ポルトガルの山間にある世界遺産の街シントラ。詩人バイロンが「この世のエデン」と称した街を取り囲む森は、なんと夏場、幻想的なホタルに彩られるそうです。
以前ご紹介したドラクエやラピュタを思わせるシントラの城の周囲にホタルが飛び交うなんて、まさにファンタジーな世界じゃないですか!
夕暮れから夜にかけて森を巡るホタル観察ツアーに参加してきました。
まずは、夕暮れの絶景を楽しむ
日が長くなってきたこともあり、集合は日没の30分ほど前の20時半。
日中は夏の陽気でしたが、日が傾くと山の上は風が強いこともあり、かなり肌寒く感じます。年配の地元の方は、さすがに賢くセーターやダウンジャケットを持参していました。半袖短パンの若者がビーチタオルやクルマの日除けシートを巻こうとしている姿が哀れです……。
集合場所の駐車場から、山道を通ってまずはペニーニャの丘の上、標高488メートルにあるペニーニャの聖域(Sanctuary of Peninha)へと向かいます。
道中の崖からは、ピンク色に染まる海岸線が一望できます。
以前ご紹介したユーラシア大陸最西端、ロカ岬も見えます!街明かりが灯っていく様もロマンチックな絶景ポイントでした。
歴史ある教会から夜の森へ
ペニーニャの聖域は1710年に完成した礼拝堂が有名ですが、その側には、16世紀頃のいおり(hermitage)が残っています。今回は、その中でホタルを見る際の注意事項を聞きました。
ちなみにホタルはポルトガル語で「ピリランポス(pirilampos)」といいます。なんだかかわいい響きですよね。
話が終わる頃には、かなり暗くなっていました。
ただ、ヘッドランプを持参して、とのことでしたが、ライトはホタルの邪魔になるんだとか。そのため、どうしても必要な場合は赤いランプのみ使用するように、という指示でした。かなり暗い山中は、木の根や坂で足元がちょっと不安ですが……みんなでゆっくりと進んでいきます。
すると、ぽつり、ぽつりとホタルの光が現れ始めました!
ガイドさんがホタルを希望者の手に乗せてくれました。繊細な光です。
満点の星空と飛び交う蛍
草に止まって光っているのは、メスのホタルとのこと。また幼虫も光るそうです。
さらに森の奥へと進んでいくと、今度はふわふわと飛び交うホタルの姿も。オスがメスを探して飛んでいるのだそうです。
月も出て、目も慣れてきました。
たくさんのホタルに囲まれて歩き、ふと上を見上げれば、いつの間にか満点の星空!
儚げな光に囲まれる、ロマンチックな夜のハイキングでした。そんな様子を撮影できず残念です。
初夏にポルトガルを訪れる方は、ぜひ参加してみて下さい!
なお、かなり気温が下がるので、セーターやダウンジャケットの持参がお勧めですよ。