マウンテンパーカー、通称マンパ。いまや一般名称になっているが、その元祖はシエラデザインズが開発。ブランド創設後間もない1968年、雨に強いアウタージャケットとして高く評価され、ブランドの知名度を一気に押し上げたアイテムなのだ。
そんなシエラデザインズのマンパの最大の特徴が、いまも変わらず使われている機能素材「60/40(ロクヨン)クロス」。60/40とは、緯糸(よこいと)にコットン58%、経糸(たていと)にナイロン42%を使った混織生地で、雨に濡れると緯糸のコットンが膨張して防水性を発揮する素材。完全防水ではないものの、現在のような透湿防水素材がなかった当時は、アウトドアズマンにとって夢のような素材だった。
’76年にはゴアテックス採用の透湿防水ウェアが登場したが、いまもなお、完全防水ではないシエラデザインズのマンパの人気が衰えないのはなぜか──。それは「透湿」ではなく、コットン混織ならではの優れた通気性と、ある程度の防水性のバランスがとれていること。いまも、かつてみんなが憧れていた「Made in USA」であること。そしてなにより、いまどき希少となった、時代やトレンドに流されない普遍性が、アウトドアズマンのハートを鷲づかみしているにほかならないからである。
背中側に付された織りネームのロゴも、記念ロゴとして特別にデザインされた。
レザークッキーのほか、スナップボタン、織りネームすべてが、50周年の特別仕様。