それが、「サーモス」の真空断熱ケータイマグです。何度か買い替えながら、進化するサーモスのケータイマグを選ぶお気に入りの理由は、さりげないサーモスの職人技にあります。
サーモスの真空断熱ケータイマグの進化
「サーモス」史上最も売れている「真空断熱ケータイマグ(JNLシリーズ)」は、2024年4月時点で累計3000万本を突破している人気のケータイマグです。現在のようなワンタッチでオープンできる「真空断熱ケータイマグ(JMW-350)」は、2000年に登場しています。ワンタッチ・オープンのロックリングが、まだ金属製でした。
120周年記念のプレス発表会で、歴代のケータイマグが展示されていたため、念のため内側を確認してみましたが、当時はまだ内筒にラインを確認することができました。現在のJNLシリーズでは、すでに見えなくなっているラインです。ここが、筆者がこの商品を選ぶこだわりのポイントです。この内筒の滑らかさに魅せられて、サーモスを愛用しています。
魔法瓶の構造を確認
真空断熱ケータイマグの構造は、ホームページでも確認できますが、内筒と呼ばれる内側の筒と外筒の間の空間が真空状態になるという2層の筒によってできています。その内筒の内側が、飲み物を入れる部分、つまり飲料が直接触れる部分になります。
温度管理も大切ですが、カラダの中に入る飲み物を入れる部分が一番重要だと感じませんか。その部分を清潔に、安全に使い続けるためには、内側に凹凸がないことが望ましいと個人的に考えています。
飲み物を入れ、洗うということを繰り返したときに、洗いやすく、汚れが残りにくいからです。その考えのもと、水筒を購入するときに、容量、デザイン、色、そして内側をのぞいて確認するという習慣がいつの間にかついていました。
他社の内側の画像がこちらです。ステンレスを円筒にしたときに接着した部分が、縦のラインとして残っていることが確認できます。多少の凹凸ができ、使い続けると茶渋などがとれにくくなりそう。ちなみに塩素系漂白剤は使用不可です。
筆者が、このラインがないことを確認して購入したのが、2009年。そのケータイマグは、昨年、サーモスのリサイクルに出してしまい、現在、内側をお見せすることができないのですが、JNLシリーズが登場したのが2012年と考えると、その前からラインがなかったことになります。現在では、サーモス以外にも、内側のラインが見えないステンレスボトルもありますが、かなり前からこのクオリティ。この秘密を聞いてみました。
実は…ラインを消すことが目的ではなかった
内筒の内側にラインがないことについてサーモスに聞いてみたところ、
「実は、ラインを消すように磨きをかけているわけではないため、必ず見えないということではないんですよね。」(サーモス ブランド戦略課 広報グループ 西田拓矢さん)
という意外な答えが返ってきました。JNLシリーズは、持ち歩くことを想定し、とにかく軽量化を考えて作られています。ステンレスを円筒形状にした内筒の内側をより磨き上げることで、軽量化を実現しています。その加工を施す際の副次効果によってラインが消えたように見えているとのこと。
この美しい内筒は、軽量化の副産物だったとは驚きですが、そうなるとかなり早い時期から磨きの技術があったということになりますね。
真空断熱ケータイマグJNL-506は、約210gという重さで、500mL用の水筒としてはとても軽く感じました。飲み物自体に重さがあるため、ケータイマグ本体が軽いのはありがたいですね。
筆者にとってのサーモスケータイマグのお気に入りポイントが、メーカーとしてのこだわりではなく、副次効果だったことに驚きましたが、本来の技術の高さからくるもののため、今後も家族で愛用していきます。