「関東富士見100景」に選ばれ、登山中も山頂からも富士山をバッチリ見られる大野山。
登ったらきっと誰かに話したくなる、大野山の魅力をお伝えします。
初心者でも登れる標高ながら、絶景を堪能できる大野山
神奈川県にある丹沢山系は1,000m級の山が多く、都心からのアクセスも良いことからおすすめの場所です。
丹沢山系においては神奈川最高峰の蛭ヶ岳や、古くから信仰の山として親しまれてきた大山が有名ですが、西丹沢にある大野山は初心者にもおすすめの標高ながら、富士山をバッチリ拝めるという穴場の山です。
なお、現在「主夫ライター」として活動する筆者は、今回平日の午前中に登山しました。平日のため登山客も少なく、雲ひとつない美しい風景を味わいながら気持ち良く登ることができました。そんな大野山の登山をレビューします。
コースの紹介と難易度
今回のコース
今回ご紹介するコースは、JR御殿場線の谷峨駅をスタートして吊り橋を渡り、民家の横の登山口から大野山の山頂を目指すコースです。
登山道の途中と山頂にはトイレもあるため、女性の登山者にも安心です。
なお、隣の山北駅からも登ることができます。
コースの難易度
コースは案内板も多く、トレッキングシューズでも十分に登れる初心者向けのコ-スとなっています。
ただし、谷峨駅からはしばらく舗装路が続くものの、それなりに傾斜のある箇所があるため、帰りは滑らないように注意が必要です。
本格的な登山靴までは不要ですが、滑り止めのついたトレッキングシューズを履いていくと安心です。
所要時間は往復4時間程度のため、近くにお住まいの方であれば日帰りでの登山も可能です。
登山の装備
装備品として、リュック、レインウェア、トレッキングシューズ(又は登山靴)、日除けの帽子、着替えは最低限持参しましょう。体力にあまり自信のない方は、体を支えるためのトレッキングポールがあるといいですね。
初心者向きの登山とはいえ、雨が降れば転倒や怪我、雨に濡れることで風邪を引く、などのリスクがあります。
このようなトラブルに対処するためにも、基本的な装備は持参するようにしましょう。
コースの詳細
谷峨駅から登山口まで
JR御殿場線の谷峨駅で下車します。
東京都心から向かう場合は、新宿駅から小田急線で新松田駅に向かい、松田駅で御殿場線に乗り継ぎます。
駅からは登山口までは30分程度歩く必要がありますが、案内板が多く設置されているため、道に迷うリスクは少ないでしょう。
陸橋を下りると、国道246号線から畑に下りる道があります。「大野山近道」の案内板が目印です。
道なりに進むと、先ほどの吊り橋が見えてくるので渡っていきます。
吊り橋を渡り、案内板のとおりに舗装路を道なりに登ると、登山口が見えてきます。
民家のすぐ隣を歩くため、大きな声で騒いだりなど、住民の方々に迷惑をかけないようにしましょう。
登山口から大野山山頂まで
木製の小屋が見えてきたら、本格的に山の中に入っていきます。
トイレを超えた先もしばらく舗装路が続きます。
傾斜になっているため、下山の際には滑らないように気をつけましょう。
道中では、写真のような柵をいくつか目にします。
金具を引っかけるだけの簡易的な扉ですが、熊などの野生動物を外に出さないために設けられています。
舗装路から山道に変わると次第に標高も高くなり、富士山が顔を出します。
このあたりから、横目に富士山を見つつ山頂を目指す、絶景の登山コースとなります。
富士山だけではなく、丹沢山系のほかの山々や市街地を見下ろせます。
山の上から町や海を見下ろすことは、登山においてもっとも気持ち良い瞬間の1つといえます。
まるで、空に向かって続くような道を歩き、山頂を目指します。
横には柵があるため、滑落の心配もありません。
筆者が訪れた際は雲ひとつない快晴だったため、空が一層広く見えました。
あっという間に大野山の山頂に到着です。
絶景を眺めながらの登山のため、疲れもあまり感じられませんでした。
大野山は「関東の富士見100景」に選ばれています。
神奈川県は、山梨県の次に100景に選ばれた箇所が多くあります。興味のある方は、100景をすべて制覇してみてはいかがでしょうか。
山頂からは富士山以外に丹沢湖も見下ろすことができます。
丹沢湖は日本全国の「ダム湖100選」にも選ばれている、神奈川県を代表するダム湖です。
山北駅に下山するコースでは、熊のモニュメントも見ることができます。
本物の熊に会わないように願掛けし、名残惜しさを感じつつも下山していきます。
大野山山頂から谷峨駅へ
最初は横目に見えた富士山も、だんだんと視界から見えなくなっていきます。
ベンチで休憩しながら、しばし見納めの富士山を眺めます。
富士山をバックに、山歩きでは目にすることが多い送電鉄塔と、新東名高速の高架橋が見えます。
鉄塔も高速道路も、私たちの快適な暮らしを支える建造物の代表例です。
普段はなんとも思わないのですが、この日はこみ上げるものがあり、気がつくと写真に収めてました。
登山道を終えて舗装路に出ます。
この辺りまで下りれば怪我のリスクは下がるため、ほっと胸を撫で下ろします。
絶景の余韻に浸りつつ谷峨駅を目指します。
なお、JR御殿場線は土日平日問わず、1時間に1~2本しか走っていません。
乗換案内のアプリなどで確認して、時間に余裕をもって下山するといいでしょう。
登ったら誰かに話したくなる魅力が大野山にはある!
日本最高峰の富士山。実際に登るのも良いですが、近くで見る富士山もまた違った良さがあります。
舗装路や案内板も多く初心者にもおすすめのコースであり、道中の動物たちのモニュメントも可愛い大野山の魅力が伝わりましたら幸いです。
登ったらきっと誰かに話したくなる大野山で、富士山の絶景を堪能してみてはいかがでしょうか。