どんな車中泊スポットがあるのか?
ヨーロッパには、キャンピングカーだけではなく、トレーラータイプやバンタイプ、乗用車をDIYで改造している方など様々な車中泊スタイルに合わせて選べる、いろんなタイプの車中泊施設があるので、それぞれを紹介していきます。
オートキャンプ場
車中泊スペースだけではなく、テントを使ったキャンプやコテージを借りるなど様々な宿泊スタイルがあります。給水や排水処理スペースだけでなく、トイレやシャワー、洗い場など充実したキャンプ施設が揃っているところがほとんどです。
なかには、プールやバーベキュースペースがあったり、森林などの自然の中が多くファミリー層やゆったりとアウトドアライフを過ごしたい方におすすめ。24時間安心して車中泊できるのもメリットポイントです。
オートキャンプ場の値段は割高で、1泊30~60ユーロ(約5,000〜10,000円)が相場。人気の観光地やハイシーズンになるとさらに高くなるので注意しましょう。
RVパーク
RVパークとは「Recreational Vehicle Park(レクリエーショなるヴィークルパーク)」の略で、キャンピングカー専用の車中泊施設のことです。主にアメリカでRVパークと呼ばれていて、ヨーロッパでは「Camper area(キャンパーエリア)」や「Motorhome area(モーターホームエリア)」など国によって呼び方は異なってきます。
キャンプ場とは違い車中泊者専用の施設で、キャンプ場よりスペースが限られている場合が多く、見た目は普通の駐車場とあまり変わらないです。しかし、キャンピングカーには欠かせない給水するための水道や排水処理場、トイレ処理場、外部電源充電などの設備が充実しており、旅を続けるためのストップステーションや宿泊場所として利用されています。有料のものから無料の施設まであり、有料だと1泊20ユーロ(約3,000円)前後です。無料の私設もあるので低コストで旅をしたい方には大助かり。私たちもキャンピングカーでヨーロッパ周遊をして550泊以上になりますが、そのほとんどが無料の施設を利用しながらです。
このようなRVパークがヨーロッパでは数多くあるので給水作業や車中泊スポット探しに困ることなくスムーズに車中泊旅をすることができます。
防犯カメラやゲートがある施設もあれば、なにもない駐車場のような場所もありますが、周りにはキャンピングカーやバンライファーの方もいるので、比較的安心して車中泊することができます。
キャンピングカー専用駐車場
観光地などの近くには、キャンピングカー専用の大きな区画の駐車場があることも。キャンプ場やRVパークのように給水などの設備は一切なく、キャンピングカーを短時間駐車する目的で使われています。日中のみという時間制限がある場所から、車中泊OKのケースもあります。場所柄、人通りが多いためにプライベート空間が確保できず、防犯面でも少し不安なのがデメリットです。しかし、1泊や2泊など短期間利用するのには便利です。
無料の駐車場もありますが、有料の場合でも、1時間1ユーロ(約169円)~程度です。
ワイルドキャンプ
ワイルドキャンプとは民家や公共施設から離れた、なにもない自然のなかでする車中泊スタイルです。海辺や絶景の山を望むなど様々な場所があり、満点の星空や美しい日の出を鑑賞したりと、自然との距離が近い一味違った車中泊体験ができるため、海外では人気のキャンプスタイルです。
魅力たっぷりですが、注意しなければいけないポイントもいくつかあります。人通りのない自然のなかでは、野生動物や不審者に気をつけなければなりません。なるべくソロは避け、2人以上で行動するのが良いです。また、自然との距離が近い分、天候の影響を受けやすいので、常に天気予報をチェックし、大雨などに気をつけましょう。
※1ユーロ=169円で換算(2024年6月13日時点)
車中泊スポットの見つけるための神アプリ=「Park4night」とは?
