底と網の間に空間ができるよう、丸めたホイルを3箇所ほど置き、その上に網をセットすればOKです。
【4】ここまで終わったら、中火~強火でダッチオーブンを温めていきます。すると内部のチップが燃え、煙が出てきます。
【5】煙が出てきたら、弱火にし、網の上に食材を置きましょう。食材は重ならないように、隙間を開けて並べます。約15分燻製して完成です。
ダッチオーブンでの燻製は、思いのほか内部温度が高温になってしまうことがあります。「ちょっと油断をしたら、食材が丸焦げになってしまった!」なんてことも。慣れるまでは時々蓋を開けて内部を確認するといいでしょう。
美味しい燻製を作るコツ
燻製する食材が水分を含んでいる場合は、キッチンペーパーなどでしっかりと拭き、水分をとっておくと美味しく作ることができます。
食材を乾燥させるこの一手間で、ぐんと味が変わるのでぜひやってみてください。
ただ、水分を元々多く含んでいる食材は、拭きとっておいたとしても燻製中さらに水分が出てきます。この、出てきた水分が原因でチップの火が消えてしまうこともあるほどです。
そのため、お肉やお魚などの水分を非常に多く含んでいる食材を使う場合は、チップの上にもアルミホイルをふんわりかけておくのがおすすめです。
▼参考記事
ダッチオーブンで燻製に挑戦!作り方とおすすめ簡単レシピ3選
自宅のキッチンでもできる!スモーカーでつくる卵の燻製
1991年、東京都八王子生まれ。琉球大学農学部を卒業後、ペルーで2年間を過ごす。帰国後、日本流通産業新聞社に記者として入社。2年後に会社を辞めて再び南米へ渡航し、チリのサーモン養殖を取材。「月刊養殖ビジネス(緑書房)」などに寄稿。岐阜県飛騨市在住。カヤックをはじめ外遊びは何でも好き。最近のマイブームはフライフィッシングです。
SOTO(ソト)の「スモークポットIH ブラック」を使った燻製の作り方をご紹介します。IH対応で、どの家庭でも日常的にキッチンで燻製を楽しめるのが特徴の燻製器です。
スモーカーで作る燻製
使い方はすばらしく簡単。といっても、この手の家庭用スモーカーの使い方にはほとんど差がありません。底にスモークチップを配置し、食材を金網に乗せ、スモークするだけです。
スモーカーの底にアルミホイルを敷くと、チップの過熱や燃え上がりを防げます。また、チップの上にもアルミホイルを乗せると、燻煙がスモーカー内部にまんべんなく行きわたるので、ここで一手間かけておきましょう。
材料
食材は何でも構いませんが、あらかじめ乾燥させておきましょう。水分が多いと酸味がきつい燻製に仕上がってしまうためです。金網は比較的粗め。ナッツなどを燻す際には、工夫が必要です。想像以上に食材が乗せられて、燻煙時間も短いので家族でも十分使えるでしょう。
作り方
【1】食材を乗せたら、温度計を差し込み、蓋をして弱火~中火で加熱します。
本来であれば、チーズやゆで卵といった非加熱でも食べられる食材は50度~80度の温燻、ベーコンやししゃもといった加熱を要する食材は80度以上の熱燻で仕上げるのが一般的です。今回は、さまざまな食材を盛り込んだので、ガスコンロで80度を維持しました。
密閉性が高いとはいえ、やはりスモーカーですので、換気扇を稼働させて、窓全開で挑むことを推奨します。
スモーカーは陶器製なので、熱しにくく冷めにくいです。目指す温度に達しない場合でも焦って強火にしたりせず、中火で加熱し続けましょう。強火で加熱して温度が高まり過ぎると、今度は冷めにくいという陶器の性質に苦しむことになります。
【2】5~10分加熱したら火を消します。3~5分程度そのまま燻し、完成。
と、ここで出来立ての燻製を味わいたいところですが、燻製はスモークしてから熟成することで香りがまろやかになり、より美味しく食べられます。パーティー的に出来立てを楽しむのもいいですが、半日ほど外気に触れるような形で熟成させるのがおすすめです。
