日本のミライを明るくする! 園児野生化計画 vol.43
新年を迎えてしばらく立った頃、子ども達は心も身体もグンと成長したことに気がつく。数値化していくのは難しいが、森の中に放つとその成長がちゃんと「見える化」してくれるのだ。
子ども達を森に放つと、さっそく子ども達は森の中に消えていく。僕は安全管理の役割上、僕も慌てて彼らを追いかける。この1年間でボディーバランスが良くなった子ども達は、心配するだけ無駄なくらい急坂や滑る道を走り去っていく。わざわざ難しい道を見つけては進んでいるのに、「先生ヤベーよ!ここちょー怖いよ!」とニンマリした顔で叫んでは遠くに消えていくのだ…。
自分たちで決めた道だからこそ、どれだけ怖かろうとどうにか自分で先に進む
この冒険でのルールは2つ
1:分かれ道になったら止まって待っていること
2:みんなで進むこと
はじめはお友達を待つことも出来ず、一度転べばおいてかれて迷子になってしまうかもしれないという危険精神的にな冒険シーンが多かった。分かれ道に出たらもう大変だ。それぞれが行きたい場所を主張して方向が決まるどころか喧嘩になってしまうことすらあった。
子ども達は日々たくさんの学びを得ている。今回彼らの遊びのシーンを見ていて確実にそう思ったことがありました。先頭グループが分かれ道について全員がそろった時、登りと下り、どっちの方向に進むべきかの話し合いが始まった。
「絶対に坂道を下りた方が楽だよ。」
「登った方が新しい道があるよ!」
「じゃあ登りの方に行きたい人手を上げて!」
「そしたら下りの方に行きたい人は手を上げて!」
そんなやりとりが行われた。
行く先をみんなで決める手法を身につけていた子ども達。でも、自分のことをカウントし忘れてしまうのがなんともかわいいのである。
大人にとっては民主主義的では無い方法ととらえられることもあるが、彼らにとっては十分平和的な解決方法だ。我を少し心の中にしまって、みんなで決めた方向に一緒に進んでいく。結果的にみんなが思いっきり楽しい時間を過ごせたのだ。
これが出来ることによって、ぎゃくんみなが自由になる。時には寄り道をして、時にはわざわざ難しい道を進み、みんなで声をかけながら森の中を走り回れるのだ。
今回の寄り道最大のトピックスは、この木のウロ。怖いけど中を見たい。
もしかしたら刺す虫が出てくるかも知れない……けれども大発見があるかも知れない…。
そんなドキドキがたまらなかった様子
冒険の後は、夏でも冬でもドロドロになってしまう。
保護者には申し訳無いが、彼らはもうすでにそれが勲章だと思っている。
曲がって、戻って、そしてまた曲がって走ること40分。ゴールした彼らは満足度が高かったに違いない。少しずつ幼児から子どもに成長しつつある彼らを見ているのは本当に楽しい。
僕もまた日々精進して、一段階大人の階段を登って彼らにふさわしい大人になってまた一緒に遊ぼう。さて、次は何をしようかな?