前身は布団メーカーだったNANGAでは、2021年には寝具レーベル「GOOD SLEEPING」をスタートするなど、アウトドアシーンに限らない寝心地へのこだわりのアイテムを展開しています。今回そのフルラインナップを取り扱うリアルショップに伺ってきました。
布団の寝心地を心置きなく体験できるリアルショップ
昨年の京都と仙台に続き、今年3月にも横浜で10軒目となる直営店をオープンしたNANGA。NANGAの実店舗では、主にダウンジャケットなどのアパレルを展開しています。
2022年に東京・原宿に出店した「NANGA SHOP HARAJUKU」ではベッドを設置し寝具を試せるようになっていますが、本格的にその魅力を知ってもらうべく、「町の布団屋さん」をコンセプトに碑文谷店をリニューアル。気軽に布団を体験できる店として生まれ変わりました。
車中泊でも便利な収納袋付きの羽毛布団
NANGAの前身は、布団メーカーの横田縫製。横田縫製が1970年代に家庭用布団で得た知見を活かして1988年に寝袋の縫製を開始。1994年にNANGAを設立し、寝袋に加えてダウンジャケットなどの生産にも着手し、現在のダウンメーカーへと成長しました。
そんな中、2021年には原点である家庭用寝具へとその技術を回帰。新しい寝具のレーベル「GOOD SLEEPING」を開始し、ダウンブランケットや羽毛布団、コットンブランケットなどを展開しはじめました。
NANGA広報の米澤創さんによると「東京都内の気温であれば、ダウンブランケットとダウンデュベがあればフィールドでも1年中過ごせます」とのこと。
店頭に並ぶダウンブランケットは、環境や好みに合わせて調整できるように開発されたもので、軽量ながら暖かいのが特徴。3シーズン使えるように作られており、洗濯も可能でとあってテント泊や車中泊でも便利に使えます。
ダウンデュベは羽毛布団シリーズのエントリーモデル。これ以外に、通常モデルの2/3の量のダウンを封入した「ダウンデュベ ミッドウェイト」、寝ている人の身体に沿うように設計された「ダウンデュベ デラックス(ペンタゴン)」、軽さと寝心地にこだわりながらも襟元のステッチを省いてコールドスポットの発生を抑制した「ダウンデュベ デラックス(トラペゾイド)」をラインナップしています。
実際に「ダウンデュベ デラックス(トラペゾイド)」で寝てみた
今回は「ダウンデュベ デラックス(トラペゾイド)」を体験してみました。こちらは軽さと寝心地にこだわったモデルで、大きな特徴は首元が台形ボックススキルト構造になっているところ。ステッチを首元のみ台形にすることによってダウンの偏りを防げ、温かさが逃げない仕様になっています。
実際に布団に入ってみると、ふんわりと軽いのに、しっかり暖かい。首元にはステッチが入っているので圧迫感があるのかと思いきや、まったく気になりませんでした。軽くてとても快適です。
なお、こんなボリュームがある布団ですが収納袋に入れてコンパクトに持ち運べることができます。まさに、普段使いはもちろん、アウトドアでも使えるユーティリティーなアイテムなのです。
メーカー問わず手持ちの布団を仕立て直す「Re:ACT」の店頭受付にも対応
もうひとつ、「町の布団屋さん」ならではのサービスが、羽毛布団の仕立て直しをしてくれる「Re:ACT(リアクト)」です。
「昔の羽毛布団は高価なものが多く、使わずに眠らせていたり、捨ててしまうのはもったいない。羽毛自体はだいたい100年持つといわれており、羽毛布団は外側を交換すれば半永久的に使い続けることができます。こちらでは製品の販売もしていますが、エコに羽毛を再活用できる『Re:ACT』を検討してみてください」(米澤さん)
なお、仕立て直しはNANGA以外の製品も受け付けており、「Re:ACT DOWN DUVET SINGLE」で2万7,500円。NANGAの羽毛布団と同じ綿100%サテンプリントを生地の中に詰め、専用の布団収納袋に入って戻ってきます。羽毛が足りない場合は、オプションで追加もできます。
羽毛布団をアウトドアシーンで使うという発想は驚きでしたが、NANGAが手掛ける製品なら確かに納得。
自宅に眠っている古い羽毛布団をアウトドア兼用に生まれ変わらせるのは、新たなアップサイクルといえそうです。
NANGA FUTON SHOP 〒152-0003 東京都目黒区碑文谷2-10‐21 ディアハイム碑文谷101 ☎03(6303)1688 営業時間:11:00-19:00
取材・文/北本祐子