長野県軽井沢町・御代田町・群馬県吾妻郡嬬恋村にまたがる浅間山とその周辺も、大地の力強さを感じることができる活火山です。幾度の噴火、爆発が重ねられてつくられた美しい絶景を楽しむことができます。
しかし、今では山腹から頂上にかけては噴火警戒による立ち入り禁止措置が敷かれています。そのため、浅間山近辺が大爆発を起こしてできあがった、外輪山へ登る人が多い現状です。
「黒斑山(くろふやま)」は、立ち入り禁止となっている浅間山の外輪山にあたります。浅間山の迫力ある山体や噴火および山体崩壊跡が見られる、景観に優れた山です。
今回は、そんな黒斑山について紹介していきます。成り立ちや浅間山の歴史についても触れますので、どうぞ最後までお付き合いください。
黒斑山とは?
黒斑山は、長野県小諸市と群馬県吾妻郡嬬恋村に位置する、標高2,404mの山です。黒斑山を目指す登山客は、ここから見える浅間山の堂々たる姿や、高低差のある絶壁が生み出す絶景を求めにきています。景色に優れた山で、実際に多くの登山客が今日も黒斑山を目指しています。
コースの難易度は?
登山口にあたる車坂峠の高峰高原ビジターセンター駐車場から、「トーミの頭」と呼ばれる絶壁の上を通過し、黒斑山に至ります。駐車場から黒斑山までを単純に往復するピストンコースであれば、片道1時間40分程度、往復で2時間20分程度です。
しかし、絶景を生み出す絶壁の上を通過する危険な箇所もあり、歩行技術や体力のない方にはおすすめしません。足腰の筋力やバランス能力に不安がある状態では、登りたくない場所です。
さらに、黒斑山からさらに先へすすみ、「jバンド」と呼ばれる難所を通過する周回コースも存在します。jバンドは絶壁に思えるほどの傾斜を下る場所となるうえ、コースタイムも周回で6時間ほどになりますので、コース選びには注意が必要です。
すさまじい噴火の歴史と黒斑山のなりたち
浅間山の西側に外輪山として存在する黒斑山ですが、もともと一つの山であったとされています。
黒斑火山がおよそ10万年まえから火山活動を開始し、標高2,800mまで成長しました。すくすく育った黒斑火山ですが、およそ2万4千年前に大爆発を起こしました。
その大爆発により、火山の東側半分が完全に崩れ落ちてしまいました。現在の黒斑山は残った西側にあたるため、私たちは大爆発の跡地を登るかたちになるのです。
しばらく活動を休止したあと、およそ2万年前に再び噴火が繰り返しおこり、新しい火山が誕生しました。それが浅間山です。
こうして浅間山と黒斑山の関係が築かれたのです。
感動!黒斑山の魅力は絶壁が生み出す絶景
ここまで黒斑山の基本的な情報を紹介しましたが、ここからは黒斑山と浅間山が創り出す絶景を紹介していきます。危険と思われる絶壁の上を通るコースも、進めば高低差のある絶景を見ることができるので頑張りがいがあります。
浅間山を正面に
登山口から黒斑山へ行くには、トーミの頭と呼ばれるピークを通過します。このトーミの頭での景色は、まさに絶景と呼べるものです。爆発でできた崩壊跡の上に直接立つその場所は、恐怖さえ覚える高低差ですが、これが浅間山を何も邪魔が入らないように見ることができる絶景スポットを作り出しています。
トーミの頭から正面にみる浅間山は、感動を覚えるほどの大迫力です。ぜひとも拝んでほしい絶景が、ここにあります。
迫力のある崩壊跡
大爆発によってできたこの黒斑山ですが、その崩壊跡はやはり迫力があります。先述したトーミの頭から見る崩壊跡は、地球の偉大な力を垣間見ることができる景色です。
また、黒斑山の山頂を通過して少し先にいくと、蛇骨岳というピークに至ります。ここも、トーミの頭や黒斑山頂上方面の崩壊跡を拝める絶景スポットとなっています。
蛇骨岳の先には先述したjバンドが待っていますが、このあたりで引き返すピストンコースも筆者はおすすめです。
大地の力強さと絶景を感じに行こう!
残念ながら立ち入り禁止となっている浅間山ですが、その近辺には大変優れた絶景を提供してくれる黒斑山が存在しています。黒斑山やトーミの頭、蛇骨岳からみる絶景はなにものにも代えがたい、感動を覚えるほど美しいものです。
危険な箇所もあるコースですが、しっかりと情報収集と準備を行いぜひとも登ってほしい山です。