ラップなどには包まず、気温が高くなければ日陰で、夏場は冷蔵庫で寝かせるのが良いでしょう。
▼参考記事
IH対応!SOTOのスモーカーでキッチン燻製を楽しもう
燻製初心者におすすめの燻製器で作る卵の燻製
キャンプが趣味のアウトドアライター。時間や場所に縛られず働くことを目標にライターを始め、現在はアウトドアや健康系の記事を主に執筆。休日は趣味に奔走するため、外にいる時間が長い。
SOTO(ソト)の「燻家(スモークハウス)」を使った燻製の作り方、使用して感じたオススメポイントをご紹介します。
ダンボール製の箱を使用して燻製を作ることができる商品で、シンプルな構造。さらに、リーズナブルな価格。諦めかけていた燻製ですが、これなら初の燻製でも安心してチャレンジできそうだと感じ、購入&使用してみました。
燻製に興味はあるけど手が出せていない、という方はぜひこの記事を参考にしていただければと思います。
燻家(スモークハウス)のおすすめポイント
実際に使用して感じた燻家(スモークハウス)のオススメポイントをご紹介します。
片付けが簡単
金棒と網を洗い、ダンボールを畳むだけで片付けは終了。一般的な燻製器に比べると、非常に楽に片付けが済みます。
キャンプの撤収時は、多くのキャンプギアの片付けが必要になりますので、1つでも楽に片付けができるアイテムがあると助かりますよね。
複数回使用できる
アルミ皿とスモークウッドを買い足せば、複数回使用できます。
筆者は既に3回ほど使用しました。若干ダンボールの劣化などが見られますが、使用に大きな問題はありません。あと2~3回は使用できそうですので、状態を確認しながら、使用していきたいと思います。
リーズナブルな価格で燻製に挑戦できる
最後のオススメポイントは、手が届きやすい価格で燻製に挑戦できるという点です。
燻製に興味があるけどいきなり本格的な燻製の道具を揃えるのは不安、という方にとっては非常に嬉しいポイントではないでしょうか。
燻家(スモークハウス)を複数回使用した後、燻製をもっと楽しみたいと感じた方は、さらに長期間使用できる燻製器の購入を検討しても良いと思います。そのための入門として、まさにうってつけのアイテムだと思います。
燻家(スモークハウス)で作る燻製
実際に燻家(スモークハウス)を使った、燻製の様子をご紹介します。
今回は温燻に挑戦します。所要時間は30分~1時間半ほど。
さっそく準備をしていきます。
セット内容は以下の通り。
スモーカー本体
スモークウッドミニ
金網
アルミ皿
金棒2本
フック4個
燻製に必要な道具は、全て揃っています。
ダンボール製のスモーカーは、簡単に組み立てることができます。初心者にはありがたい仕様です。
側面に手順が書いてあり、そちらを参考に組み立てましたが、筆者は5分とかからず終わりました。
次は燻製の要となるスモークウッドに火をつけていきます。
材料
ベーコン
チーズ
煮卵
ゆで卵
作り方
【1】スモークウッドをアルミ皿に乗せ、段ボールの底へ入れます。その上の空間に金棒を通し、食材を乗せた金網を設置して、準備完了です。
【2】燻製開始後、試しに30分で一度様子をみてみました。チーズには色がつき始めてきたものの、まだ水分がかなり残っている様子。あと1時間ほどじっくり燻製することにしました。
【3】この時は1時間半経ったところで、食材を取り出しました。燻製した食材を食べてみたところ、どの食材も香ばしく、ほど良く水分が飛んでいて、非常に美味しく食べることができました。
簡易的なキットだったので、どのような仕上がり具合になるのか多少の不安がありましたが、本格的な燻製が楽しめるアイテムであると実感しました。
▼参考記事
初の燻製に挑戦!SOTO「燻家 スモークハウス」を使ってみた!
