道路の北の端にはナニがある
地図アプリ(※2)でルートを確認したところ、といっても北へ向かう道は一本しかありませんが、道路は最北の町オハで終わらず、町を突き抜けています。
半島の中頃まで伸びていながら、突然ぶつりと切れています。地名のないポイントで、ひと言のコメントもなく。
もう少し頑張れば海なのに、どうして行かない?妙に中途半端な道の終着点、謎です。崖が横たわっているなら見てみたいし、巨人避けのウォールなら大発見だし、腐海の森なら困るけど。いずれにしても匂います。誰も知らない穴場が隠れてそうです。根拠ゼロですが、たぶんパワースポットです。
(※2)オフラインでも使える地図アプリ「MAPS.ME」。海外ドライブの必需品です。
国ごとにデータをダウンロードするので、スマホのメモリを節約。地点間の距離を測定でき、音声ナビゲーション付き。ホテルの予約サイト「Booking.com」と連動し、宿探しが楽になりました。トレッキングや町歩きでも重宝します。
北へ向かう道路は、日本軍が敷いた軍用道路です。
軍用と聞くとなにやら物騒ですが、いたってのどかな風景。右手にオホーツク海が広がり、左に並行するのは宮沢賢治が乗ったサハリン鉄道。メーテルと鉄郎を偲びながら、アクセルを踏みます。無人島?ってくらい、ひと気のない道です。
強盗より信用できない警察
目的地ははっきりしているものの、そこにナニがあるかわからないという先行き不透明なドライブに、トーチカの黄色いタンポポ。和みます。路肩でひと休みしたら、速攻でパトカーがやってきました。警察を見かけたら、よくて泥棒、悪くて詐欺。最悪、強盗。本物の強盗には滅多にお遭いできませんが、ホント悪徳警察官にはお世話になります。
口を開けば節操のない罪状をでっち上げて、私的な罰金を請求します。以前メキシコで捕まったときは、積載量オーバー。重さを測ってないじゃないですかっ!と言ったら、
「見たらわかるから」
理屈の通じない歩合制の警察官です。今日はどんな冤罪を食らうかと恐る恐る挨拶すると、駐停車禁止。
「さっさと行け!」
犬のように追っ払ってくれて、ありがとう!
見たところ、これと言って何もなさそうなサハリン島ですが、発見しました、名物。廃墟です。さすが地の果て北の果て、いい味出してます。
コンクリートのシミは、いぶし銀が織りなす侘び寂び感。屋根がないせいか開放感があり、浮浪者が潜んでいそうな不潔感がなく、呪い殺されそうな陰気臭さもゼロ。昼食やお茶タイムに絶好です。
ふきのとうでも探したくなりますが、グリズリーが怖いので遠慮します。