タイダイ染めとはいったい何?
そもそも、タイダイ染めとは何なのでしょうか。初めて聞く人に向けて、タイダイ染めの意味を解説します。
生地を絞って服を染める方法
タイダイ染めとは、生地を絞って染めることで服を装飾する方法です。『タイダイ』は、英語の『Tie(縛る)』と『Dye(染める)』から成る言葉です。
部分ごとに異なる染料を染み込ませることで、カラフルなTシャツが作れます。上手にできればグラデーションなどのおしゃれな表現も可能で、生地の縛り方や色の使い方には個人のセンスが表れるでしょう。
タイダイ染めは、世界で1枚だけのTシャツを作れるだけでなく、染める作業や服を広げるときのワクワク感も楽しみの一つです。夏に向けて、子どもと一緒にタイダイ染めにチャレンジしてみましょう。
タイダイ染めの代表的な模様
タイダイ染めの模様には、さまざまな種類があります。数ある模様の中でも、代表的なものを四つピックアップして紹介します。
まだら模様
まだら模様は、テクニックいらずで作れる模様なので、初めてタイダイ染めに挑戦する人におすすめです。模様を付けたい部分を輪ゴムで縛り、その外側を染めましょう。
初めにTシャツ全体を染めてから生地を絞り、別の色で染める方法もあります。縛る場所や数、染料の使い方によって表情が大きく変わるのが特徴で、シンプルながらも奥が深い方法といえるでしょう。
ゴムで縛らず、染めたい場所にそのまま染料を塗ると、マーブル模様になります。どちらも子どもでも挑戦しやすいので、基本の形として知っておきましょう。
じゃばら模様
じゃばら模様とは、生地全体に直線的で色のある部分・ない部分が交互に現れる模様です。複数の色を使ってグラデーションを表現しやすく、きれいに仕上がるとおしゃれなTシャツが完成します。
Tシャツの縛り方に少々コツがいるため、他の模様に比べると難易度は高めでしょう。やり方は、Tシャツを山折りと谷折りを交互に繰り返して畳み、その上から染料を塗ります。
ポイントは、Tシャツが崩れないようにしっかり固定することと、袖の端まで折り畳むことです。グラデーションを表現したいときは、色の分け目ごとに輪ゴムで縛り、目印にするとよいでしょう。
豆縛り模様
豆縛り模様は、円形の模様で和柄の一つでもあります。輪ゴムで生地を絞り、その上から染料をかけるだけなので、初心者でも挑戦しやすい模様です。
輪ゴムで縛った場所が染まらないことで円形の模様が現れるため、輪ゴムできつく絞るのがポイントです。輪ゴムを二重にしたり、大きさを変えたりすることで、さまざまなアレンジができます。
春や夏にマッチする模様で、タイダイ染めが未経験の人におすすめな模様の一つです。
サークル模様
サークル模様とは、Tシャツの中心から円形に色が広がっていくような模様です。中心を支点にTシャツをひねって円形に縛り、輪ゴムできつく縛った後に染料を塗っていきます。
きれいな円形を作るには慣れが必要なため、ある程度タイダイ染めをやったことのある人におすすめです。複数の色で染めたいときは、Tシャツをホールケーキに見たて、6等分や8等分にする要領で三角形に染めるときれいに仕上がります。
難易度は高めですが、タイダイ染めを象徴する模様であるため、よりオリジナル感を出したい人はチャレンジしてみましょう。
自宅でタイダイ染めをするための準備
タイダイ染めは、自宅でも気軽に挑戦できます。自宅でタイダイ染めをするにあたって、準備するものとベースとなる染料液の作り方を解説するので、参考にしながら準備を進めましょう。
準備するもの
染料キットは新たに買う必要がありますが、タイダイ染めに必要なもののほとんどは自宅にあるもので用意できます。準備すべき具体的なアイテムは、以下の通りです。
- 染める服
- 染料キット
- 輪ゴム
- レジャーシート
- ゴム手袋
- ビニール袋
- ドレッシングボトル
- 塩
- 洗剤
- バケツ
- お湯
- ワイヤーネット
ベースとなる服は、染料が定着しやすいよう綿100%や麻・レーヨンの素材がおすすめです。ドレッシングボトルは、染料をかけるときに使います。100円均一ショップでも売っているので、新たに買う場合は口が細いものを買いましょう。
塩の入ったお湯は定着剤になり、Tシャツを浸けると染料が抜けにくくなります。加えて、作業場所周辺や自分の体が汚れないよう、レジャーシートやゴム手袋なども用意しておきましょう。
染料液の作り方
染料液を作る方法は、染料とお湯を混ぜるだけです。染料1gに対してお湯100mLを目安に、濃くしたいならお湯を減らし、薄くしたいならお湯の量を増やしましょう。
大人サイズのTシャツを1枚染めるには、約100mLの染料液が必要です。何回か作ってみて、自分の好みの濃さを探してみましょう。
染料液ができたら、ドレッシングボトルに移し替えます。染料液がこぼれないよう、漏斗(ろうと)を使うと便利です。
自宅でタイダイ染めをする方法
準備するものと染料液を用意できたら、いよいよタイダイ染めを行っていきましょう。自宅でタイダイ染めをする方法を、3ステップに分けて解説します。
服を輪ゴムで固定し固着液に浸ける
下準備として、Tシャツを洗濯して脱水し、ぬれた状態にしておきます。どのような模様にするか決めたら、服をねじって輪ゴムで固定しましょう。
このとき、形が崩れないようしっかりと縛るのがポイントです。ゴムで縛ったら、塩とお湯で固着液を作り、服を入れて15~30分程度寝かせます。お湯の温度は40~60℃が適切です。
固着液については、塩の代わりにソーダ灰を使っても問題ありません。
染料を塗って寝かせる
いよいよ染料を塗っていきます。作りたい模様に合わせて、ドレッシングボトルで染料を塗布しましょう。
このとき、バケツ・トレーを下に敷き、さらにワイヤーネットの上に服を乗せることが大切です。バケツ・トレーを下に置いておけば、染料がこぼれたり滴り落ちたりしたときに床を汚しません。
染料を塗り終わったら、服をビニール袋に入れて24時間程度寝かせましょう。寝かせる際は、日光の当たらない平らな場所に置いておくのがポイントです。
すすいで色止めをする
約24時間後、まずは余分な染料を落とすために輪ゴムを付けたまま水ですすぎます。染料が流れなくなるまで揉み洗いをしたら、輪ゴムを外して服を広げましょう。このタイミングで、どのようなデザインになったのかが分かります。
広げた服を中性洗剤で洗ったら、仕上げとして行うのが「色止め」という作業です。最初の手順と同様に、塩またはソーダ灰で固着液を作り、30分程度服を浸けて寝かせます。最後にもう一度水洗いをして、日陰で乾かしたらタイダイ染めの完成です。
まとめ
タイダイ染めは、自宅でも簡単に挑戦でき、世界に1枚だけのシャツを作れます。基本的なやり方は、Tシャツをゴムで縛り染料を塗っていくだけなので、子どもでも挑戦できるでしょう。
表現できる模様は多岐にわたり、まだら模様や豆縛り模様は初心者でもチャレンジしやすいのでおすすめです。タイダイ染めに必要な道具も、家にあるものや100円均一ショップでそろえられるものばかりです。
春や夏に向けてオリジナルのTシャツを作りたい人は、ぜひタイダイ染めをやってみましょう。