ヨーロッパでは車中泊サービスが充実していますが、言葉もわからない場所でどのようにスポットを探すのか、疑問が浮かぶかと思います。そこでおすすめするのが車中泊スポット探しの神アプリ=「Perk4night」(パーク・フォー・ナイト)です。
ヨーロッパで車中泊旅するほとんどの人が利用している便利なアプリで、地図上に付近にあるキャンピングカーが停められる場所、キャンプ場、RVパークなど、車中泊者にうれしい情報がズラッと表示されます。
良さそうな場所を決めてクリックするとそのスポットの写真やどんな設備があるのか、料金やほかのユーザーのレビューも見られるので、事前にリサーチし、気に入ったら目的地に設定することで、Googleマップと連動した道順が表示されるので、すぐに移動することができる優秀なアプリです。
このアプリは、実際に利用したユーザーが見つけた車中泊スポットを登録、評価していく仕組みで、ユーザー同士が情報をシェアしながら車中泊のコミュニティを広げて助け合っていくシステムになっています。
アプリを無料で利用することも可能ですが、年間9.99ユーロ(約1,600円)を支払う有料版ではオフラインマップをダウンロードできる機能があるため、インターネットの繋がらないエリアでも問題なくアプリを使うことができます。
車中泊スポットだけではなく、キャンピングカーに必須のガスを販売している場所やコインランドリーなどの施設の情報も見られるので車中泊者には大助かりです。私たちも「このアプリなしにはキャンピングカー旅ができない」って思うほど利用させてもらっています。
ヨーロッパだけではなく、アメリカやカナダなど各国の車中泊スポットを検索できます。日本でも利用可能ですが、まだ114箇所ほどの施設しか登録されていてないので、どんどん利用して日本でもコミュニティを広げていきましょう。
- Park4nightサイトの URL:https://park4night.com/en
- Park4nightのインスタグラム:https://www.instagram.com/park4night/
ヨーロッパの治安は大丈夫?
ヨーロッパは車中泊をするのに素晴らしい環境ですが、なかには治安が悪いエリアもあり、注意しなければなりません。とくにキャンピングカーには旅行者が乗っていて貴重品や金目の物があると思われ、車上荒らしのターゲットにされやすいので要注意。外出中に窓を割られ、車の中の物を盗まれるというケースも多いです。
もちろんヨーロッパ全体が危険というわけではなく、たとえばパリやミラノ、ローマなどの有名観光地はスリや盗難などの犯罪が多発するので、できれば大都市近郊での車中泊は控えた方がいいです。危ないエリアでの車中泊を控えながらも、常に安全のために防犯対策を心がけることも大切です。
防犯対策
①Park4nightアプリで事前に車中泊スポットの下調べをして、悪いレビューがないかをチェックします。ときには「車上荒らしにあった」「窓を割られた」など、被害者のコメントもあるので安全なスポットかどうか、事前に確認しましょう。
②フロントガラスや窓をサンシェードやカーテンで閉め、外から車内の様子がわからないようにします。プライベート空間を保てるだけではなく、なかに何があるかをわからなくさせることで侵入のリスクを減らせます。
③外出する際は貴重品を持ち歩く。いつどこで何が起きるか予測はできません。被害を最小限にするためにも車を離れる際はパスポートや貴重品は持ち歩くのが安全です。
車中泊スポットの注意点とルール
車中泊する際は、それぞれの場所のルールを守る必要があります。ヨーロッパでは国によって、オートキャンプ場以外での車中泊が禁止されていることもあるので、事前にしっかり確認しておくと良いです。
近隣住民やほかの車中泊者に迷惑かけないように話し声や音楽にも注意しましょう。また、許可されている場所以外でサイドオーニングやテーブル、イスなどを出すのはマナー違反です。
ゴミや排水、トイレの汚水処理はきちんと決められたダンプステーションで行なうようにして、設備を使用し終わったあとはきれいな状態に保ちましょう。
車中泊スポットは公共の場なのでルールを守って多くの方が継続して車中泊を楽しめるようにすることが大事です。
車中泊スポットが多いヨーロッパはバンライフに最適!
今回紹介したようにヨーロッパには、いろんなタイプの車中泊スポットがあって、キャンピングカー旅やバンライフをするには最適です。快適なオートキャンプ場から無料のRVパーク、大自然を堪能できる車中泊スポットまでそれぞれの旅のスタイルに合った場所を見つけることができます。
日本でも、ヨーロッパでも、素敵な車中泊スポットを見つけて、マナーを守りながら楽しい車中泊を楽しみましょう。