7月25~26日の2日間、信州・大町市「木崎湖キャンプ場」で“湖畔のキャンプ場で本を楽しむフェスティバル”、「ALPS BOOK CAMP」が開催された。
昨年に続いて2回目の開催となった今年は両日とも見事な夏空が広がり、木漏れ日が心地よい会場に、湖畔からの涼しい風が駆け抜けていた。
出店した本屋さんはどこも個性豊か。長野県内だけでなく、東は栃木から西は奈良まで、書店だけでなく出版社なども含めて2日間でのべ33組が軒を連ね、それぞれのお店の本のセレクトを見て回るだけでも楽しい。
主催者は「栞日」の菊地徹さん
「同じベクトルを持って町を面白くしようとしている本屋さんを集めて、遠くの人にもこの信州に足を運んでもらいたいと思ったんです」と話すのは、「ALPS BOOK CAMP」を主宰する菊地徹さん。ご自身も長野県松本市で「栞日(しおりび)」という本屋を経営している。
「今まですでに都市で行われているような本のイベントの真似をするのでなく、ここでしかできないことをやりたかったんですよね。それが、ここにある唯一無二の自然をまるごと伝えるということ。アルプス山麓の気持ちよさをぜひ感じてほしいですね」
菊地さんからお話を伺ったあとは、出展している本屋さんを巡りながらお話を伺ってみた。その中でもとびきりの3件をご紹介しよう。
「SNOW SHOVELING」from東京
「SNOW SHOVELING」は、東京都世田谷区からやってきた本屋さん。
「コンセプトは“本当にいい本をシンプルに集めた本屋”。まあ、実際お店に来て頂かないと伝わりずらいのですが。機会があればぜひ一度足を運んでみてください」と店主の中村秀一さんは話す。
「本との時間をゆっくり楽しんでほしいから」と、お店にはソファがあり、コーヒーを飲みながら過ごすこともできるという。思い出してみると、なぜか夢中で本を選んでいると喉が渇くことが多い気がする。うーん、なんて素敵な本屋なのだろう。
「Snow Shoveling」
住所:東京都世田谷区深沢4-35-7 2F-C
TEL:03-6325-3435 / OPEN 13:00ころ-19:00くらいまで
定休日 火・水
http://snow-shoveling.jp/
「ひらすま書房」from富山県
富山県を中心に、イベントやお店の一角を借りての移動販売本屋として活動している、「ひらすま書房」の書棚には、人生を一旦立ち止まって見つめ直すような本やリトルプレスが並ぶ。
伺ってみると、「ひらすま書房」の“ひらすま”とは富山の方言でお昼寝の意味なのだそう。「忙しい日々でもひらすまできる本を揃えている」というから、そのチョイスにも納得。
「はたらかないで、たらふく食べたい」「ニートの歩き方」など、夢のある?本たちにグッと惹かれる。
「ひらすま書房」
TEL:080-4251-0424
http://hirasumashobo.jimdo.com/
※移動本屋
「オヨヨ書林」from石川県
「オヨヨ書林」には頭の中を空っぽにして眺められるような、美術やデザイン、絵本などが並んでいた。ウェブ上だけの古本屋としてはじまり、今では石川県内に2店舗を持つという。
「店舗ごとに美術やデザインだったり、絵本だったりと強みが違うのですが、“よい本を、安く、手軽に”がモットーなのは変わりません」
店舗ではトークイベントやミュージシャンのライブが行われることもあるほか、ウェブからはじまったお店だけにオンラインストアも充実。リアルとネットの両方のお客さんを大切にする姿勢が見て取れる。
「オヨヨ書林」
シンタテマチ店
住所:石川県金沢市新竪町 3-21
TEL:076-261-8339 / OPEN 11:00–19:00
定休日 水曜
せせらぎ通り店
住所:石川県金沢市長町 1-6-11
TEL:076-255-0619 / OPEN 11:00–19:00
定休日 月曜日
http://www.oyoyoshorin.jp/
(文/磯木淳寛・撮影/サエグサナオミチ)