今号の『シェルパ斉藤の旅の自由型』に登場するトランスポーター、LIKE-T3は電気で動く先進の三輪車だ。
道路運送車両法では側車付軽二輪車とみなされるが、道路交通法では普通自動車とみなされる。そのためヘルメットを被る必要はなく、普通自動車免許で運転できるのにシートベルト着用義務もない。荷台には100kgもの荷物が積めて、二人乗りもできる。
電気で動くから排ガスもCO2も出さないエコカーであるが、エコノミーな乗り物でもある。
250ccのオートバイと同じ軽二輪車のナンバーがついているため、車検は不要。税金も任意保険も250ccのオートバイと同額で済む。充電に関しても特別な設備が必要ない。普通の100Vのコンセントを使って電気製品を扱う感覚で充電できるのだ。
フル充電にかかる時間は6時間。フル充電で60kmの走行が可能だ。移動距離を電気代に換算すれば、1kmがわずか1円。ガソリン1・が130円だとして、リッター130kmの燃費になる。
T3の運転はとても簡単。スイッチを入れてサイドブレーキを外し、ギアを前進か後進に入れてアクセルを踏むだけだ。
電気でモーターを動かすEVはアクセルを踏み込むとすぐに最大トルクを発揮するため、発進がスポーツカーなみに速いが、T3も同じ走りだ。アクセルを踏み込めばヒュイーンというモーター音とともに鋭くダッシュする。トルクが強いから、勾配のきつい坂でもグイグイと登っていく。
最高速度は50km程度だが、一般道では必要十分だ。原付スクーターよりも速く、交通の流れに乗れる。
新型リーフがアクセルペダルの戻し加減で制動の強弱を操作するスタイルを宣伝しているが、T3も同じ感覚だ。回生ブレーキになっていて、アクセルを戻すとブレーキがかかる。ブレーキペダルを踏まずに、アクセルペダルのみでスピードをコントロールできる。
ハンドルは飛行機の操縦桿みたいでかっこいいし、操縦席の正面に小さくレイアウトされたメーターのデザインもハンドルとマッチしている。スピードメーターや距離計以外に、バッテリー残量計や動力の使用状況を示すパワーメーターなど、実用的なデータを表示する。
なお、パッテリー残量計の一目盛りで10km走れるというのが、おおまかな目安だ。バッテリーが空になるまで使うのではなく、走ったら充電する、という習慣を身につけてこまめに充電を繰り返す。10km走った場合は1時間程度の充電で補填できる。
サイズは長さ2485mm、幅1075mm。
車両本体価格はシンプルなLタイプで\1,395,000。僕のT3はフロントスクリーン(\40,000)とワイパー付きのキャノピー(\150,000)を装備。フェイスカラーを特注色のスカイブルーでペイントした特別仕様モデルである。
http://www.mitsuoka-motor.com/lineup/like-t3/
動画でT3の小気味良い走りとキビキビした動きを見ていただきたい。
いずれはこのT3に乗って、かつて耕うん機でニッポン縦断した時のような旅に出るつもりだ。