聖武天皇(724〜749年)が行基菩薩に勅願して開基した「金泉寺」。810年頃、日照りが続いて村民たちが苦しんでいたところ、この寺に弘法大師が訪れ井戸を掘った。そこから湧き出た水が長寿になれるという霊水で、「黄金の井戸」とされたことから寺の名前が「金泉寺」と名付けられた。境内にはいまでも井戸があり、井戸を覗いて自分の姿がくっきりと見えれば長寿に、ぼんやりと見えれば短命と言い伝えられる。
2番礼所の「極楽寺」から約3km、徒歩で約30分ほどの「金泉寺」。道中にはたくさんの道標が建っており、迷うことなく来れる。アスファルトだけでなく、「へんろ道」と言われるお遍路のためのトレイルもある。
「金泉寺」の仁王門。仁王像の白眼部分は通常なら白いが、ここでは金泉寺だけに金色が塗られている。ご本尊は釈迦如来。
本堂。本堂左は護摩堂で、その格天井には花鳥図が描かれている。扉越し少し見える。
大師堂の中。左側に入り口があり、中に入れる。1582年の長曽我部元親の兵火で金泉寺の大半は消失したが、大師堂だけは燃えずに残った。
弘法大師像。左後ろにちらっと見えているのは八角観音堂で、勝運観音がまつられている。運の強い観音様で、平家追い討ちの際に源義経が戦勝開運を祈願し、戦いに勝ったと言われる。
倶利伽羅龍王(くりからりゅうおう)という不動明王の化身。3つの代表的な煩悩である「貪・瞋・癡(とん・じん・ち)」を打ち破ると言われる。貪はむさぼる心、瞋は怒りや妬みの心、癡は愚痴や無知の心。不動明王が炎とともに怒った顔をしているのは、煩悩を焼き払う仏様だから。