ビーパル9月号の「あなたの秘密基地を見せてください! 」という特集内でも、子ども心を忘れない人たちが自由に楽しむ「小屋」をご紹介していますが、長野県茅野市の尖石遺跡周辺では、さまざまな小屋が一同に会するイベント「小屋フェス」が2015年7月25日(土)から9日間開催されました。
20棟もの小屋が大自然の中に立ち並ぶ風景は壮観!
リアルタイムで小屋を作っていく“ライブ小屋ビルディング”が行われていたり、心地よいバンド演奏があったりと、夏の避暑地が小屋を中心に盛り上がりました。アウトドアや自然好きならワクワクせずにはいられない、そんな小屋たちをご紹介していきます。
AzitO
室内は6畳で天井も高く、ロフトも3畳とふたりで寝るのには充分な広さがあります。
その明るさに、ふと見上げると天井には天窓。昼間なら電気なしでも明るく、かつロフトそのものも透明の強化ガラスのため、室内全体に自然光が注がれていました。
また、高床の物入れを開けると涼しい風が下から上がってくるのも快適! 夏の暑さにも対応しています。さらに冬場にはこの床下が薪の収納庫に。薪ストーブの炎を見つめながら、ゆったりとした時間を過ごすのも魅力的ですね。
台所やトイレなどの水まわりも完備しているので、2拠点居住や移住、別荘として仲間たちでシェアするといった使い方も出来そうです。
- 価格:398万円(デッキ・水回り込み)
- 施工期間:約1週間
- http://www.azito-box.jp/
mocoYA-1
「おうちの隣にもうひとつの小屋を」というコンセプトで作られた小屋。
仕事に忙しい日々の合間にゆったりと過ごしたり、子どもと一緒に遊んだり、趣味の部屋にしたりと、遊びの想像力を自由に膨らませてみたくなります。
どこかへ出かけなくても、日常の暮らしの中に小さな小屋があるというだけで心の余裕ができそうです。
室内は4畳半。デッキを含めると6畳の広さ。カラーも複数から選べるのだそう。
- 価格:185万円~
- 施工期間:3日程度(基礎は別)
- http://www.marsu.co.jp/
チビック
真っ黒い枕木の階段が印象的な小屋は、防水効果を得るために壁面の板も焼かれていて黒く、どこか和風の雰囲気。
建築方法にも、石場建てという伝統工法が使われており、お寺や神社などと同じように石の上にそのまま木を組み、屋根まで釘を一本も使わずに建てられているのだそう。
コンセプトは「山の上に小屋を立てて暮らしちゃおう」というもの。井戸から汲み上げた水をタンクに貯め、トイレにも五右衛門風呂にも使える仕組みもあり、この小屋さえあれば自然を楽しむ暮らしを実現できそうです。
ハンモックが掛けられた室内は6畳とロフト3畳。夢の別荘を、こんな小屋で手に入れちゃうのもいいかもしれません。
- 価格:400万円~
- 施工期間:7日~10日程度
- http://re-sort.jp/
tiny innocent house
最後にご紹介するのは、作庭家の長濱香代子さんとアーティストの本杉琉さんがコラボレートして作った、ちいさな庭をしつらえた、ちいさな小屋。
暮らしを豊かにするために作られた空間に足を踏み入れると、床に植えられたハーブ(ミントとタイム)の香りに癒されます。
小屋の壁面は全部左右をすべて開け放つことができ、風と光を採り入れることも可能。夜にライトをつけると柔らかい光が浮かび上がり、まるで大きなランタンのようになるのだとか。
植物の苗を育ててもいいし、ぶどうの蔓をはわせてもいい。都会の自宅脇に置いても癒されそうです。
- 価格:約180万円(設置費込み)
- 施工期間:3週間
- http://www.kngdc.com/
(文/磯木淳寛・撮影/サエグサナオミチ)