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大人気ブランド「モンベル(mont-bell)」の魅力
世界にその名を轟かせる日本生まれの総合アウトドアメーカー
1975年、辰野勇氏は28歳にしてモンベルを設立。"Function is Beauty(R)"(機能美)と"Light&Fast(R)"(軽量と迅速。製品が軽量であればそれだけ迅速に行動でき、天候悪化や危険なエリアを早く抜けることができる)をコンセプトに商品開発を行なっている。
ラインナップはウェアから登山靴、テント、寝袋、カヤックまで。ここまで幅広く展開しているブランドは世界でも稀だ。数多いアイテムの中、最初のヒット商品は多雨多湿で寒暖差が激しい日本の気候に合った寝袋とレインウェアだった。このふたつは、今も同社の顔といえる存在で、充実のラインナップを誇る。
国内直営店は125店舗。商品を販売するだけでなく、使い方や遊び方、宿泊から保険まで幅広くサポートしてくれるのも魅力。近年は地方との関係を深め、アウトドアを通じた地域活性化に取り組み、地方自治体や企業、教育機関などと包括連携協定を締結することで、地域の魅力発信、自然体験やエコツーリズムの促進など、多方面で提案している。
一番大きな店舗は奈良店。床面積740坪、取扱商品数25,000点のモンベルストアとベルサイドカフェの2棟からなる。
2024年4月、鳥取県大山町に「モンベル」が手掛けるキャンプ場「モンベル 大山キャンプサイト」が新たにオープン。
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独自素材使用の軽量タープ「L.W.タープ ワイド」
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L.W.タープ ワイド
モンベルが独自に開発した新素材「バリスティック(R)ナイロン」を使用した軽量タープ。トレッキングポールなどでも設営できるループが付いており、状況に合わせた設営が可能。ポールは別売り。
●サイズ:340×280cm
●重量:440g(ペグ、スタッフバッグを含む総重量:650g)
●素材:20D・バリスティックRナイロン・リップストップ
●付属品:反射材入り3mm張り綱(6m二又×2本、1.5m×4本)、ペグ×8本
居住空間が広い長方形型で、5~6人での使用に適した広々サイズながら、440gと超軽量。両サイドには10か所のループがあり、さまざまなスタイルで設営が可能。
紡糸の過程で延伸加工を施すことで、従来のナイロンに比べ約2倍の強度を持たせることを可能にし、軽量性と耐久性を両立。保水しにくく伸びにくいので、生地の垂れ下がりが少なくハリを保つことができる。
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オプションの使い勝手も◎大型タープ「ビッグタープHX」
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ビッグタープHX
ファミリーやグループでのキャンプでゆったりすごせる、480cm×500cmの大型タープ。色の変更や撥水性の向上など、機能をブラッシュアップしながら、20年以上愛されきた。別売りの「ビッグタープ オプショナルルーム」を使用すると、寝室を装着しつつ、キャノピー部分は、チェアを置けるほどの広さを確保できる。
ビッグタープ+オプショナルルームの使い心地をチェック!
タープに付いているリングに張り綱を通してから、タープを建てる。この張り綱のトグルを、オプショナルルーム天頂部のリングに引っかけて吊るす。張り綱の自在金具を調整することで、タープとオプショナルルームの空間を調整できるというわけだ。
あとは、タープのサイドに付いているリングにトグルを掛け、オプショナルルームを装着し、ボトム5カ所をペグダウンするだけ。
サイドのトグルは片側4カ所ずつで、風が強い日などはオプショナルルームをタープの中心付近にずらすことで、雨の吹き込みを抑えられるのだ。これはうれしい配慮。
オプショナルルームのフロアサイズは、400×160cm。大人4人がのびのび横になれるサイズだ。
試しにヘリノックス の「チェアゼロ」を入れてみた。チェアゼロは高さ64cm。立ち上がり部分とほぼ同じくらいの高さということがわかる。
フロアはバスタブ形状で、雨にも強い仕組み。後ろ側のメッシュは縫い付けられており、出入りはできない。外側のパネルは大きく広げて巻き上げ可能なので、風通しは問題なし!
