アパラチアントレイル最終章 ビバルマントラックの旅 vol.09
今回、初めて中国の航空会社を利用しました。「中国南方航空」です。何より料金が手ごろなのに加えて、乗り継ぎ時間がパースまでの便で最短だったからです。
ただ、調べてみると…、あまり良い情報がない! 時間に遅れ乗り継ぎに間に合わないという内容から、サービス・食事の事まで。見てしまうとキリがありません。
しかし、予約を確認すると使用機体は最新のもの。これは期待できるかも!?
実際に乗ってみると、客室乗務員は、僕好みのきれいな方が多くて、とても親切。食事もうまい! しかも遅れることなくトランジット(乗り換え)し、時間通りにパースへたどり着けました。
なんて快適なんだ! ネットで見た評価はなんだったんだ。これからも中国南方航空でいいなぁと思ってしまいました。
安心するのもつかの間、ここからがもうひとつの難関オーストラリアの税関です。『世界丸見え特捜部』(日本テレビ系)で放送されている「ボーダーセキュリティ」というオーストラリアの番組をご存知ですか? 食品の持ち込みや、薬物など、常に怪しい旅行客に目を光らせている番組なんです。
僕は、いつも税関でとめられてしまうタイプで、毎回バックパックを広げています。今回は、厳しい税関なので追及されないようにと調味料だけにしました。(もちろん、悪いものを持ち込んだこありまんが!)ボーダーセキュリティの番組を思い出しながら慎重に、列に並びます。
しかし、予想とは逆にとても丁寧に案内され、丁寧な言葉で、2、3質問をされ、バックパックも開けられることなくあっさり出口へ。
なんと、今までで一番早い税関通過でした。考えてみればここは番組の舞台であるシドニーでも、ゴールドコーストでもありません。西オーストラリアのパース。主要都市ととは違い、税関も少し緩めのなのか? あまりにあっさりと通過したので、逆に驚いてしまいました。
さて、順調にパース市内のホステルへ。
このとき、タイミングよくワールドカップ出場がかかった日本対オーストラリア戦を開催していたので、アウェーにはなりますがテレビ観戦。
日本が勝つと、アウェーにも関わらず多く人から祝福を受けました。それは、この日の宿泊者にオーストラリア人は居なかったからのようです!
飛行機、税関、そして日本がワールドカップ出場権を勝ち取るなど順調と思えるなかで、思わぬところに落とし穴が…。出発前日の夕方、準備の最後にMUKAストーブの燃料であるレギュラーガソリンを買いに行った先でのこと…。
店員から「売れません」と言われてしまったのです!
理由を聞いても「売れない」と言うだけ。話が通じないのかと思い、周辺にガソリンスタンドはあるか聞き、次、また次へ3時間。どこのガソリンスタンドにいってもガソリンを売ってくれなかったのです。
燃料がなければ、食事を作れないので、食べられません。どうしようかと焦り始め、ガイドブックを見ながらいろいろと作戦を考えました。
出発地点のカラマンダには、ホームセンターがある。きっとここならホワイトガソリンは売っているはずだ。
そう思うと、少し気が楽になりました。
今までアメリカでも、ニュージーランドでも、カナダでも買えたのに、なぜオーストラリアではガソリンを売ってくれなかったのだろうか?
今後のことを考えると少し心配になりますが、そこまで深刻な問題ではないと考えていました。
ホワイトガソリンなら必ず手に入る。このときは、そう思っていたからです。
つづく
【Profile】斉藤正史
山形県在住
LONG TRAIL HIKER
NPO法人山形ロングトレイル理事
トレイルカルチャー普及のため国内外のトレイルを歩き、山形にトレイルを作る活動を行う。
ブログ http://longtrailhikermasa.blog.fc2.com/
山形ロングトレイル https://www.facebook.com/yamagatalongtrail