いくつかタオル生地の洋服を着たことがありますが、確かに汗は吸ってくれている気がするけど、ちょっとゴワゴワ感というかフィット感に欠けるといった記憶があります。
まあ、タオルの厚さを考えれば仕方がないことと思い込んでいたら、薄手で着心地のいいタオル生地のTシャツが「IKEUCHI ORGANIC」から登場しました。ファンミーティングでお披露目され、まだ価格や発売日が決まっていない段階で予約するほど一目ぼれしたTシャツをご紹介します。
IKEUCHI ORGANICとは
着心地のよさを追求して誕生した「IKEUCHI ORGANIC」の『オーガニック1040 Tシャツ』は、タオル地のTシャツとしては異例ともいえる薄さと軽さを実現したオーガニックコットン100%のTシャツです。
そんなTシャツを作り上げた「IKEUCHI ORGANIC」は、最大限の安全と最小限の環境負荷でテキスタイルを作るメーカーです。タオルの産地として知られる愛媛県今治市で1953年に創業し、2014年の60周年に、現在の「IKEUCHI ORGANIC」に社名変更し、オーガニックコットンにとことんこだわった製品づくりを行なっています。
製造工程にもこだわり、2002年には、社内で使用する電力の100%を風力発電でまかなう日本初の企業になり、この取り組みから「風で織るタオル」と呼ばれています。
また、原材料のオーガニックコットンからタオルができるまでのすべての過程がトレーサブル。タオルを購入したときに、QRコードが書かれたカードが同梱され、タオルになるまでのコットンの旅が確認できます。タオル本体の織り糸がオーガニック100%なのはもちろんのこと、縫製糸もオーガニックコットンというメーカーは、なかなか見つけられません。
それほどの厳しい条件をクリアして織り上げられるタオルですが、今治タオルのタグが見当たりません。このタグは、今治タオル工業組合の独自の品質基準をクリアした商品のみが今治タオルブランドと名乗ることができ、そのタグをつけることができるというもの。
「あのタグ自体は、オーガニックコットンではないので付けていないんですよ。」(IKEUCHI ORGANIC代表 池内計司さん)
今治タオルであることから選ばれるタオルではなく、IKEUCHI ORGANICだから選んでいるファンが多いタオルということがわかります。それほどまでに、オーガニックにこだわる理由をうかがってみると、
「とにかく気持ち良い安心安全なタオルを作りたい。ただ、それだけです。そのために選んでいるのが、オーガニックコットンで、風力発電です。1枚のタオルに携わる綿農家さん、糸にする人、織る職人たち、伝える私たち、使うみなさん全員が幸せか?を問いながらモノづくりをしたいと考えています。」(IKEUCHI ORGANIC 営業統括兼広報 タオルソムリエの益田晴子さん)
全方位で幸せになれるタオルですね。
ちなみに、今治タオルの基準をクリアしていることは、今治タオルブランドの商品検索で確認でき、IKEUCHI ORGANICのタオルが登録されていることがわかります。さらに、できあがったタオルは赤ちゃんが口に入れても安全なほどで、繊維製品に有害物質が含まれていないことを証明する世界最高基準のエコテックス・スタンダード100で一番厳しいクラス1認証を受けています。
そして、創業120周年となる2073年には、「赤ちゃんが食べられるタオルを創る」ことを目標に、日々進化を続けています。食べられるタオルとは、発想もしませんでしたが、2015年には、食品工場の安全基準であるISO-22000をタオル業界で初めて取得していることから、本気なのだと感じました。
かなりの覚悟が必要なのではないかと勝手に想像していましたが、「常に目標を見上げる。未来に向けてボールを投げて、その先を見ながら少しずつでも前に進む。同じ目標を見ていることで、1人じゃないという思いが乗り越えていけるパワーになっていると思います。」(益田さん)
店舗に行く度に、スタッフのみなさんがタオル愛に溢れていると感じるのは、同じ高い目標に向かっているからこそなのだと改めて感じました。
タオルは種類も豊富で好みや目的別に選ぶことができる
タオルは、好みがわかれる日用品です。柔らかいタオルが好きな人、しっかり重量感のあるホテルのようなタオルが好きな人など、購入前はどれにしたらいいのか悩みます。オンラインで購入するならタオルのチャートを参考に、東京と京都の店舗に出向くなら、実際に使って検討することができます。
