そこで今回は、旅を共にした愛車の車内の様子を大公開!キッチンやバスルームなどをルームツアーしていきながらそれぞれの装備を解説していきます。気になるキャンピングカーの購入価格も紹介しますので、ヨーロッパ製キャンピングカーに興味がある方の参考になればうれしいです。
夫婦で中古キャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊中
私たち夫婦は世界を旅するという大きな夢を実現するために日本を旅立ち、ヨーロッパでキャンピングカー暮らしをスタートさせてから約1年半が経ちました。
今までイタリア、フランス、スロベニア、サンマリノと4カ国訪問して、魅力的な文化や景色、素敵な出会いをたくさん体験しました。そんな旅を共にした愛車がイタリアで中古で購入したキャンピングカーです。
希望のキャンピングカーを見つけるのはなかなか大変
いざ、イタリアに到着してキャンピングカー探しを始めたのですが、これがなかなか大変で希望通りのキャンピングカーを見つけるのにかなり苦戦しました。
新車のキャンピングカーの価格は60,000ユーロ〜(約1千12万円〜)と高額で手の出せない金額です。私たちは購入資金の都合上、中古のキャンピングカーを探すことにしました。
ヨーロッパで中古のキャンピングカーを探すとなると日本と同じく、ディーラーや中古車販売店、個人売買などの方法があります。
まずは、キャンピングカー専門の中古車販売店をいくつか訪問したのですが、値段が高かったり、あまり状態がよくなかったりで思い通りの車が見つからず、中古車販売店は諦めて出品台数の多いネットの個人売買で探すことにしました。
個人売買だとオーナーから直接購入するので値段も比較的安く、台数も多いので気に入った車を数台見つけることができました。しかし、状態の良い車は人気で、すぐに買い手がついてしまい、メッセージのやり取りもしていたのにあと一歩で先をこされる、といったことも多々ありました。
それでも数週間ネットで懲りずに探して、ようやく「これだ!」と思う車を見つけました。出品されて日も浅かったので先を越される前にすぐにメッセージでやり取りし、トントン拍子に話は進み、念願のキャンピングカー購入が実現しました。
旅行者で車は購入できるの?
ヨーロッパでは国によってルールは異なりますが、イタリアの場合は短期滞在の観光旅行者は車が購入できません。購入するには労働ビザなどの滞在許可があり、イタリアに住居登録している人に限ります。
私の場合は旦那がイタリアの国籍を持っているので、日本からイタリアへ移住したことでキャンピングカーの購入が可能になりました。
購入したキャンピングカーはこちら
購入したキャンピングカーはイタリア製のRoller Timer(ローラーチーム)のFiat Ducato、Granduca 255Pです。
2005年製と少し古いですが、購入時は走行距離が50,000kmほどと少なく、状態もすごく良かったので良い買い物をしたと思います。
車の大きさは全長6m70cm、全幅、2m20cm、高さ2m70cmです。日本では大型キャンピングカーの分類になりますが、ヨーロッパではこの大きさがポピュラーなようです。車の乗車人数は5人までで、4人寝れるダブルベッドが2つあります。車内も2人で過ごすには十分な広さで、長期の旅も快適に過ごすことが可能です。
気になるキャンピングカーの値段は?
ヨーロッパの中古キャンピングカーの値段はピンキリで、約8,000ユーロから60,000ユーロ(約130万円から1,000万円台)と値段もさまざまです。
私たちが購入したキャンピングカーの金額は25,000ユーロ(約423万円)!
