今月号(2017年12月10日発売1月号)の小特集『台北ナチュラリスト旅』、読んでいただけましたか?
都市農業から飲食店まで、通常の観光旅では知ることができなかった新しい台北の顔が見えてきて、とても興味深い取材になりました。が、面白スポットが多すぎて……。
というわけで、誌面では紹介しきれなかったお店や取材裏話を3回にわけて紹介します!
台北駅近くのビルの屋上で農業をしている法律事務所や、食育&農業を行なっている台湾一の進学校「建國中学」など、取材を進めるうえでキーワードとなったのが*パーマカルチャーだ。
*パーマネント(永久な)とアグリカルチャー(農業)が融合した造語で、「恒久的持続可能な環境を作り出すためのデザイン」のこと。
そのパーマカルチャーを応援するベジタリアン・レストランのひとつが、台北初のローフードレストラン『NakedFood 裸食私廚』だ。“裸食”はローフードの意味で、野菜や果物を生で食べることで、加熱によって失われがちな酵素やビタミンやミネラルを効率よく摂取するというもの。世界のセレブも取り入れている人気の食生活だ。
クリエイティブディレクターは南アフリカ出身!
プラシャンザ・ラチャーナさん。2006年に英語教師として訪台。台湾の住環境が気に入り、この地に根をおろした。ベジタリアン料理を学んだあと、2012年に店をオープン。
ちなみに左側の大ビンは、ローフードにはつきものの、発酵飲料のコンブ茶。コンブ茶は昆布茶ではなく、1975年ごろ日本でも流行した紅茶キノコのこと。裸食私廚では有機ウーロン茶やプーアール茶を加え、オリジナルで作っている。程よい酸味で飲みやすい。というか、翌朝が超快腸!? でした。
食事は健康を維持し、エンジョイするもの
プラシャンザさんがローフードのすばらしさに気づいたのは6年ほど前。
「ローフードに切り替えると、心が穏やかになって、睡眠状態もすごくよくなったんです。風邪も引かなくなりました。食材を尊重すると、食材も人間を尊重してくれることを実感しています。それを心掛けながら、みんなを驚かす料理を提供することを楽しんでいます」。