日本のミライを明るくする! 園児野生化計画 vol.47
保育園の子供達と一緒にいつもの緑地公園で遊んでいると、男の子が突然僕にお困りごとを報告しに来ました。
「はせべ先生。この間遊んだ僕の木がないよ。どこにある?」
なんとなく彼が言わんとしていることはわかるが、どうにも詳細が掴みきれない。詳しく聞いてみるとこういうことだということが理解できました。
・この間遊んでいた木は強くてかっこよくて、一番のお気に入りだった
・特に気に入っているのは、木の枝の曲がり具合と自分で折って調節した長さだった
・誰の剣よりも良く切れる剣だった
・名前はスーパースターソードという
つまるところ、彼からすればその辺に転がっている木の枝とは似て非なる唯一無二のものだと言うことなのだ。そう言われると、僕も捜索に協力したくなるというもの。ただそのまま探していても詰まらないので、ひとまず彼には代用品で遊びながら探すことを提案しました。
戦いごっこをしながらも自分の剣を探し続ける男の子
戦いには集中しつつも、幾度となく枝を拾っては自分の剣かどうかを確かめていた
納得した彼は友だちと一緒に戦いごっこを繰り広げはじめました。一方とある女の子は、近辺をウロウロしながら何度も地面に座るという動作を繰り返している。気になった僕は彼女たちに聞いてみた。
返ってきた答えはとてもシンプルで、彼女たちは鳥で自分たちの家を探しているのだそうだ。当然気になった僕は、理想の家を聞いてみた。今鳥である彼女たちの理想の家は、ふかふかで、二人がちょうど収まるサイズでお日様がよく当たる場所らしい。
さて、男の子と女の子達の結末はどうなったかというと、男の子は無事に「僕の木」が見つかり、そして女の子達は無事に「私たちの家」が見つかった。僕らから見れば全て「自然」だけど、彼らから見ればそれは立派なオンリーワンのおもちゃであり、そして場所なのだ。
とうとう見つかった彼の剣
自慢の剣をたてて一番強いポーズを決めてくれた
彼女たちが無事に見つけた「家」。なるほど確かに心地よさそうだ
スーパークリエイターとも言える彼らの才能は、もしかしたら自然の中だからこそ育てられたのかもしれないな。彼らの見立てる力には脱帽させられた。