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レクタタープとは?
レクタタープは長方形のタープを指し、英語で長方形を意味する「レクタングル(rectangle)」から名付けられている。デザイン面ではヘキサタープよりやや見劣りするものの、日陰の面積が広くて実用性に優れている。
レクタタープには、四辺にポールを差し込むためのグロメット(穴)やロープで張るためのループベルトがついている製品が多く、さまざまな張り方を楽しめる。
▼参考記事
“ヘキサ”と”レクタ”ってどう違う?意外と知らないタープの基本と選び方
基本の張り方をおさらい
関東甲信越の山を中心に、1年を通して日帰りから縦走、沢登りや雪山を楽しんでいます。数日間沢に入って魚を釣りながら山頂を目指し、藪を漕いでいく汗まみれ、泥まみれの登山が大好物。ファミリーキャンプ、ロードバイクでヒルクライムなど、海と山があるのどかな町に住み、暇を見つけては年中山で過ごしています。
一枚の大きな布にループが付けられている、というシンプルなアイテムのタープ。シンプルが故に、設営には少しコツが必要だ。トレッキングポールを利用したソロ用タープの基本的な張り方を紹介しよう。
部品を確認しよう
タープを張る前に、まず部品が揃っているか確認しよう。テントは必要最低限の部品がセットになっているが、タープはセットになっていないこともある。本体と張り網だけで、ポールやペグ(杭)は別売りということも。また、設置する野営地によっても必要な部品が変わるので注意が必要だ。
周辺に本体を支える木々や柱が無い場合は、タープ用のポールや登山用のトレッキングポールを用意する必要がある。
本体を広げる
道具が揃っていることを確認したら、タープ本体を広げ、各所に必要な部品を配置していく。タープ・ポール・ペグ・張り網をセットしておき、以降の手順に沿って設営していく。
なお、ペグは、メインポール1つに対して45度の位置に左右2箇所配置する。
ペグを打ち込む
続いて、ペグを地面に打ち込み、ペグに張り網をかける。このペグダウンの作業は、設営後の本体強度を保つために非常に大切な工程だ。
ペグを打ち込む角度は、「張り綱と直角になる角度」という説や、「地面に対して垂直に打つべし」という説など、諸説ある。ここではペグは地面に対して約60度~70度の角度で打ち込む方法を紹介しよう。ハンマーや石などを用いて、これ以上深く打ち込めない、というところまでペグダウンする。
ポールに本体・張り網をかけていく
ペグダウンしたら、ポールを立てて本体のループ、張り網をかけていく。地形によって平坦ではないこともあるが、ポールを立てる場所はできる限り安定した場所に立てよう。ポールが自立したら、反対側も同様にポールを自立させていく。
4隅をペグダウンして完成
ポールが自立したら、最後に本体の4隅をペグダウンして完成だ。
▼参考記事
タープの張り方はこれでマスター!基本的なやり方から注意点まで解説
雨の侵入を防ぐウェッジ型の張り方
関東甲信越の山を中心に、1年を通して日帰りから縦走、沢登りや雪山を楽しんでいます。数日間沢に入って魚を釣りながら山頂を目指し、藪を漕いでいく汗まみれ、泥まみれの登山が大好物。ファミリーキャンプ、ロードバイクでヒルクライムなど、海と山があるのどかな町に住み、暇を見つけては年中山で過ごしています。
こちらは、「ウェッジ型」と呼ばれる雨を防いでくれる張り方。
基本的な張り方であるダイニングフライ型を、さらに片側を低く設営することで居住性を高めつつ、雨の侵入を防ぐようになっている。ダイニングフライ型と比べると大人数での野営には向かないが、2人程度の使用なら可能。また、冷える時期には焚き火の熱を効率よく利用できるのもポイントだ。
設営方法も、ダイニングフライ型を習得していれば問題なく設置が可能。タープならではの開放的な張り方ではないが、寝る時は暖かくなり、安心感がある。
▼参考記事
スクエアタープの張り方をシーン別に最適なものを解説!おすすめの商品まで紹介
風に強いレクタタープの張り方
関東甲信越の山を中心に、1年を通して日帰りから縦走、沢登りや雪山を楽しんでいます。数日間沢に入って魚を釣りながら山頂を目指し、藪を漕いでいく汗まみれ、泥まみれの登山が大好物。ファミリーキャンプ、ロードバイクでヒルクライムなど、海と山があるのどかな町に住み、暇を見つけては年中山で過ごしています。
ダイニングフライ型の中心を移動すると、一方向への風に対応できる張り方になる。
雨が降っている場合にはおすすめできないが、風のみを防ぎたい場合や、全方位ではなく一方向の風から守りたい場合などにはこの張り方が活躍してくれる。ウェッジ型同様、ダイニングフライ型を応用することで設営が可能で、あまり悩まずに設置することができるのもメリットだ。
▼参考記事
スクエアタープの張り方をシーン別に最適なものを解説!おすすめの商品まで紹介
タープとテントを連結!機能性バツグンの「小川張り」
キャンプが趣味のアウトドアライター。時間や場所に縛られずに働くことを目標にライターを始め、現在はアウトドアや健康系の記事を主に執筆。休日は趣味に奔走するため、外にいる時間が長い。
小川張りとは、セッティングテープなどを使用してテントの入口付近にタープを設営する方法。
テントとタープを隙間なくぴったりと設営できるため、日差しや雨を完全に遮ることが可能になる。また、テントに被せるようにタープを設置することにより、テントとタープが一体化し、無駄なスペースがない設営が実現するというメリットも。
小川張りの原点は、ogawa(現キャンパルジャパン)が発売した「システムタープヘキサDX」にある。小川張り、という名前の由来もその「ogawa」から来ていると言われている。
システムタープヘキサDXには、テントとポールを接続するセッティングテープが同梱。小川張りが定番となった現在では、セッティングテープが単体で他のブランドから発売されており、システムタープヘキサDX以外のタープでも小川張りができるようになっている。
小川張りの設営方法
小川張りの設営方法を、簡単に紹介しよう。
まず必要になるのは、セッティングテープ。小川張りに欠かせないアイテム。セッティングテープを使用せずに小川張りを行なうこともできるが、ロープで代用する場合には注意が必要だ。
小川張りはその構造上、風の影響を受けやすくなっている。ロープの強度にもよるが、安全確保のために小川張り専用のセッティングテープを使用するのがおすすめ。
セッティングテープの一端とタープを接続。セッティングテープには基本的にカラビナがついているため、接続はそのカラビナを利用する。
テープのもう一端はテント後方に立てるタープのポールに接続し、ポールを立てる。上の画像では、タープからテント後方のポールまで繋がっている黒いテープが、セッティングテープだ。
そして、タープの布部分がテントの入り口付近に来るようにテープの長さを調節する。その後の手順は、普段タープを立てるときの手順と同様。タープとポールの間の橋渡しとしてセッティングテープを使用するだけだから、いつもの設営とほとんど手間は変わらない。
▼参考記事
「小川張り」に挑戦しよう!実際に設営して感じるメリットや注意点を解説!
