●優雅で大人な食事のサービス
山男のための山小屋にしか泊まったことのなかった僕にとって、この山のホテルの食事は驚きだった。カレーライスでも幕の内弁当でもない。町の中の一流ホテルとまったく同じサービスを提供してくれる。優雅にワインを飲みながら大人の食事を楽しむことができる。転覆隊長がこれまで体験することのなかった優雅な山の楽しみ方を教えてもらった。
●ここではじっくり夕陽を眺めてほしい
陽が沈む頃になったら目の前のピークまで歩いて行く。そこから見る山の変化は絶妙だ。黄色からオレンジ、オレンジから赤、そして紫色へとゆっくり変化していくモンテローザやリスカム、ブライトホルンなどの山々が見られる。場所によってはマッターホルンも見られるそうだ。時間はゆっくりと経過していくのに、無駄話をする観光客は1人もいなかった。誰もが言葉を失って大自然の変化に見とれていた。
●絶景は部屋の中からも…
マッターホルンは、クルムホテルの部屋からもレストランからもベランダからも見られる。朝陽が出るとテッペンを鋭くオレンジ色に染め始め、やがて全体が鷹の爪のように輝く。暖かいところでコーヒーを飲みながら絶景マッターホルンを見ることができる。なんという贅沢。そんな楽しみを知っていたスイス人はズルいじゃないか。
●アニバーサリーシェルターにも泊まれるぞ!
マッターホルン登頂150周年を記念したテント型シェルターがあった。それはマッターホルン麓のヘルンリ小屋に一時設置してあったものと同じだそうだ。このアルミニウム製のシェルターに泊まればマッターホルン登頂前日の気分を味わえるかも? シェルターに泊まっても食事は歩いて1分の高級レストランで食べることができる。なんともアンバランスな贅沢だなぁ。
●野生の山羊がやって来た!
野生の山羊、アイベックスが塩を舐めにやって来た。アイベックスはカコーンカコーンと角と角がぶつけ合いながら塩舐めの順位を争った。近くには、我関せずとマーモットが朝の食事に勤しんでいた。どちらも僕のことを気にしていない。人間といい関係なのである。
クルムホテル・ゴルナーグラート http://gornergrat-kulm.ch/?lang=ja
※文/本田亮 撮影/藤田修平
協力/スイス政府観光局 http://www.myswiss.jp
スイスインターナショナルエアラインズhttp://www.swiss.com
スイストラベルシステム http://www.myswiss.jp/jp.cfm/transport/sts/ticket/
ツェルマット観光局 http://www.zermatt.ch