ドアパネルは、モンベルの「ムーンライトテント」を思わせる直線的なジッパー。タブがすべて同色なので、メッシュ用のタブは、細いロープを結びつけたりして色分けしてもいいかもしれない。
オプショナルルームは2.7kg(総重量3.17kg)。これで4人用の寝室を確保できるのはありがたい。
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キャンプ道具の大定番。モンベルの「ビッグタープHX」が新しくなった!
軽量コンパクトがうれしい「ミニタープHX」
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ミニタープHX
居住空間に余裕があり、比較的風に強い六角形デザインの小型タープ。自転車やオートバイのソロツーリングなど、できるだけ荷物を軽くしたいときにおすすめだ。軽量のアルミペグとスタッフバッグが付属する。
●サイズ:338×280cm
●重量:640g(ペグ、張り綱、スタッフバッグを含む総重量:870g)
●素材:75デニール・ポリエステル・タフタ
●付属品:反射材入り2mm張り綱6本、19cmアルミペグ8本 ※ポールは別売
通常のタープよりも小さく、ポールが別売りとなるミニタープは、軽量でコンパクトな収納が可能。ソロキャンプやツーリングには最適のアイテムだ。ミニタープながら、横幅は338cmと、小型テントと組み合わせて設営すれば十分なキッチンスペースや前室を作ることが可能。
ポールとタープの接合部には、生地に負担がかかりにくいステンレス金具が使用されている。また、縫製位置を上下でずらしてテンションを分散し、耐久性を高める工夫も。生地には難燃加工が施されており、火の粉が当たっても自己消火し、燃え広がりにくいため、安心だ。
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mont-bell (モンベル) / ミニタープHX
設営カンタン!アレンジで幅広く使える「マルチシェード」
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マルチシェード
一人でも設営できる、軽量&コンパクトなタープ。A型フレームにフライを被せて組み立てる自立型。2本のひさし用ポールで片方のパネルを跳ね上げられる。リビングにもなり、使える幅が広い。立て方次第でシェルターになったり、アレンジ自在。換気用メッシュ窓も付いている。S、M、Lの展開がある。(※リンク先はSサイズ)
●サイズ:約220×150×H130cm
●収容サイズ:直径20×50cm
●重量:約3.6kg
●素材:本体/68デニール・ポリエステル・リップストップ(耐水圧1,500mmウレタン・コーティング、難燃加工)、ポール/アルミニウム合金
アレンジ自在!「マルチシェード」の使い方をレビュー
フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドア、旅行で、ときどきキャンピングカーや料理の記事を書いています。https://twitter.com/utahiro7
跳ね上げればタープ、全閉するとシェルターになる「マルチシェード」。S、M、Lはサイズこそ違うが基本構成は同じで、もっとも大きなLサイズであってもひとりで簡単に設営できるのが特徴だ。
ムーンライトテントの技術がそこかしこに
全閉状態は、まるで2本のポールで幕を突き上げているよう。けれども「ムーンライトテント」でおなじみのA型フレームに幕をかぶせている。これが簡単設営の秘密だ。
フロアがないシェルターなので、フロアテープを広げて四隅のグロメットにフレームを差し込む。
フレームの端っこがくびれたマッシュルーム型エンドチップ。このおかげでフレームを持ち上げてもフロアテープが外れることはない。
組み立てている途中で「石が邪魔」「日差しが気になる」など場所を移動したくなることがあるだろう。そんなときでもひとりでフレームを持ち上げて移動できるのが便利。
「マルチシェード」では旧モデルの「ムーンライトテント」とよく似たジョイントパーツを採用している。樹脂製ではなくアルミ合金で、軽くて耐久性もありそう。
あとは幕をかければ8割完成となるが、この幕の留め方も「ムーンライトテント」と同じオートテンショニング・フライを採用している。ゴムの力で幕に適切なテンションがかかり、仕上がりが美しくなるというアレ。
フレームにはゴム製コードと同じ色の細いロープが2本通されているので紛らわしいが、フロアテープに取り付けられたゴム製コードに幕のフックを引っかけるのが正解だ。
最後にフロアテープの四隅と張り綱で「マルチシェード」をしっかり固定すれば完成だ。
