キャンピングカーで550泊以上したからわかる!真夏の車中泊の過酷さ
私たちは夫婦でキャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊中で、旅を開始して1年半以上が経過しました。イタリアで旅をスタートさせ、フランス、スイス、ドイツなど8ヵ国を訪問し、2度目の夏を迎えます。
550泊以上の車中泊をして一番大変に感じるのはやっぱり真夏の時期です。冬ももちろん氷点下になり厳しい季節ですが、キャンピングカーには暖房設備が備わっているので、なんとか乗り切れます。しかし、真夏の炎天下では車内の温度も上昇し、外気温より高くなり日中は車内で過ごすのは不可能な暑さになり、どうしようもありません。
実際に1年半フルタイムでキャピングカー暮らしをしてわかった夏の車中泊の過酷さや注意点、実践している暑さ対策と、おすすめグッズを紹介します。これらで暑い夏も乗り切ってきたのでぜひ、参考にしてください。
夏の車中泊の注意点
車中泊は外との距離が近い分、天候や気温の影響をもろに受けてしまいます。さらに、車のフロントガラスは太陽光を通しやすく、黒いダッシュボードは熱を溜めるので表面温度が約70度Cに上昇することもあります。普通の家とは違い、車内は外気温よりも高くなる場合もあるので、車中泊の際は十分に注意が必要です。
家電製品の置き場に注意
前述したように、夏の炎天下では車内温度は外気温よりも高する恐れもあるので注意が必要です。
ダッシュボード付近はとくに高温になりやすいので、そのような場所は避け、直射日光の当たらない涼しい場所へ、家電製品などを保管するようにしましょう。車内の足元周辺や収納棚の中は、そこまで熱くならないので私たちはそこに収納しています。
エアコンは使えない
停車した状態で、車のエンジンをかけたままでエアコンを長時間使用すると、バッテリーが上がってしまったり、騒音問題や、最悪の場合換気不良による一酸化炭素中毒などもあり得ます。なのでエンジンをかけたままでエアコンを使った車中泊はNGです。
キャンピングカー向けの取り付けタイプやポータブルエアコンなどもありますが、消費電力が高くサブバッテリーを限界まで使っても数時間程度しか起動できなので、なかなか厳しいです。外部電源のある場所では、時間や電力を気にせず使えますが、あまり現実的ではありません。そもそも、私たちのキャンピングカーはエアコンが付いていないので、暑さ対策やグッズを使いながら、上手く工夫していくしかないのです。
快適に過ごすための暑さ対策
まずは過ごしやすい場所選びと、涼しい環境づくりが大事になります。
①標高が高い場所へ避難
一番効果的な対策は標高を上げることです。標高100m上がるたびに0.6度C下がるとされているます。たとえば平地で26度Cの場合、標高1,000mの場所では19度C近くになるので、車内で快適に過ごしたり、快眠することもできます。
去年の夏はこの対策を実行し、イタリア北部のアルプス地域、ドロミテへ行き標高1,500~2,000m地点で約2ヶ月間滞在しました。平地では30度Cを超える気温でしたが、山の上は20度C前後ととても過ごしやすい気候でした。
②アスファルトの上よりも土や芝生の駐車場を選ぶ
アスファルトやコンクリートは太陽の熱を溜め込む性質があり、表面温度が50~60度Cにもなります。夜になっても温度が下がりにくいので、なるべく避けるようにしましょう。それに比べて、土や芝生は熱が逃げやすいので、アスファルトより格段に温度が下がります。
夏に車中泊をするなら、ビルやアスファルトのある都会や街中よりも、土や芝生など緑の多い自然のスポットを選んだほうが快適です。木影があれば風通しも良く、車内でも快適に過ごせます。駐車する場所選びもとても重要です。
③サイドオーニングで日陰を作る
太陽の強い日差しを遮る木がない場合は、サイドオーニングで日陰を作るのも一つの方法です。日中の車内は熱がこもって灼熱地獄状態に!それならサイドオーニングを開いて日陰を作り、テーブルや椅子を外に出し、風通しの良い日陰の下で過ごす方が涼しいのでおすすめです。さらに、外で食事をしたり、バーベキューしたりと夏のアウトドアライフを満喫できます。
サイドオーニングには、キャンピングカーに装備された引き出して簡単に設営できるタイプから、その都度、取り付けるカーサイドタープなど、さまざまな種類があります。車類や使用目的に合わせて選ぶと良いです。
私たちのキャンピングカーで使用しているFIAMMAのサイドオーニング
暑さ対策グッズ
①サンシェード
サンシェードは夏場も冬場も大活躍する車中泊に必須のアイテムです。車のフロントガラスとダッシュボードは直射日光を浴びて、最も気温が上昇する箇所です。サンシェードをつけることで日差しをカットし、車内温度の上昇を抑えられます。着けると着けないではビックリするぐらいの温度差があるので、私たちは夏も冬も一年中使用している必須アイテムです。
②USB充電式のクリップ式扇風機
狭い車内でも便利なのがUSB充電のクリップタイプ扇風機です。USB充電式だから車の12Vやモバイルバッテリーで充電できて、車中泊には大助かり!さらに、コードレスのクリップタイプなので、車内の好きな場所へ移動して簡単にセットできます。
③保冷剤
暑くて耐えられないときは保冷剤をタオルに包み、首などにあてると体温を下げることができ、一気にクールダウンします。夏バテや熱中症対策にも効果的なので、保冷剤を何個か常備していると良いです。保冷剤がない場合は濡らしたタオルで効果的です。古いテクニックですが、やるとやらないでは大違いです。
④ノートパソコンのスタンド
車内でパソコンを使ったリモートワーカーに限られた情報ですが、暑くて狭い車内では熱がこもり、パソコンなどの電化製品を使った場合、本体が熱くなり、フリーズやシャットダウンなどのトラブルが起きたり、最悪の場合故障などの原因になります。
そこで使用しているのが、折りたたみ式のノートパソコンスタンドです。これを使うことでパソコンとテーブルの間に空間ができ、その隙間から熱が逃げるのでパソコンの温度上昇を防げます。コンパクトに折りたたんで持ち運べるので、私たちのようにバンライフでリモートワークしている方にはおすすめです。
⑤冷感まくら・冷感パッド
猛暑が続くと暑くて寝苦しい夜も出てきます。防犯面から窓を開けたまま寝られないこともあります。そこで活躍するのが冷感系アイテムです。接触冷感素材が使われているものは、触れるとひんやり気持ちよく快眠が期待できます。メーカーによっては吸湿速乾機能や抗菌加工が備わっているものもあり、ムレにくくサラッとした肌触りで車中泊の寝具としても最適です。
暑さ対策を万全にして、夏でも快適な車中泊に
1年半以上のキャンピングカー暮らしをしている私たちが実践している暑さ対策を紹介しました。小さなことでもやるとやらないでは大違いです。熱中症に気をつけながら水分補給をこまめにし、暑さ対策もしっかり行なって快適で楽しい夏の車中泊にしましょう。