地球環境を守る取り組み「Worn Wear」とは?
アパレル産業が抱える環境問題(CO2排出量、廃棄物問題)に取り組むパタゴニアの事業、それが「Worn Wear」だ。
次々に新しいものを購入するのではなく、修理して大切に使う、次の人に繋いでいく、本当に必要なものを購入するといった、パタゴニアの製品を循環させるアクションを促すのが目的。具体的には、使わなくなったり、壊れたパタゴニアのアイテムを、修理・買取・再販・リサイクルをするなどがある。
新品を買わず、壊れたら修理して使うことで、すでに所有している衣類の寿命を9か月間延ばすことができる。それにより、炭素排出、廃棄される物、そして水使用のフットプリントをそれぞれ20~30%削減することができる。環境性に優れた取り組みが「Worn Wear」だ。
いざパタゴニア東京・渋谷ストアの店内に潜入!
店舗に入ると、リペアされたパタゴニア製品がお出迎え。ふと横に目をやると、10年以上、中には20年以上に渡って着用した味のあるパタゴニアのアイテムがディスプレイされていた。一つひとつよく見てみると、あちこち修理をした形跡もある。
ということで、ここからは店内の写真をまとめて紹介しよう。
パタゴニアの挑戦が詰まった「Worn Wear」エリアに到着
イベント会場となっている2階へ上がると、胸に突き刺さるようなメッセージバナーが張られている。パタゴニアだからできる、そして説得力のあるスローガンだ。ここからは、筆者が特に印象に残ったコーナーを紹介しよう。
いうまでもなく、パタゴニア製品はどれも品質が高く、だからこそ長く使える良アイテム。キッズウェアも然りで、たとえ自分の子供が着られなくなっても次の世代に繋げられる。買取サービスは、必要としている次の人の手に渡るという循環をじかに感じられる取り組みだ。
実際に買取サービスを利用してみた
今回のイベントの大きな目玉のひとつが、買取サービス。筆者は、お気に入りだったのに油汚れがついてしまい着れなくなったパタゴニアのTシャツと、長年着用しボアが寝てしまったリバーシブルのベストを持参した。
「ここに油がついてしまって、洗っても落ちないんです」「ここに焚き火でできた穴が空いているのと、着用しすぎてボアが寝てしまって、ゴミも埋もれやすくなったんです」なんて説明していると、持ってきたウェアにも歴史や思い出が詰まっていることを再確認。
説明しながら、売りたくないなという複雑な気持ちになってしまった。
査定はものの数分で完了(店内の混雑具合により変動あり)。これで次に必要としている人にこのアイテムが渡ったり、このアイテムの一部分がリペアの材料として使われたり、リクラフテッドされていく。
そこでまた新しい思い出が生まれていくのかと思うと、なんだか我が子、我が相棒を託すような気分に。結局売るのをやめたのだった。
そんなセンチメンタルな気分になっていたら、どうしたことか、「やっぱりもう一度大切に使いたい!」という気持ちが芽生え、せっかく査定していただいたのに手元に置いておくことにした。
だって、スタッフの方が「この油シミ、こういう風にしたら落ちるかもしれませんよ」とか「寝てしまったボアは、スリッカーブラシでほぐしてあげると少し良くなるかも」なんてアドバイスをしてくれたのだから。このくたびれた感じに私の歴史があって、新品よりずっといいじゃない! と思ったのだった。
店頭では簡単な修理が可能
日本国内では、以前より修理を神奈川県鎌倉市にあるリペアセンターで行なっており、日本国内全店舗で修理を受け付けている。今回は袖の一部が破れたダウンジャケットを持ってきたので、早速修理してもらった。
簡単な修理ならその場で対応可能とのこと。今回は、応急処置として外側からパッチを張ることに。使用状況にもよるが、これで洗濯約50回程度は耐えられるのだそう。このパッチを貼ったアイテムを着用していることで、「自分はモノを大切に使っているよ」という嬉しさも感じられそう。
各店舗には簡易的な修理のトレーニングを積んだスタッフさんが在籍しているので、タイミングが合えばその場で直してくれるとのこと。
「Worn Wear」で、きっともっとパタゴニアが好きになる
今回は買取イベントに参加してきたが、今後は修理するリペアイベントや、使えなくなったTシャツをアップサイクルするイベントなども開催する予定。
「Worn Wear」のポップアップイベントでは、東京・渋谷ストア2階にて2024年8月4日(日)まで、買取、リペア、アップサイクルなどのイベントが毎週末開催。期間中は、中古アイテムやリクラフテッド商品の販売を行ない、期間後も直営店にて中古アイテムの販売が予定されています。気になった方はぜひチェックしてみよう。
パタゴニア「Worn Wear」のWEBサイトはこちら