山歩き初心者でも行ける！標高1,970m、オーストリアの幻想的な湖「リューナー湖」をグルッと一周ハイキング

海外ハイキング

キャンピングカーでオーストリアへ到着

「移動する家」＝キャンピングカーに暮らしながら夫婦でヨーロッパ各国を巡っています。

私たち夫婦はキャンピングカーでヨーロッパを周遊中で、2023年にイタリアで旅をスタートさせ、ゆっくりペースで暮らすように旅をしながら8カ国を訪問してきました。定番の観光地だけでなく、あまり知られていない穴場スポットも訪れて、今までのキャンピングカー旅の様子や途中で発見した素敵な場所などをこちらでシェアしています。

現在は北欧に向かって北上中で、スイス、リヒテンシュタインと美しい自然に囲まれた国を通過しオーストリアに到着しました。夏の間に北欧へ到着したいので、今回のオーストリアの滞在期間は数日だけですが、あっと息を飲むような絶景の自然スポットを見つけていきたいと思います。

オーストリアの車中泊事情

ヨーロッパはキャンピングカー専用施設が充実していて車中泊旅には最適ですが、国によってルールが変わるので注意が必要です。オーストリアもそのひとつで、RVパークやキャンプ場以外での車中泊は禁止されています。無料のRVパークやキャンピングカー用の駐車場はほとんどなく、すべてが有料なので、私たちのように低コストで車中泊の旅をする者には少し厳しいかもしれません。

オーストリアの秘境＝リューナー湖へ

オーストリア・アルプスの山々に囲まれた幻想的なリューナー湖。

リューナー湖（Lünersee）はオーストリアの最西部のフォアアールベルク州にあり、スイスとの国境付近の大迫力のレーティコン・アルプスの山々の間にひっそり佇む湖です。標高1,970mもの高さにあるこの湖は、現在、水力発電ダムが建設されていますが、かつてはこの地域最大の天然湖でした。

緑豊かな素晴らしい風景のなか、湖のほとりをハイキングしたり、周囲の山をトレッキングしたりと、初心者から上級者までアウトドア・アクティビティを楽しめます。数多くの自然愛好家や冒険家が、その自然の美しさを体験しにやってきます。

アクセスも良好

ゴンドラ駅の近くには、キャンピングカーも駐車できる大きめの駐車場があるので便利。

キャンピングカーの場合、リューナー湖へと上るゴンドラ駅の前には大きな駐車場があるので、そちらを利用できます。また、ブルーデンツ駅前からBrandnertal（バラント）行きのバスに乗り、終点のLünersee（リューナーゼー） 停留所で降りることもできます。

ゴンドラの料金は？

ゴンドラを使えば、湖のある標高1,900m地点まで楽々移動できる。

湖のある標高1,900m地点まではゴンドラで楽々上ることができます。ゴンドラの営業時間は8時から17時まで。大人1名の料金は、往復23ユーロ、片道では14.90ユーロです。乗車時間は10分ほどで、15分間隔で出発しています。

いよいよリューナー湖へ向けてハイキングをスタート！

ゴンドラで上ることもできますが、私たちはゴンドラを利用せず、歩いてリューナー湖を目指すことにしました。湖まで約1時間のハイキングコースは、400mもの標高差があるなかなかの上りなので、体力に自信がある方向けです。

岩場にはロープも整備されてます。

中盤までは緩やかな上りで、終盤からは徐々にゴツゴツしたは岩場になりますが、しっかりとロープや足場があるので安全に進むことができます。小さな滝の横を通ったり、ゴンドラや美しい景色を眺めながら歩きます。気づけば、あっという間に湖に到着です。

自然を感じながら思いっきりリフレッシュできるコースです。

気分はまるで「サウンド・オブ・ミュージック」の世界

まるで絵画のような美しい景色。

リューナー湖の入り口にはレストランや宿泊施設もあり、こちらで湖を眺めながらの素敵な食事も楽しめます。

リューナー湖に到着すると、そこには雄大なエメラルドグリーンに輝く湖と、それを囲むように連なる大迫力のオーストリア・アルプスの感動的な景色が広がっています。湖畔にあるゴンドラ到着駅の隣には、トイレやレストラン、軽食などができる施設のほかに宿泊施設もあるので、部屋の窓から美しい湖の景色を見ながら目覚める、なんとも贅沢な体験をすることもできます。

