クワガタが集まる木ってどんな木?
餌である「樹液」が出る樹木にクワガタはよく集まります。
樹液とは、昆虫や動物などによって傷つけられた樹皮から滲み出る液です。
維管束・乳管・樹脂道などから分泌される物質が混ざりあっており、樹種によって成分が異なります。
クワガタが好む樹液を出す代表的な樹木としては、クヌギ・コナラ・ヤナギなどが挙げられます。
クワガタが集まる王道の木
クワガタが好む樹液を出す2つの樹木を紹介します。
クヌギ
クヌギは、クワガタが集まる樹木のうちで最も有名だと言えるでしょう。クワガタだけでなくカブトムシ・オオスズメバチ・カミキリムシなどの様々な虫が集まります。
厚い樹皮に覆われてゴツゴツとしているのが特徴です。
クヌギは、先端が尖った細長い楕円形の葉をつけます。葉の縁はギザギザとしたノコギリ状です。
また、「オカメドングリ」と呼ばれる丸い木の実をつけます。
甘酸っぱいニオイがする濃厚な樹液を出しており、遠くから昆虫が集まると言われていますよ。
コナラ
コナラは、高さ約15m・幹径約80cmほどのブナ科の樹木です。クヌギと並んで雑木林を形成する主要な樹木です。
かつては、薪炭に使うために民家の近くで大量に植栽されていました。
縦方向に不規則に浅く割れた灰黒褐色の樹皮が特徴です。老樹になると灰白色になって深く割れます。
長さ約5~15cm・幅約5cmの葉をつけます。葉先に近い方が幅広になっている、先端が尖った楕円形の葉形が特徴です。
クヌギと同様、コナラの樹液もクワガタをはじめとする昆虫類の好物として知られています。
他にもこんな木にクワガタが集まる!
クヌギ・コナラ以外にもクワガタが集まる樹木があります。代表的な4種類の樹木を紹介します。
アラカシ
アラカシは、宮城・石川県以西〜沖縄の山野に生えている樹木です。高さ約20m・幹径60cmほどまで成長します。
浅いくぼみや皮目が目立つ暗灰色の樹皮です。クヌギのような大きな割れ目はできません。
長さ約5~13cm・幅約3~6cmの長楕円形の葉をつけます。葉の先端は急に尖り、上半分には大きくて鋭いギザギザがあります。
樹液はサラッとしており、クワガタやカブトなどの昆虫類が集まります。
ハルニレ
ハルニレは、高さ約25〜35m・幹径約1〜1.5mになるニレ科の樹木です。4〜5月頃に開花します。
樹皮は灰褐色であり、成長するにつれて割れ目が縦にできます。
長さ約3~12cm・幅約3~5cmの、縁のギザギザが目立つやや分厚い葉をつけます。葉の下半分が左右非対称で先端が尖っているのが特徴です。
大きく成長したハルニレからは樹液がよく出る傾向があります。
また、木のウロ(穴)ができやすいのが特徴です。木のウロに溜まった樹液には、オオクワガタ・ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタなど様々なクワガタが集まります。
クヌギ・コナラに匹敵するほどクワガタが集まりやすい樹木と言えるでしょう。
ヤナギ
ヤナギは、標高に関わらず幅広く分布している樹木です。山間部の川沿いや河川敷などの水辺に生えているのが特徴です。
ヤナギに分類される樹木は30種類ほどあります。クワガタがよく集まるのは、タチヤナギと言う種類です。
タチヤナギは、北海道〜九州に幅広く分布しています。高さ約3〜10m・幹径約10〜30cmになります。
枝が整然と伸びて生い茂るのが特徴です。樹皮は灰褐色で不規則にはがれます。
長さ約6~15cm・幅約2〜3.5cmの長楕円形の葉をつけます。
クワガタをはじめとする昆虫類が数多く集まるほど樹液が出ます。
シラカシ
シラカシは、福島県~新潟県以西の本州・四国・九州に広く分布しているブナ科の樹木です。
関東地方・中部地方では平野部や低山に多く、西日本では川沿いに多い傾向があります。
若いシラカシの幹は灰褐色で、割れ目はなく滑らかです。成長したシラカシの幹は灰黒色で、縦方向に刻まれた模様があらわれます。
成長したシラカシは、幹の色から「クロガシ」と呼ばれる場合もありますよ。
なおシラカシの葉の形状は個体差が大きな傾向があります。
クワガタが集まる木の特徴を覚えてクワガタを見つけよう!
今回紹介したように、クワガタが集まりやすい樹木は数多くあります。
それぞれの樹木の特徴を覚え、子供たちと一緒にクワガタを捕まえましょう。
クワガタだけではなくカブトムシも捕まえられるかもしれませんよ。