アレンジが楽しめる!おすすめのレクタタープ5選
mont-bell(モンベル)
L.W.タープ ワイド
モンベルが独自に開発した新素材「バリスティック(R)ナイロン」を使用した軽量タープ。トレッキングポールなどでも設営できるループが付いており、状況に合わせた設営が可能。ポールは別売り。
●サイズ:340×280cm
●重量:440g(ペグ、スタッフバッグを含む総重量:650g)
●素材:20D・バリスティックRナイロン・リップストップ
居住空間が広い長方形型で、5~6人での使用に適した広々サイズながら、440gと超軽量。両サイドには10か所のループがあり、さまざまなスタイルで設営が可能。
紡糸の過程で延伸加工を施すことで、従来のナイロンに比べ約2倍の強度を持たせることを可能にし、軽量性と耐久性を両立。保水しにくく伸びにくいので、生地の垂れ下がりが少なくハリを保つことができる。
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mont-bell (モンベル) / L.W.タープ ワイド
ogawa(オガワ)
フィールドタープ レクタT/C
居住スペースが広く、アレンジ性能に優れたレクタタープ。TC素材を採用しているので、日差しを遮りつつ、適度な通気性が気持ちいい。
●サイズ:350×420cm
●収納サイズ:70×15×15cm
●重量:約3.5kg
●素材:T/C(撥水加工)
張り方次第でさまざまなパターンが楽しめる汎用性の高いレクタタープ。夏の暑い日差しをしっかりカット。撥水加工が施されているので、汚れにも強く、水も弾いてくれる。張り綱、収納袋付きでポールは別売り。
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ogawa(オガワ)/フィールドタープ レクタT/C
▼参考記事
夏の終わりも大活躍!暑さと紫外線と雨から身を守る最新タープ 7
ogawa(オガワ)
システムタープレクタ
210Dポリエステルに遮光コーティングを施したレクタタープ。付属の延長テープを駆使すればテントとのレイアウトが多様に。ポールは別売り。
●サイズ:2.95×3.50m
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ソロキャンプで本当に使える最新テント・タープ11選。初心者もベテランも必見!
NEUTRAL OUTDOOR(ニュートラルアウトドア)
TCタープ 4.0
約400cm四方のスクエアタープ。難燃性に優れ焚火と相性がいいTC素材。薪ストーブなどの煤汚れが目立ちにくいカラーで、高い遮光性がある。耐水圧は350mmで、完全防水というわけではないが、水を含むと膨張して空気を通さなくする性質で、ある程度水を弾いてくれる。4~8人が中に入れるサイズ。
●展開サイズ(約):縦400×横400cm
●収納サイズ(約):長さ70×高さ15cm
●重量(約):6kg
自在付きガイロープが16本付属している。グロメット16個の数に合わせたかたちだが、グロメットはポールの先端に通す用として使い、その外側についたループにガイロープを通して使うのがおすすめ。グロメットが付いたところには、破れ防止用に生地が補強されている。これのおかげで、強風でタープが破れる事態が軽減される。
TCタープ 4.0はポールとペグが付属していて、買ったらすぐに使用できるのも◎。もちろんすでに持っているアイテムでの代用も可能で、それを使えば様々なアレンジスタイルを作ることができる。人数や環境によって使い分けられる。
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冬キャンプにおすすめ!「薪ストーブOK」の新作テント&タープ
SotoLabo(ソトラボ)
cotton KOKAGE tarp WIDE “BIG SHADOW”ARMY GREEN
遮光性、防水性に優れた100%コットンの透湿防水素材を使用し、メイドインジャパンで作られる「cotton KOKAGE」シリーズ。シリーズ最大の居住空間を誇る。
●設営サイズ(約):450×500cm
●収納サイズ:27×15×63cm
●重量:約5.5kg
●素材:コットン100%透湿防水
その名のとおり、「木陰」のような涼しげな影を作り、真夏の炎天下でも快適に過ごすことができる。張り姿の直線的なフォルムの美しさや、コットン素材の自重で美しいドレープを表現し、実用性とデザイン性を兼ね備えたスクエア型タープだ。
サブポールを使用すれば、張り方もアレンジできるので、レイアウトの楽しみ方も広がる。ガイロープを付ける箇所はシリーズ最多数となっている。
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