DDタープ 3×3 MC(1万2000円 【問】DDハンモックス ジャパン)でハンモックを覆ってから眠りにつく。2日目の夜は無風だけれど-12℃まで低下したので、サーマレスト スラッカーハンモックウォーマー(8900円 【問】モチヅキ)とダウンジャケットをプラス。どちらも快適睡眠温度-5℃の寝袋を使ってみた。
朝まで熟睡。目覚めると風でペグが3本ほど抜けて、いつの間にかすき間風が入るようになっていたことに驚いた。2日目は冷え込みが厳しかったものの風が入りこむことなく、また、スラッカーハンモックウォーマーが放熱を防いだためか、やはり冷えを感じずにすんだ。
これまで、マットやコットで眠ると時折目が覚めていたが、両日ともに朝までぐっすり眠れたのはさすが。朝、ハンモックのメッシュ部分(蚊帳)とタープが凍り、日差しでキラキラ光っていることに気づくが、テント泊のように結露で寝袋の足下が濡れることはなく、寝袋はドライをキープ。これも、冷え防止に大いに役立っているのだろう。
ただし、テント泊に比べると顔はずいぶん冷たく感じる。寝袋に潜り込むと呼気でダウンが湿気を帯びてしまうので、バラクラバやネックウォーマーは必携だ。
雪・風を遮るためにタープは四方を地面にペグダウンするので、高さは100cm程度。タープ、そしてハンモックに潜り込む“秘密基地”感が楽しい。この日は一時的に気温が上がっていたので雪がずいぶん溶けていたが、雪がたっぷりあるなら壁を作って風を防いでもよさそう。
もっとも、暖かく眠れても、翌朝、冷え切ったブーツへの足入れはつらい。テント泊のように暖かなテント内にブーツを収納できないのだから当然だ。2日目はブーツをハンモック内に入れてみたが、冷えきったブーツが当たり、足先が冷えるので断念。足を入れる前にブーツ内にカイロを入れるなど、テント泊以上に工夫が必要なことを痛感した。
外で過ごしていると、木の枝に積もった雪が落ちてくることも。リビングスペースには大型テントのような快適さはないし、かといって外で焚き火をしていると薪ストーブをインストールしたキャンパーたちの「こんなに寒いのになぜ外に?」という視線をビシビシ感じる。
逃げ場所確保を兼ねてテント泊のカメラマンに同行してもらったが、ハンモックの暖かさは想像以上で、テントに逃げ込もうと考えることなく朝を迎えることができた。
ハンモックの上で寝袋に潜り込むのはなかなか大変だが、アンダーブランケットのおかげでこれほど暖かく眠れるなら、条件次第ではあるけれど寝袋を上にかけるだけでもよさそう。なにより、ハンモックらしい浮遊感と暖かな空気に包まれる感覚は、だれかに伝えたくなる心地よさ。一度試してみては。
構成/大森弘恵