「ムーンライト」の名を冠していないのが不思議なほど「マルチシェード」には「ムーンライトテント」のエッセンスが注ぎ込まれており、一度でも「ムーンライトテント」を設営したことがあれば難なくできるし、そうでなくても直感的に正解にたどり着くだろう。
地面が硬かったのでペグを打ち込むことに苦労したが、「マルチシェードS」の完成まで10分もあれば十分。もっとも大きな「L」ですら15分ほどで設営できた。
ソロでもLが候補になり得る
「マルチシェード」にはS、M、Lの3サイズがラインナップされている。
モンベルオンラインショップの写真では、Sにはコットとテーブル、LはSのほぼ倍でコット1台と4脚のチェアが収められている。ソロキャンプならS、ソロでもゆったりしたい人やデュオキャンプにはM、ファミキャンはLが妥当な選び方なのだろう。
ためしにSとLに、コット、テーブル、チェア1脚、コンテナボックスとクーラーボックスを置いてサイズ感を比べてみた。
Sはちょうどいいように見えるが、コット以外のファニチャーは跳ね上げたキャノピーの下にある。フルクローズで眠るなら道具を外に出しっぱなしにするか、クルマ利用なら車内に入れるしかない。
もっともコットの周囲にはバックパックやコンテナボックスを置く余裕があるし、ハイコットにすればその下に荷物を置ける。
「ムーンライトテント2」のインナーテントが150×220×H110cmだと考えれば、徒歩やバイクなどコンパクトな道具でそろえている人には十分な広さ。
一方、Lはゆったりしていて自転車やパックラフトなどを置く余裕もある。ただ、冬キャンプではLをソロ利用すると寒々しく感じるかも。それもそのはず、「ムーンライトテント4」(260×260×H170cm)よりも断然広い。
それならと「クロノスドーム2」を入れたカンガルースタイルにしてみた。
Aフレームはポールが邪魔にならず、「クロノスドーム2」(230×130×H105cm)がピタッと収まり、テーブルとチェアを置く余裕もある。
Lの重量(総重量7.7kg)と「クロノスドーム2」を組み合わせれば10kgほどになり、S(総重量3.6kg)の3倍近い重量となる。かなり重く感じるが、幕、フレーム、テントそれぞれが軽いので設営が簡単だし、2ルームテント風に使えるのはかなりのアドバンテージ。秋冬のキャンプに使うならソロでもLが狙い目だ。
ちなみにスペックだけを見れば「クロノスドーム4」(240×210×H125cm)も入りそうだが、半分以上がテントで埋まるのでわざわざ組み合わせるよりも分けて設営するほうが現実的。
設営バリエにはポールと張り綱が必要
モンベルのオンラインショップでは「マルチシェード」は「タープ」のカテゴリに分類され、説明文でも「半自立式タープ」とある。
A型フレームをメインポールとして前後のパネルをポールで高く跳ね上げれば開放的なタープとなるのだが、付属のポールは2本(Lは3本)だけ。バリエを楽しむなら張り綱とポールを用意しておこう。
石の多い硬い地面では心許ないが、シェルター利用なら自立するのでなんとかなる。タープにしてもほぼ自立しているが、風に煽られると大変なので長めのペグも用意しておきたいところ。
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mont-bell(モンベル)/マルチシェードS
▼参考記事
モンベルの新作「マルチシェード」は冬のソロキャンならLがいいかも!
大空間の自立式タープ「ソレイユ スクリーン」
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ソレイユ スクリーン
家族や仲間で集うのに最適な4~6人用の自立式タープ。ドーム式ながら、立体的に設計された5本のポールの形状により壁面がほぼ垂直に立ち上がり、広々とした大空間を実現している。
●サイズ:390×400cm
●重量:10.7kg(ペグ、張り綱、スタッフバッグを含む総重量:11.6kg)
●素材:75D ポリエステル タフタ
●付属品:ペグ×20、ロープ×6本
天頂部と側面でポールの固定方法を使い分け、少人数でも素早い設営・撤収が可能。対応するポールとポール受けのカラーが同じなため、スムーズに組み立てられる。虫や隙間風を防ぐマッドスカート付き。
別売りのインナールームをソレイユ スクリーン内部に取り付ければ、4名まで寝ることができ、長さ190cmのコットを2台入れることも可能。また、ハーフサイズの「ソレイユ スクリーンハーフインナールーム 」を使用すれば、ソレイユスクリーン内部の半分に2名まで寝られる居住空間に、残りの半分のスペースに荷物置き場にすることができる。