アフリカ大陸最南端の地「アガラス岬」。“嵐の岬”でフィンボスウォーキングを満喫! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.06.25

    アフリカ大陸最南端の地「アガラス岬」。“嵐の岬”でフィンボスウォーキングを満喫!

    日本最南端、本州最南端、九州最南端…。そんな“端っこ”に惹かれる人も多いはず。南アフリカ共和国で暮らす私もそのひとりです。

    そんな私が、今回は “アフリカ大陸最南端の地”に行ってきました。国立公園に指定されているその地は、小さな植物や花に彩られた、潮の香りがするのんびりとした場所でした。

    アフリカ大陸最南端の地にある、多くの動植物が生息する国立公園

    道路沿いに「ようこそ、アフリカ最南の町へ」という案内を見つけました。

    アフリカ大陸最南端の地「アガラス岬」は、首都ケープタウンから南東に約260km、空港からは2時間半程度のドライブで到着します。ケープタウンやアガラス岬を含む約55万ヘクタールは、世界でここだけの貴重な動植物が生息する「フィンボス」と呼ばれているエリア。「ケープ植物区保護地域群」として世界遺産に登録されています。

    さらに、アガラス岬の周囲約2万ヘクタールは国立公園にもなっており、公式ガイドには動物65種、鳥類230種、植物1750種が生息すると記載されています。ベストシーズンはホエールウォッチングを楽しめる6月から9月ですが、5月からは多くの花が咲き始めます。

    国立公園の入口で、カメやヘビが「私たちもこの道を通ります」と言っているような、注意を促す看板を見つけました。

    国立公園に入ると、まず目に入るのが高台に建つ赤白の灯台です。1848年に建てられ、南アフリカで2番目に長い歴史を持ちます。ここからアフリカ最南端のモニュメントがある場所まで約1.5キロメートルの遊歩道が整備されていますが、まずは途中の駐車場に向かいます。

    灯台は展望レストランやギフトショップなどを備えて今年リニューアルオープンする予定です。

    駐車場からは遊歩道と白い砂の道があります。

    車を降りると、波音とともに潮の香りを感じます。早速“アフリカ大陸最南端の地”へ。のんびり3分ほど歩くと、見えてきました! アフリカ大陸は、東側にインド洋、西側に大西洋があります。つまり、最南端の地ではインド洋と大西洋がぶつかっているのです。モニュメントにも、インド洋と大西洋の文字が刻まれています。

    アフリカ大陸最南端を示すモニュメント。英語とアフリカーンス語で「あなたは今アフリカ大陸の最南端にいます」と書かれています。

    このモニュメントは、観光客にとって絶対に外せないフォトスポット。私たちが到着したとき、先客はスーツをビシッと着込んだサングラス姿の男性ひとりでした。写真を撮ってもらったあと「あなたの写真も撮りましょうか?」と尋ねたら「もうすぐ家族が来るから」と断られてしまいました。まもなく奥様とお嬢様と思われる家族が到着し、そのあとやってきた白人カップルに家族写真を撮ってもらっている様子。観光客同士、お互いに写真を撮ったり、微笑ましく撮影を見守ったり、とても平和な時間が流れていました。

    ここから振り返ると、アフリカ大陸の地形を模した地図があり、これもまた重要なフォトスポット。真上から見られないのがじれったいですが、できるだけ手を伸ばし全体像の撮影を試みます。

    南側から撮ってみました。手前が南アフリカ。

    北側からも撮ってみました。奥に見えるのが最南端のモニュメントです。

    全体像は案内版で見ることができます。

    この場所から灯台までが、遊歩道でつながっているので歩いてみます。遊歩道が完成したのは10年ほど前。観光客が増加し、自由に歩き回ったことで植物が傷ついてしまったことで保護するために整備されました。遊歩道から離れた場所にもベンチがあったり、釣りをしている地元の人がいたりと、遊歩道以外が厳格に立入禁止とされているわけではなさそうです。

    遊歩道の先には灯台が見えます。

    多肉植物が花を咲かせていました。

    実は、南アフリカは多肉植物の宝庫。南アフリカ観光局が「多肉植物の聖地」というタイトルのパンフレットを発行するほどで、それによると世界中の多肉植物の3分の1が南アフリカに集まっているそうです。ナミビアとの国境に近いエリアが特に有名ではありますが、アガラス国立公園でも遊歩道の周囲にたくさんの多肉植物を見つけることができました。

    ぷくぷくかわいい多肉植物のファンになってしまいそうです。

    小さな花が咲いていました。

    灯台の近くまで行き、折り返して駐車場に戻ります。

    “嵐の岬”“船の墓場”などの悪名をもつ危険な地

    のんびりとウォーキングを楽しんだアガラス岬ですが、実は卓越風の影響で季節を問わず強い風が吹くことが多く、喜望峰とともに“嵐の岬”の悪名をもちます。1488年にポルトガル人のバルトロメウ・ディアスが喜望峰に到達して以来、アガラス岬をまわるルートはヨーロッパとインド・アジアの貿易の主要航路として多くの船が行き交うようになりました。

    天候の予測が難しくトラブルに見舞われて犠牲になった船が少なくないため、大航海時代には“船の墓場”と恐れられていました。現在でも140隻以上の船が周囲に散乱しています。

    日本の船(明昭丸)も座礁し、錆びた状態で波に打たれています。

    旅行者にとってもアガラス岬の強風は有名で、旅行情報サイトの口コミやブログでも風の強さに触れている感想をたびたび見かけます。宿のスタッフや地元の人に「アガラス岬に行く」と伝えても、返ってきたのは「晴れていても風が強いから気を付けて」「ウィンドブレーカーを持って行ってね」と強風に関するアドバイスばかり。

    同じ“嵐の岬”と名高い喜望峰の強風を経験している私は、防寒具を用意したり、髪がぼさぼさにならないように結んだり、朝から万全の準備。ところが、その日は宿の人も驚くほど風が穏やかな日。あまり迫力がない波風に落胆しつつも、“こんな日もあるんだな”と遊歩道からゆっくり植物を観察することができました。

    私が書きました!
    南アフリカ在住ライター
    (海外書き人クラブ)
    村上未来
    登山好きの父に連れられ、2歳から山登り開始。6歳で大雪山、11歳で尾瀬・至仏山、13歳でキナバル山(マレーシア)などへ挑戦。大人になってからは主に2017年に雲取山(標高2017メートル)に登るようなミーハー登山。旅行会社勤務、外資系航空会社機内誌編集長を経て、現在は夫の海外駐在に帯同し南アフリカ共和国で生活中。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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