ランドゥムからさらに南東に進んでいくと、標高約4400メートルの峠、ペンジ・ラにさしかかります。ここから先は、ザンスカール。ラダックに隣接するもう1つのチベット文化圏です。
ペンジ・ラを越えて下り坂にさしかかると、突如目の前に、巨大なS字を描きながら横たわっている氷河が現れました。ダラン・ドゥルン氷河。まさに圧巻の姿です。
その道端で、湧き水のある場所に咲いていた、ブルーポピー。品種にもよりますが、夏の一時期、標高3000メートル以上の高地に咲く花で、「ヒマラヤの青いケシ」などと呼ばれています。
◎文/写真=山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)ほか多数。
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