卒業旅行に選んだのは、博多湾を見渡せる国営公園!
私たちが行ってきました
「BE-PAL」編集 ブッシュ早坂と長女 沙也葉(小6・取材時点)
バックパックでシンプルかつ自由度の高い旅を満喫
娘のキャンプデビューは1歳。小2のときに家族みんなでバックパックを担いで渡英し、イギリスでキャンプした経験も。立派なアウトドアガールに育ちました。
春はあけぼの。日の出とともに白くなりゆく山際のように、光に満ちた新しい生活が始まる。子供の成長はあっという間で、本誌やウェブでも度々登場してきた私、ブッシュ早坂の長女、沙也葉は、4月から中学生になりました。
「部活で忙しくなるだろうな。一緒にキャンプ行く回数も減るのかな……」という、センチメンタルな父は、娘との卒業旅行を計画。選んだのは福岡市にある『泊まれる公園 INN THE PARK 福岡(以下、インザパーク福岡)』だ。
DAY 1
公共交通機関を乗り継いで東京から現地まで約3時間半!
羽田空港→飛行機 2 hour→福岡空港→電車 5 min→博多駅→バス 20 min→博多港→船 20 min→海の中道海浜公園→徒歩 35 min (公園内バスもあるよ!)→INN THE PARK福岡!
泊まれる公園 INN THE PARK 福岡へ
東京・羽田空港から飛行機、電車、バスを乗り継いで3時間半。船まで乗っちゃう目的地は、面積約350ヘクタールの国営公園『海の中道海浜公園』内にある。博多の街からほど近く、アクセスも良好。各種公共交通機関を乗り継いで行けるので、手軽なバックパック旅でもOKだ。
しかもインザパーク福岡には常設テントやレストランもある。その気になれば手ぶらでもいけちゃうほど充実した施設なのだ。「仕事で博多に来たとき、ビジネスホテルの代わりにこのキャンプ場でもいいな」そう思うブッシュだった。
お風呂は?
炊事場は?
トイレは?
旅の行程を一部ご紹介
今回利用したのは博多湾に隣接したキャンプサイト。目の前に海が広がり、昼はブルーオーシャンビュー、夜は博多の夜景を望める絶景ポイントだ。チェックイン開始の13時に受け付けしたら、さっそく設営開始。全面芝生のフィールドはしっかりと手入れが行き届いていて、テントを張ってそのまま寝転がりたくなるほど気持ちいい~。
父がごろごろしているのを尻目に、娘はテキパキと設営していく。何なら「お父さんいらない」とのこと。子供の成長を目を細めながら眺めるって、素敵なアウトドア旅だな~としみじみ。
設営後は周辺を散策しつつ、ちょっと足を延ばして買い物へ。とはいえ、とにかく公園内が広いから、これだけであっという間に時間が過ぎてしまう。初日からとことん遊びたい! という人は、事前に食材を準備しておこう。もしくは先に博多の街を観光して食材も買って、受け付け終了時間の16時までにチェックイン、という手もありだ。
早速キャンプを楽しむぞー!
1 まずは設営
2 地元のスーパーへ
3 焚き火スタート
テントサイトに戻り、焚き火をおこして晩ごはんの準備を始める。地元のスーパーで調達した食材はどれも新鮮な地のものばかり。肉や野菜のほかに、九州ならではの甘い醤油や麦みそなども仕入れて“その土地の味”を味わう。今回は親子ふたり、かつ、バックパックなので調理道具もシンプルに。焚き火で肉を焼き、大小メスティンで、野菜を炒めたり米を炊いたり。美味しいごはんに舌鼓を打っていると、いつしか日も落ち、対岸では煌びやかな街の明かりが博多の夜を彩り始めていた。
まるで宝石箱のような夜景。「家よりも、ちゃんと話せました(父)」
父がインザパーク福岡から見渡す博多湾の夜景を「まるで100万ドルのよう」と酔いしれている間、娘は「あの光は福岡タワーでしょー。で、こっちはペイペイドーム」と、旅に出る前に予習してきた建物を確認中。その健気さに、胸がいっぱいになる。焚き火を前にして、小学校の思い出や、これから始まる中学校生活について話すふたり。いつしか夜も更けていき、それぞれテントに入っていった。
4 父の手料理
ちょっと焦げた地鶏のもも肉焼き
5 テントは別々です
2日目であり、もう最終日。夕方の飛行機で帰京するので残された時間は短い。このキャンプ場はチェックアウトフリーで、11時までに撤収完了していればOKだ。朝食もそこそこにテントをお片付け。公園内をレンタサイクルで移動して“やりたいことリスト”を片っ端からクリアしていく。乗馬をはじめ、各種動物とのふれあいを楽しみ、フラワースポット巡りまで欲張っちゃう。極めつきは大型アスレチックも! まさに駆け足だ。
「ハァハァ…」。息も絶え絶えになるほど遊びつくしたふたり。海の中道海浜公園をぜんぶ楽しむには、2泊3日はかかりそう。国営公園内にある絶景キャンプ場は、アウトドアアクティビティーや自然観察のポテンシャルも、非常に高い場所だった。
楽しい時間はあっという間だが、人生は長い。娘よ、中学の卒業旅行はどこに行く?
DAY 2
せっかくの海の中道海浜公園ならば、遊ばにゃ損々! 前の日から目をつけておいたエリア&スポットに、レンタサイクルでゴー! それでも時間が足りないよ~。
サイクリング
3時間券 (3~5月、9~10月)大人600円、中学生以下400円
一日券 (6~8月、11~2月)大人500円、中学生以下300円
乗馬体験
ハーフトレイルライド約30分:ひとり乗り7,500円(小学1年生~)、ふたり乗り9,500円(未就学児と大人)
問い合わせ先:ココペリ ウエスタンライディング https://kokopelli-horse.com/uminaka/
動物とのふれあい
約50種類の動物が暮らすエリアでは、餌やり体験をしたり膝の上に抱っこしたり(動物による)。貴重なふれあいが楽しめる。
大型遊具が楽しい
公園内には大小さまざまな遊具があり、汗をかくほど思いっきり遊べちゃう。また、92種類のアスレチックアイテムを配した「シー・ドラグーン」(有料)も人気だ。
四季折々の花も!
公園内には四季折々の花を楽しめるエリアがいくつもある。写真は屋根のない花の美術館をテーマにしたフラワーミュージアムにて。
遊びつくした1泊2日、娘と父の卒業旅行~完
駆け足で巡った2日間。"朝起きても公園にいる"のが、うれしかったそう。最後はくたくたになって、飛行機ではよく眠れました。こんなキャンプもいいじゃない。
今回持ち込んだキャンプ道具はコチラ!
父
❶ヘリノックスのチェアとテーブルふたり分
❷ミニマルワークスのシェルターとマウンテンハードウェアのテント
❸イスカのシュラフとクライミットのエアーマット
❹調理ギアとライト類
❺ウルフ&グリズリーの焚き火台セットとグローブ
❻モンベルの100ℓアルパインパックとカッティングボード
娘
❶ビッグアグネスのソロテント
❷父と同じ寝袋とマット。人形はネックピロー
❸グローブとバードコール
❹漫画とお絵描き帳
❺化粧ポーチ
❻水筒
❼カリマーのバックパックdale 28 Small
※構成/早坂英之(編集部) 撮影/齋藤剛志
(BE-PAL 2024年5月号より)