卵黄の醤油漬け・味噌漬けの冷燻
冷燻作る絶品卵おつまみをご紹介します。
まずは主役となる『卵黄の醤油漬け』と『卵黄の味噌漬け』を作ります。コレだけでも十分に美味しいのですが、冷燻によって薫りをつけていきます。冷燻とは、熱燻と違い10~30度の煙りで、長時間燻す製法です。
卵黄の醤油漬けレシピ
材料
新鮮な卵
濃口醤油
みりん
容器
※醤油:みりん=2:1
作り方
【1】2:1の分量の醤油とみりんを混ぜ合わせておきます。
【2】卵黄を白身と分離し、1のみりん醤油に漬けます。
【3】2日ほど冷蔵庫で寝かせると出来あがり。漬ける時間は好みで調整可。
※卵黄は1つの容器に入れても良いですが、お猪口の方が使用するみりん醤油が少なくて済みます。また、卵黄はぷかぷか浮くので、みりん醤油の量は浮いたのが確認できるくらいの量でOK。※見た目を良くするために、カラザ(白いヒモのような部分)は取ります。取らなくてもOK。
卵黄の味噌漬けレシピ
材料
新鮮な卵
味噌(どの味噌でもOK)
容器
キッチンペーパー
作り方
【1】容器に、味噌を敷き詰めます。味噌の高さは1~2cm。
【2】味噌の上にキッチンペーパーを乗せ、たまご等で卵黄を入れるポケットを作ります。
【3】白身と分離した卵黄をポケットに入れます。
【4】キッチンペーパーを卵の上に乗せ、更にその上から味噌を乗せます。
【5】2日ほど冷蔵庫で寝かせます。
どちらも綺麗に仕上がっています。「醤油漬け」も「味噌漬け」も作る工程は簡単。分離した白身は、塩胡椒と刻んだ野菜を混ぜたホワイトオムレツを作ってそのまま食べたり、ホットサンドの具材として使っています。
さて、ここからが本番です。
卵黄の冷燻レシピ
材料
上記で作った卵黄
燻す入れ物(深みがある容器)
ラップ
桜チップ
冷燻用冷燻機
作り方
【1】卵黄を容器に並べます。無くても良いと思いますが、取りやすいようにクッキングシートの上に卵黄を並べました。
【2】ラップを掛けます。この後、燻製機のチューブを差し込むので、強度を上げるためにその部分は3重くらいラップを巻きます。
【3】燻製機をセットして、チューブの先端をラップの中へ挿入。
【4】10分おきに煙を注入すること2時間。ラップは外さずに再び冷蔵庫に入れて薫香を馴染ませれば出来あがりです。(馴染ませる時間は3時間くらいでいいと思います。僕は翌日の晩酌のお供にしようと思ったので、結果1日馴染ませました。)
ラップを外した瞬間、豊潤な薫りが広がります。冷燻だけど、クッキングシートの色を見ると、きちんと燻されているのが分かります。
右が「醤油漬け」で、左が「味噌漬け」です。宝石の様に輝いていますね。醤油漬けの方は、濃厚な雲丹の風味です。味噌漬けの方は、濃厚なチーズの風味です。
楊枝の先端に少し乗せ、口に含む。すると口内に薫香が広がり鼻から抜ける。お酒が止まりません!
料亭で出てきそうなレベルです。燻製にしなくても十分美味しいのですが、風味が数ランクアップしました。時間は掛かりますが、特別なオモテナシの時に出すと、喜ばれると思います。
酒の肴でなくても、ジャコと刻んだ大葉と一緒に熱々ご飯に乗せ、使ったみりん醤油を少し掛けて卵黄丼にして食べても美味しかったです。使用した味噌は、かき混ぜて2~3回使えます。その後も、味噌汁等に普通に使えますよ。
▼参考記事
熱燻だけが燻製じゃない!冷燻で絶品おつまみを作る!!![読者投稿記事]
温燻溶き卵のスモーキーTKG
プライベートで作っていた外ごはんが評判になり、フードスタイリストに。元調理師ならではの知識と経験を活かし、簡単かつ美味しいレシピを提供。
作り方
【1】溶き卵を40~50分燻します。
【2】熱々ごはんにかけたら完成!
