シリーズ第4回では、リンカーン・パークを紹介します。
ウエスト・シアトルの海沿いに続くハイキング・コース
素通りするのはもったいない!
カナダと国境を接するワシントン州。シアトルは緑と水に囲まれ、「エメラルド・シティー」と呼ばれています。シアトル中心地から南西に橋を渡ると、ウエスト・シアトルと呼ばれるエリアへ。海に面し、離島へのフェリーや水上タクシーが発着する観光客にも人気の街です。
ウエスト・シアトル観光と言えば、対岸にシアトルのダウンタウンを望むアルカイ・ビーチが有名です。でも、地元民がこぞって訪れるのは、その南の海沿いに延びるリンカーン・パーク。遊歩道が整備されており、老若男女がウォーキングや散歩をする姿が常に見られます。砂浜に降りて、波と戯れたり、流木に座ってリラックスしたり。子どもの遊び場、バーベキューやピクニックを楽しめる広場もにぎやか。夏季は、シアトルでは珍しい屋外温水プールも開放され、多くの人出があります。
気軽に日帰りビーチ・ウォーク
まず、南端の駐車場側から海沿いの遊歩道へ出ます。坂を下り切ると、すぐに視界いっぱいに海の景色が。目の前をちょうどバション島を往復するフェリーが横切っていきます。海の向こうに見える山々はオリンピック山脈です。
訪れたのが週末というのもあってか、家族連れが目立ちました。遊歩道の陸側には、遊具やピクニック・テーブルが備わり、20人規模のパーティーに対応する雨除けの大きなシェルターも整います。この日も、やや肌寒い気候にもかかわらず、いくつかのパーティーが行われていました。また、ビーチに目を向ければ、犬の散歩をする人、磯遊びをする親子、デート中らしきカップル、シニアのグループなどが思い思いに時間を過ごしています。地元の老若男女に愛されている場所だとひと目でわかります。
公園自体は135エーカー(約55ヘクタール)と、シアトルでも最大規模を誇ります。そのうち、歩行者用トレイルは4.6マイル(約7.4キロ)、ウォーターフロントの遊歩道だけでも1.4マイル(約2.3キロ)になるとか。往復すれば、なかなかの運動量です。
好奇心をくすぐるスポットがあちこちに
ウォーターフロントの遊歩道脇に、2023年に設置されたのは、デンマークを拠点とするアーティストによるリサイクル素材を用いたインスタレーション・シリーズの一体で、トロールをモチーフにした巨大な作品。間近で見ると、迫力も満点です。
また、隣を歩く息子が興味津々だったのが、遊歩道沿いに点在するアザラシの写真。
「ここにもあるよ」
と、発見するたびに教えてくれました。その案内板があるポイントで目を凝らしてビーチや海を眺めてみますが、残念ながら何も発見できず…。運が良ければ、アザラシほか、シャチ、クジラ、アシカ、カワウソなどを見かけることもあるそうです。この日、私たちが遭遇できたのは、陸のウサギだけでした。次に来るときは、海の生き物も見られるチャンスがあるでしょうか?
■リンカーン・パーク
8011 Fauntleroy Way SW, Seattle, WA 98136, USA
https://www.seattle.gov/parks/allparks/lincoln-park