手を洗って並べられている多くの種類のタオルから選んで試すことができるのですが、それらは何度も店内の洗濯機で洗ったものなのです。洗濯して、どのように変化するのかも実感できるのもうれしいところ。
また、タオルを長く、心地良く使えるようにと洗濯のアドバイスももらえますし、タオルメンテナンスというクリーニングサービスも行なっています。貴重なオーガニックコットンで織り上げられるため、長く愛用してもらいたいという思いが込められています。購入時には多少高額と感じるかもしれませんが、筆者は、15年ほど使っているタオルもあります。肌触りや吸水性が長持ちし、まだまだ快適に使えていることを考えると、コストパフォーマンスはとてもいいと感じています。
肌触りのいいタオルをいつも身に纏える「オーガニック1040 Tシャツ」
新製品が誕生するたび、そのこだわりに驚かされていますが、この春、タオル地のTシャツが誕生しました。それが、「オーガニック1040 Tシャツ」です。
このオーガニック1040というのは、サラサラで爽快な新触感のオーガニックコットン100%の超軽量タオル生地で、デュベ(布団カバー)用に開発されました。通常のタオルの半分の細さの糸を使って極限までパイルの長さを短くして織り上げられたデュベは、通常のタオルと比べ、約60%の軽量化を実現しています。
パイルが短いことで引っかかりにくく、試してみると、肌あたりもサラサラでした。眠りを快適にと織り上げられたデュベ用生地で、なぜTシャツを作ろうと考えたのでしょうか。
「家の中だけに限らず、日常生活、旅先やアウトドアといったあらゆるシーンで、居心地や着心地といった快適性を求める人が増えています。いつでもどこでも、オーガニックタオルの気持ちよさを感じていただきたいという思いから、Tシャツを完成させました。」(益田さん)
とはいえ、タオル生地は、ニットのように編み上げるのではなく、織りのため伸縮性がありません。そのため、従来通りの縫製では、カラダにフィットせず着心地が損なわれます。そこで考え出されたのが、1枚の生地と首回りのニットの2枚のパーツで縫製すること。
かぶるタイプのポンチョをイメージするとわかりやすいかもしれません。前後の身ごろを縫製するという、最小限の縫製で仕上げるパターンを採用したそうです。
「生地は繊細でデリケート。伸び縮みしないため、縫製にはかなりの技術が必要となります。職人の熟練の技で1枚1枚丁寧に仕上げています。」(益田さん)
首回りは、ニットということで伸縮性がありますが、全体はタオル生地。タオル生地で身に纏うものといえば、バスローブを思いうかべますが、その場合、浴衣のように自分のカラダにフィットさせます。ですが、Tシャツの場合は、そうはいきません。一体どんな着心地なのか気になりますよね。
着てみると、肌離れがよく、サラサラでとても軽い。今までに着たことがない感覚で、伸縮性がないということが全く気になりませんでした。バスローブも水分を吸ってくれている感覚はありますが、あのゴワゴワした感じはゼロ。薄いとはいえタオル生地であるため、汗を吸ってくれ、常に汗を拭いてくれている状態なのか、サラサラ感が続きます。
エアコンの効いた屋内では、少し暖かいような感じもありました。アウトドアで汗をかいたときに、従来のTシャツの場合、体にまとわりつくこともありますが、そんな不快感も全くなし。何にもたとえられないような着心地です。
「海やシャワー、サウナのあとなど、肌や五感が敏感になっているときに着ていただけると気持ちよさをなお感じていただけると思います。このTシャツで眠りについていただくこともおすすめです。」(益田さん)
眠っているときも汗をかくことを考えると、日中だけでなく夜も着用したくなりますね。
この着心地のよさを体験すると、Tシャツだけでなく他のアイテムも欲しくなります。と思っていたら、
「24時間いつでもどこでもオーガニックタオルの気持ちよさを感じてほしいので、インナーの開発も進めています。」(益田さん)
これは、うれしい。夏のキャンプなら、1040のシリーズアイテムだけで過ごせる日がくるかもしれませんね。カラーは、ホワイトとチャコールグレイ。汚すことが心配でチャコールグレイを選びましたが、ホワイトも気になります。この夏は、まず「オーガニック1040 Tシャツ」の着心地を体験してみてはいかがですか。
IKEUCHI ORGANIC
https://www.ikeuchi.org/onlinestore/