しょう油をかければ、おいしさ倍増!
▼参考記事
ステーキ肉から調味料、溶き卵まで、燻してみた!目からウロコのスモークレシピ
うずらの卵をいろいろなスモークチップで燻し比べ
1991年生まれ。琉球大学農学部を卒業後、ペルーで2年間を過ごす。帰国後、日本流通産業新聞社に記者として入社。2年後に会社を辞めて再び南米へ渡航し、チリのサーモン養殖を取材。「月刊養殖ビジネス(緑書房)」などに寄稿。部屋でペルーのラジオ番組「パンアメリカーナ」を聴くことがマイブーム。
燻煙材のキホン
燻煙材の「スモークチップ」は種類が豊富。それぞれに特徴や相性の良い食材があります。その組み合わせは無限といっていいでしょう。
燻煙材には、大きく分けて「スモークチップ」と、「スモークウッド」があります。まずはその違いを解説します。
スモークチップ
乾燥させた木材を細かく砕いたもの。樹脂や腐食部分を取り除いた、木質部分のみを使用しています。食材を燻す(いぶす)際、チップそのものには火をつけません。金属製の受け皿などに乗せ、下から熱することで煙が出ます。家庭用の小さな燻製器を使う場合におすすめ。
スモークウッド
細かく砕いた木材を、棒状に再成形したもの。スモークウッドそのものに火をつけて煙を発生させるため、熱源が必要ないのが特徴です。大きな燻製器や、長時間の燻製に向いています。
各種チップの特徴
今回は、8種類のスモークチップを用意し、そのうち4種類を実際に試してみました。こちらの記事(https://www.bepal.net/diy/80883)で紹介した燻製方法の中の「熱燻」で、チップの香りを比べていきます。熱燻は短時間の燻煙で食材を燻すだけなので、気軽にチップを比較したいときには向いている手法でしょう。用意したスモークチップと、その特徴は以下の通りです。
この8種類以外にも、ヒノキやハンノキ、ブドウなどのスモークチップも存在しています。そのほか、いくつかの木材を混ぜたブレンドチップも定番です。
ウズラのゆで卵で燻し比べ!
さっそく実践してみましょう。燻した時間は20分ほど。試したチップ、食材、出来上がりの順に紹介します。全てのチップにウズラのゆで卵が入っているのは、色付きを比較するためです。さて、どうなったでしょう。
サクラ
市販のサラダチキンとウズラのゆで卵を燻しました。
定番といわれるだけに、食べてみると、馴染みのある香りが広がります。飽きがこない、バランスが取れたチップだと感じました。香り自体は割と強いので、食材そのものに匂いがあるようなものに向いています。サバ愛好家の私としては、ぜひサバを試したいですね。
リンゴ
鶏肉や魚肉が合うということなので、こちらもサラダチキンとウズラのゆで卵を使用。
甘くてマイルドと表されるようですが、私はフルーティーな酸味のような香りを感じました。嫌いという人はいないでしょうが、好みは分かれそう。燻し比べにピッタリですね。
ナラ
はんぺんを採用(もちろんウズラも)。密かに最も期待していた食材です。
今回試したチップの中では、香りにもっとも柔らかさを感じました。はんぺんの柔らかさを差し引いてなお、ナラの香りは優しいですね。はんぺんとの相性も良くおすすめです!
ブナ
ベーコンとウズラの卵を燻しました。
香りはブナ森そのもの。自然を食しているという気分になります。ヨーロッパの方々は、シカやイノシシのベーコンをブナで作って、森にたたずむ一頭の獣を想像しているのではないか、と勝手に想像してしまうほどです。さらに、ベーコンの脂の甘みが上品になりました。私の中で定番になりそうです。
ウズラの卵の色づきですが、どうでしょう。左から、サクラ、リンゴ、ナラ、ブナの順です。さほど変わらないようにも見えますね。ナラは色付きが強いとよく目にしましたが、今回の比較では最も淡い色でした。燻製器内に置いた場所の関係かもしれないですね。