ザンスカールでもっとも大きな僧院、カルシャ・ゴンパ。今の形の僧院が建立されたのは15世紀頃と考えられています。今は100人ほどの僧侶がこの僧院に所属しているそうです。南に面した岩山の斜面に、無数の僧房が連なっています。
僧院の中を拝観して回っていると、1人の僧侶が、何やら尖ったものをたくさん作っていました。これはトルマといって、ツァンパ(麦焦がしの粉)とバターで作った一種のお供え物なのだそうです。
カルシャ・ゴンパから切り立った谷を挟んで西側には尼僧院があり、あるお堂の中には、荘厳な佇まいのチューチグザル(千手観音)が祀られていました。
カルシャ・ゴンパの上から眺めた、ザンスカールの平野部。手前の村がカルシャで、遠くに見えるのがザンスカールで一番大きなパドゥムの町です。ザンスカール各地を巡る旅は、まだまだ続きます。
◎文/写真=山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)ほか多数。
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