プクタル・ゴンパのそばを流れるルンナク川の上流では、2015年、大規模な土砂崩れによって長さ15キロにも及ぶ天然ダム湖が発生。天然ダム湖はその後決壊し、下流域にかかる大小の橋という橋は、すべて濁流に押し流されてしまいました。現在かかっている橋の多くは、その災害の後に地元の人々が作った仮設のものです。
ゆらゆらする橋を渡って、プクタル・ゴンパの対岸のユーガーまで来てみました。真正面から眺めると、僧院はこんな姿に見えます。
近くの簡易宿泊所に泊まった後、プクタルを離れる日の朝に撮った写真。強大な自然の力に支配されているこの場所で、何百年も前から守り続けられてきた、祈りの場所。この僧院が、これから先の未来にも受け継がれていくことを願わずにはいられませんでした。
◎文/写真=山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)ほか多数。
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