2024年5月現在では円安、ユーロ高の影響で円に換算すると結構値が上がってしまいますが、購入当時は2022年で円もまだ安定していたので300万円台で購入できました。100万近くも差があるので、ユーロが高くなる前に状態も良く、理想通りのキャンピングカーが購入できて本当にラッキーです。
(※1ユーロ=168円で換算/2024年5月19日時点)
キャンピングカーの車内を紹介
入ってすぐ右側にリビング・ダイニング兼作業スペースがあります。運転席と助手席が回転式になっていて180度回転させて、広いリビングスペースを確保することができます。ソファ席も多く、6人が快適に座れます。そしてテーブルは伸長式になっていて、大きく広げられるのでとても便利です。
さらに、テーブルを下ろしてソファを広げると2人用のベッドに展開もできます。常設のベッドと合わせて計4人が就寝可能です。
日中はパソコン業務の作業用テーブルとして、そして食事の時間はダイニングテーブルとして使用します。もっとも滞在時間が多いのがこのエリアになります。
使い勝手抜群のキッチン
節約のためにも毎日自炊する予定だったので、キッチンは一番こだわった箇所です。とくに冷蔵庫はキャンピングカーにしては大きい150Lサイズで、たくさん買い込んで保存したり、お肉などもお得にまとめ買いして冷凍できるので気に入っています。
コンロも4口あり、シンクもちょうど良いサイズで収納も多く、使い勝手抜群で車内のキッチンとは思えないような広さです。さらに、オーブンまでついていますが、残念ながらオーブンはガスの消費が高いので、たまにしか使用していません。
シンク下はデットスペースをうまく利用した引き出し式の収納になっていて、上の段には調味料などを入れて、下には鍋などの調理機器を収納しています。
トイレ・バスルームも快適
バスルームはシャワールーム、トイレ、洗面台がそれぞれ独立しているのがお気に入りポイントです。よく、全部が一緒になっているタイプがあるんですが、それだとシャワーの水で便座や床が濡れてしまったりするのですが、これはその心配もなし。広々していて、シャワーもガスで暖めるので、気持ち良くお湯のシャワーが浴びれます。
トイレはカセット式で16Lの容量があり2~3日ほどで処理が必要です。車の外側から汚水が入っているカセットタンクを取り出して処理するタイプなので、車内を清潔に保てます。さらに、タンク内に専用の薬剤を入れることでニオイや色も除去してくれるので、まるで家庭のトイレのような感覚で使用可能です。
2人で寝るのに十分な広さのベッド
車の左奥がベッドスペースになっていて、そこに常設のダブルベッドがあります。大きさは200×130cmで2人で寝るには十分な大きさです。上の部分はすべて収納棚になっていて主に2人の衣類やタオルなどを収納しています。大きい窓が2つもあり、寝っ転がりながら外の絶景を見れる贅沢スペースとなっています。
キャンピングカーの装備
シャワーや水道で水を使うためのウォータータンクは150Lあり、約4日間持ちます。
冷蔵庫はガス、走行中の12V、外部AC電源の3通りで冷やすことが可能です。
電気は車のバッテリーのほかにサブバッテリー2つ、そしてソーラーパネルが付いているので、太陽からの自然や環境にも優しい再生可能エネルギーを利用してバッテリーを充電して使用しています。
RVパークに外部AC電源がある場合は、コンセントに接続して家庭と同じような電気を利用できます。
キャンピングカーにはボイラーがあり、ガスで水を沸かしてシャワーを浴びれるほか、ヒーターとして車内全体を暖めてくれるので必要不可欠です。
外側の収納
外側からトランクルームへアクセスでき、そこにはスーツケースのほか、キャンプテーブルやチェア、キャンプや登山などのアウトドア用品などを収納しています。けっこう広めでたくさん入るので便利です。
その隣の扉はガスボンベの収納になっていて、10Lのボンベ2つを収納できます。
まるで家のような快適さのキャンピングカーで1年半生活してみた
以上、ヨーロッパを周遊するために購入したキャンピングカーの紹介でした。
約1年半ここに住んでみて、想像していた以上に快適で自由なキャンピングカーライフを送ることができています。もちろん、家のように全てが揃っているわけではありませんが、あるもので工夫していきながらゆるーく各地を周りながらこの愛車で旅を続けていきたいと思います。