子供から大人まで楽しめるリューナー湖ぐるっと１周コース

子供から大人まで気軽に楽しめる、とっても歩きやすいコースです。

まずは湖を一周するハイキングコースから歩き始めることにしました。こちらはファミリー向けの簡単なルートで、周囲6kmの湖を1時間半〜2時間かけてグルッと一周します。右側のルートは標高差もあまりなく、広い砂利道の歩きやすいルートなので、ワンちゃんと一緒に歩いたり、ベビーカーを押すファミリーもたくさんいました。

絶景ポイントにはベンチがあるので、ゆっくり休みながらハイキングを楽しめます。

途中、所々に休憩用のベンチがありますが、絶景スポットにはピンポイントでベンチがあるので、ゆっくりと休みながら進むのも良いです。

中間近くにたどり着くと湖に向かって小さく盛り上がった牧草地の丘があります。そこには色とりどり高原植物や花が咲いており、周りはオーストリアの美しい山々に囲まれ、気分はまるで「サウンド・オブ・ミュージック」の世界です。頭の中では「ドレミの歌」が流れながら、思わず走りだしたくなるような絶景の世界！を楽しみました。

まだ雪の残っている箇所もあり、その風景も美しいです。

少し進むたびに違った景色が広がるので、飽きることなくハイキングを楽しめます。私たちが訪れた6月中旬はまだ雪の残っている箇所もありましたが、道だけはきちんと除雪されており、避けた雪が壁のようになっていて、それもまた素敵でした。

雪の壁の間を通る箇所もあり、ワクワクしながら進めます。

リューナー湖左側のコースは、少し湖畔から離れて上り坂の牧草地帯になっています。このルートのなかで、一番高い場所にあるため、ダムからの景色もバッチリ見ることができます。そこからは下り坂で、スタート地点のゴンドラ駅へ戻れば一周完了です。

リューナー湖をグルッと一周して、スタート地点のダムへ到着。

湖の絶景が見えるスチャガファール山頂へアタック

前方に見えるのがスチャガファール山の頂上です。

リューナー湖を一周し終わって体力に自信のある方は、湖横にある標高2,414mのSchafgafall（スチャガファール山）へのアタックがおすすめです。ゴンドラ駅の左横を進むとルート入り口があり、距離は2.5km、約1時間半のコースになります。標高差はけっこうありますが、ガレ場などもなく技術的な難易度は低めです。

振り返るたび、後ろには美しい湖の景色が。

道中、高度が上がるたびに振り返ると、湖が違う景色を見せてくれます。少し進んでは振り返って、その絶景に圧倒される。その繰り返しでなかなか先に進めないほどの美しさです。

標高2,414mのスチャガファール山頂。

ラストスパートは急坂で、けっこうハードですが、そこを抜けるとスチャガファール山の頂上と、ご褒美の感動的な景色が待ち受けています。頂上からは、どこを見ても大パノラマのアルプスの美しい景色が広がり、言葉を失うほどです。リューナー湖も太陽があたるたびにキラキラと輝き、下から見るのとはまた違った魅力的な姿を見せてくれます。余裕のある方はぜひ、スチャガファール山まで上ってみてください。

見渡す限り360度オーストリア・アルプスが広がる爽快な絶景です。

山頂から見るリューナー湖はさらに色が輝き、違う一面を見せてくれます。

色んな角度から違う顔を見せる「魅惑の湖」

1日たっぷり自然を堪能できるリューナー湖を紹介しました。湖までのアクセスも抜群で、山歩き初心者でもゆったりと周回ハイキングを楽しめて、色んな角度からの美しい湖と山の景色を味わうことができます。オーストリアの最西部にある穴場の湖なので、機会がある方はぜひ訪れてみてください。

私たちのキャンピングカー周遊はまだまだ続き、これからも今まで見たこともないようなヨーロッパの美しい自然スポットを発見して、こちらにシェアしていきますので楽しみにしていてください。

私が書きました！

トラベルライター

ルアナ

2023年1月から夫婦でキャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊中！登山、キャンプなどのアウトドアが大好きで、ヨーロッパでもアルプスや色んな地域の山を登っています。夫婦の長年の夢だったキャンピングカー暮らしで旅をして、有名観光地だけでなく、ガイドブックにも載っていないような秘境スポットをどんどん巡り、キャンピングカーライフや海外登山などリアルな体験談をお届けします。Instagram：https://www.instagram.com/doisdenos_lu_tani